ポーカーには、ドンクベット(Donk Bet)と呼ばれるアクションがあります。扱いが難しいことから、初心者は「使っちゃダメ」と言われることも多いアクションです。
しかし、実はドンクベットにも正しい使い方が存在します。
この記事では、そんなドンクベットに関する知識を余さず解説しています。
- ドンクベットとはどんなものか?
- ドンクベットがダメと言われる理由
- ドンクベットの正しい使い方
最後まで読んで、ドンクベットを上手に扱えるようになりましょう。
ぽかねろ
- コンテンツディレクター
- 趣味でオンラインとライブポーカー
- 複数回高額インマネあり
Contents
ポーカーのドンクベットとは?
ドンクベットとは、最後にレイズしたプレイヤーのアクションを待たずにベットすることです。
ポーカーの定石では、オリジナルレイザーやアグレッサーまでチェックで回すのが一般的。強いと主張している相手に対して、先にベットするのは利益的ではありません。
以下の項目で、ドンクベットと名付けられた理由や、実際のボードを用いた具体例を解説していきます。
ドンクベットと呼ばれる理由
なぜドンクベットと呼称されるのか。それは、英語のドンキー(donky)が語源と言われています。
ドンキーとは、英語圏で使われる「バカ」を意味するスラングです。よって、ドンクベットも「バカなベット」を指す言葉として使われています。
ポーカープレイヤーの間では略して「ドンクを打つ」と言われることが多いですね。
アグレッサーを待たずに先打ちすることから、不利益的な行動としてドンクベットと呼ばれているのです。
実際のボードで見るドンクベットの具体例
実際のボードを見ながらドンクベットの具体例を見ていきましょう。
上のボードでは、以下のような状況になっています。
- CO(カットオフ)がオープン
- SB、BBがコール
- フロップが開いてSBとBBがチェック
SBとBBはチェックして、オリジナルレイザーのCOに回しました。これは一般的なプレイです。
しかし、SBとBBのどちらかが先にベットすれば、それはドンクベット。オリジナルレイザーのアクションを待たずにベットしているためです。
ドンクベットがダメと言われる理由
ドンクベットがダメと言われる具体的な理由は、以下の2つです。
ただドンクベットと名付けられているわけではなく、利益につながらない明確な理由が存在します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
ドンクベットがダメと言われる理由①
チェックレンジが弱くなる
毎回ドンクベットを打っていると、チェックレンジが弱くなります。
-
- チェックレンジ
自分がチェックするハンドの組み合わせ。弱いハンドだけでなく、強いハンドも含める必要がある。
- チェックレンジ
ハンドが強くなった時だけ毎回ドンクベットを打てば、チェックするハンドは弱いと相手にバレてしまいますよね。
そのまま相手に漬け込まれて、ブラフで降ろされてしまうことが多いのではないでしょうか?
バランスの良いレンジを構築する意味で、強いハンドでドンクベットするのは避けるのが賢明です。
ドンクベットがダメと言われる理由②
バリューを取り逃す
ドンクベットがダメと言われるもう1つの理由は、バリューを取り逃すためです。
-
- バリュー
自分が勝っている状態で、相手からチップを引き出すこと。
- バリュー
強いハンドでドンクベットを打ち続ければ、相手に気づかれて降りられてしまうでしょう。しかし、以下のケースだとどうでしょうか。
- 強いハンドでチェック
- 相手からベットされる
- それに対してレイズを返す
上記の場合、相手がレイズに対して降りた場合でも、ベットされた分の利益を得られます。
オリジナルレイザーは引き続きベットする可能性が高いので、ドンクベットを打たずにレイズした方が利益的なことがわかりますね。
ドンクベットの正しい使い方と戦略
ドンクベットの理解を深めると、このような疑問が出る方もいるでしょう。
しかし、実はドンクベットにも有益な使い方があります。正しい使い方と戦略を解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
それぞれの戦略について、詳しく解説していきます。
ドンクベットの使い方と戦略①
レンジを活かしてブラフする
ドンクベットのもっとも利益的な使い方は、レンジを活かしてブラフすることです。
たとえば、自分がBBでコールして、以下のフロップが出たとしましょう。
4♣7♥8♥
上記のフロップは、MPよりもBBに有利です。ローカードやミドルカードはBB側のレンジに多く含まれるためですね。
仮に自分がヒットしていなくても、相手側はボードに掠りもしていない可能性が高いでしょう。よって、レンジを活かしてドンクベットすることで降ろせる可能性が高まります。
また、相手が自分の情報を持っていない状態であれば、さらにフォールドする確率は上がるはずです。
自分のレンジを活かしたドンクベットによるブラフは、時に利益的なアクションになることを覚えておきましょう。
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ドンクベットの使い方と戦略②
リバーでのバリュー損失を防ぐ
リバー(5枚目の最終アクション)まで到達している場合には、バリュー損失を防ぐドンクベットが活躍します。
リバーまで進んでいる場合、相手側も強いハンドを警戒している場合がほとんどです。そのような場合、こちらがチェックすると相手にもチェックを返される可能性が高まります。
強いハンドを持っていてチェックを返される可能性が高いのであれば、こちらからドンクベットを打ったほうが利益的になります。降りられることも多いですが、ベットしなければバリューは取れません。
-
- 明らかに相手より強いハンドを持っている
- 相手が慎重なプレースタイル
(チェックで回される可能性が高い)
上記を満たしている場合は、バリュー損失のためにドンクベットを検討しましょう。
ドンクベットの使い方と戦略③
相手のドローハンド完成を防ぐ
相手にドローハンドが多い状況では、こちらからドンクベットを打つこともあります。
-
- ドローハンド
次のカードでフラッシュやストレートになる可能性を持ったハンド。
- ドローハンド
こちらがヒットしている場合、現状は勝っている可能性が高いです。しかし、次のカードで逆転される可能性を秘めています。
相手はチェックで回せばタダで次のカードを見れるので、ドローハンドを完成させないためにドンクベットを打つことが正当化されるのです。
ベットした結果次のカードでドローが完成しても、勝っている段階で相手からバリューを引き出しているので、プレーとしては問題ありません。
「相手にタダで次のカードを見せたくない!」と感じたシチュエーションでは、ドンクベットを検討してみましょう。
ドンクベットの使い方と戦略④
安いベット額(オッズに合う金額)で次のカードを見る
1つ前の項目で「相手のドローハンド完成を防ぐ」ためのドンクベットを解説しましたが、逆パターンも存在します。
自分が次のカードを見たい場合にも、ドンクベットが活躍する場合もあります。
こんなシチュエーションでは、あえて安くドンクベットしてみるのもよいでしょう。
相手がコールに留めてくれれば、自分の思い描いた金額で次のカードを確認できます。大きいベットをされるとオッズが合わない場合は特に有効です。
ただし、注意点として「相手からレイズされたらどうするか」を考えておく必要があります。素直に降りるのか、レイズされても対抗するのか検討したうえでドンクベットを打ちましょう。
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相手からドンクベットされたら?対策方法を解説
ここからは、自分がドンクベットをされた場合の対策方法を見ていきましょう。ドンクベットの対策は、相手プレイヤーのスキルによって異なります。
それぞれのシチュエーションに分けて解説していきます。
ドンクベットの対処法
相手が上手いプレイヤーの場合
上手いプレイヤーがドンクベットしてきた場合は、慎重な判断が必要です。主な選択肢は以下の2つ。
- 素直にフォールドする
バリューが取れると判断してベットしてきている場合は、素直にフォールドしましょう。
リバーでのドンクベットは、バリューを取りに来ている可能性が高いでしょう。 - ブラフと判断して対抗する
フロップやターンでセミブラフをしていると判断できれば、対抗するのもよいでしょう。
ボードで出ているカードをしっかりチェックして判断する必要があります。
上手なプレイヤー相手に安直な判断は禁物です。慎重に相手のアクションを見極めましょう。
ドンクベットの対処法
相手が下手なプレイヤーの場合
相手が下手なプレイヤーの場合は、素直に自分のハンドの強さと相談しましょう。
上記のように感じたら、ブラフの可能性も高いでしょう。しかし、急に大きなサイズをベットしてきたら、何かアウツを引いた可能性も考えられます。
下手なプレイヤーのドンクベットには、ブラフで対抗せず、ハンドの強さを中心にアクションを決めるのがおすすめです。
ポーカーYouTuber「世界のヨコサワ」もドンクベットについて解説!
引用:ヨコサワポーカーチャンネル
ポーカーYouTuber「世界のヨコサワ」さんも、初心者がやりがちなドンクベットについて動画上で解説しています。
動画は非常にわかりやすい内容になっており、ポーカー初心者は必見です。
- ドンクベットのシチュエーション
- ドンクベットを回避する方法
- ドンクベットしがちな場面
ホワイトボードを用いて視覚的に解説されているので、ぜひチェックしておきましょう。
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ポーカーのドンクベットに関するQ&A
ここでは、ドンクベットに関する2つの質問に回答していきます。
- ドンクベットしない場合はどうするべき?
- ドンクベットにメリットはあるの?
それぞれの質問の回答を見ていきましょう。
Q.ドンクベットをしない場合はどうするべき?
ドンクベットをしない場合、基本的には最初にレイズした人までチェックで回しましょう。
ポーカーの戦略では、オリジナルレイザーの動きを確認するのが定石です。「ここはドンクベットが有効だ!」とハッキリ感じたとき以外は、一度チェックして様子を窺いましょう。
Q.ドンクベットにメリットはあるの?
もちろんドンクベットにもメリットはあります。
- レンジを活かしたブラフ
- バリューの取り逃しを防ぐ
- 相手のドロー完成を防ぐ
使いこなすのは難しいですが、レベルが上がってくるとドンクベットを取り入れていかなければ戦えません。
高いレベルでポーカーを遊びたい場合は、少しずつドンクベットを扱えるように研究していきましょう。
ドンクベットの使い方を理解してポーカーを有利にプレイしよう!
ドンクベットは、基本的にダメなプレイと言われています。しかし、戦略的に使いこなせば間違いなくポーカーを有利に進められるアクションの一つです。
ドンクベットをすぐに使いこなすのは難しいと思いますが、この記事で解説した内容を理解して、徐々に使い方を覚えていきましょう。
アミューズメントカジノやオンラインポーカーの低レートであれば、ドンクベットを使いこなすだけでも勝率が大きく向上するでしょう。
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