

ポーカーのVPIPは、自分や相手を知るうえで、非常に重要な指標のひとつです。
特にオンラインでポーカーが上手な人の中では、この指標を気にしない人はいないと言っても過言でありません。
この記事では、VPIPをはじめとしたポーカーのスタッツについて解説していきます。
- ポーカーのVPIPについて
- VPIPから相手に対応する方法
- VPIP以外のスタッツの意味
是非最後まで読んでいただき、スタッツの意味や生かし方を知っていただけたらと思います。
ポーカーのVPIPって何?用語の意味を解説!
ポーカーのVPIPとは、Voluntarily Put chips In Potの略です。
VPIPとは自分からポットにチップを入れた割合、つまりゲームへの参加率を表した指標です。
例えば、VPIP25%の人がいた場合、75%をフォールドし、残りの25%をレイズやコールをして参加したことになります。
ただし、自分からポットに入れていないブラインドでフォールドしたり、ウォークで終わったりした場合はゲームに参加したとみなされません。
また、BBまでリンプで回ってきたときに、オプションチェックをしたBBも同様です。
VPIPはHUDで確認できる
VPIPは、HUDというツールを使うことで確認できます。

Poker TrackerやHold’em Managerを用いて相手のスタッツを収集しているなら、VPIPをプレー画面にオーバーレイさせて表示させることができます。
KKPOKERなら、月額課金を行うことでこの機能を利用できます。
HUDを使えないGGPokerや、ポーカーチェイスやMホールデムと言ったポーカーアプリでも、相手のVPIPを確認できる機能がついていることが多いです。
それだけ、重要なスタッツだということですね!
VPIPから相手のプレー傾向がわかる
VPIPは、相手のプレースタイルの傾向を掴むための最も重要な指標になります。
相手がルースかタイトか分かれば、そこから繰り出されるレイズの怖さも変わってきますよね?
VPIPの具体的な見方は、次の章で解説していきます。
VPIPの情報を生かして相手に対応するには?
ここでは、VPIPの適正値と、VPIPを見ることで相手に対応する方法について解説していきます。
相手がルースな場合とタイトな場合に分けているので、是非プレーの参考にしてくださいね!
VPIPの適正値はどれくらい?
6人テーブルにおけるVPIPの適正値は18%から多くて30%くらいです。

この値から外れたプレイヤーがいたなら、要注目です。
VPIPから自分のプレーを見直す場合、大体VPIP20%前後を目指してプレーすると上手くいきやすいでしょう。
上手なオンラインプレイヤーの場合、ブラフでエッジを出すことから、VPIPは少し高めの24%くらいになっている印象です。
逆に、レーキの影響が大きいライブキャッシュなどのフィールドでは、VPIPを少し小さく保つといいでしょう。
相手がタイトな場合(~18%)
タイトな相手からレイズを受けた場合、相手のハンドレンジは通常より固く、強力なことが多いです。
レイズに直面したなら、通常より多くのハンドをフォールドすることになるでしょう。
逆に、タイトな相手が後ろに控えている場合、相手は通常より降りてくれるため、スチールを狙いやすくなります。
相手がルースな場合(25%~)
ルースな相手からレイズを受けた場合は、相手のハンドレンジは通常より弱いことが予想できます。
あなたがBTNやBBにいるなら、広くコールすることが正当化されます。
また、3betレンジをいつもより広げてみてもいいでしょう。
相手が、抵抗できる手を持っていることは少ないでしょうから。
相手が平均的な参加率の場合
相手のVPIPが適正な場合、VPIPだけで付けこむ隙を見つけるのは難しいかもしれません。
後述する他のスタッツを見て、付けこむ隙があるかも一緒に考えてみましょう。
特にない場合は、GTO的な戦術を取ることで身を守ることも考えましょう。
VPIP以外には何がわかる?HUDからわかる主なスタッツについて解説!
ここでは、HUDでわかる主要なスタッツについて解説していきます。
挙げている適正値は、一般的に言われる6人テーブルにおける適正値であって、適正は状況次第で変わるので、参考程度にとどめておいてください。
Preflop Raise%(PFR)
Preflop Raise(PFR)は、プリフロップにおいてレイズで参加している割合のことです。

PFRはその性質上、VPIPより大きくなることはありません。
通常、VPIPから数%下の値を示すことが多いです。
PFRの数値が、VPIPに比べて極端に低い場合、相手はリンプをしているか、BBやBTN以外でのコールが多すぎるプレイヤーです。
比較的弱い相手のスタッツだと言えるので、こんなスタッツを見つけたら積極的に狙いにいくといいでしょう。
3bet%(3B)
適正値:8%前後
3bet%はその名の通り、プリフロップでレイズに直面したとき、3betを返した割合を指しています。
3bet%が少ない相手の場合、相手は比較的パッシブだと言えます。ブラインドスチールも比較的通りやすいです。
ただし、こんな相手から3betを返された場合は要注意です。なぜなら、彼らの3betレンジはめちゃくちゃ強いと考えられるからです。

また、マイクロステークスのキャッシュゲームには3bet%が極端に大きい(20%~)プレイヤーもよく見られます。
これは、3betへの対応が苦手なプレイヤーを搾取する戦略だと言えます。
こんな相手には、(ポジションがあるなら)広くコールしたり、ブラフ4betを増やしたりして対応していきます。
ブラフする候補として、AやKをブロックしているスーテッドハンドが挙げられます。(A5sやK9sなど)
ブラフ4betは怖いかもしれませんが、案外相手は降りてくれるものです。
Fold to 3bet%(F3B)
適正値:60~70%
Fold to 3bet%とは、3betに直面したとき、フォールドする割合のことです。
この値が高いプレイヤーは、3betに降りすぎる傾向があるため、3betで圧力をかけることがより有効になります。
逆にこの値が低いプレイヤーにブラフ3betをかけてもなかなか相手を降ろせません。
とはいえ、相手は弱い手もディフェンスしていると考えられるので、フロップ以降戦うときは意識しておきましょう。
Flop CB%
適正値:60%~70%
Flop CB%とはフロップで、コンティニュエーション・ベット(CB)を打った割合のことです。
適正値よりCBを打ちすぎるプレイヤーの場合、ブラフのCBが多く含まれていることが予想できます。
CBに対して広くコールできますし、こちらに有利なボードが落ちているなら、いろいろな手でチェックレイズを返してみても面白いでしょう。
逆にCBが少ないプレイヤーからCBを受けた場合、コールするレンジやチェックレイズのレンジを絞る必要があります。
また、Flop CB%と同様にターンやリバーにおいても同様のCB%の統計を取ることも出来ます。
とはいえ、フロップの統計が最も取りやすく参考になることが多いです。
Fold to flopCB%
適正値:50%~60%
Flop to flopCBとは、相手のCBに対して、フォールドした割合のことです。
この数値が大きい相手であればあるほど、CBが効きやすいと言えます。広くCBしていけば搾取できることでしょう。
ただし、この数値が高い相手がコールしてきた場合、相手のコールレンジはかなり強いことが予想されます。
CBレンジを絞ったうえで、コールされたときには細心の注意を払う必要があります。
WTSD%
適正値:20~30%
WTSD%(Went to Showdown%)とは、フロップまで進んだプレイヤーがショウダウンまで進む割合のことです。
WTSD%は、フロップを見た相手がどれだけフォールドしているのかの指標になります。
この値が極端に高いプレイヤーの場合、相手のベットにコールし過ぎであると考えられます。

逆に、WTSD%が低いプレイヤーの場合は、ブラフが通りやすい可能性が高く、ブラフを試す価値がより高まります。
W$SD%
適正値:50%前後
W$SDは、ショウダウンしたハンドで、勝っている割合を示したスタッツです。
この値が極端に高い場合、相手のベットがバリューに偏っているか、ブラフキャッチ頻度が小さすぎることが分かります。
こんな相手からベットを受けたなら、普段よりフォールドを増やしたほうがいいかもしれません。
さらに言えば、ブラフキャッチをあまりしないため、ブラフのオーバーベットは比較的効きやすい相手だと言えます。
逆に、この値が低い場合、相手のベットにブラフが多いか、ブラフキャッチ頻度が大きすぎます。
相手からのベットにはタフコールし、強い手を持っている時にはオーバーベットなど積極的なベットをしていくと上手く搾取できるでしょう。
スタッツを見る時の注意点
スタッツを確認するとき、スタッツ以上に重要なのは、十分なサンプル数を集められているかどうかです。

ポーカーというゲームの性質上、少しのサンプル数だけでは何もわかりません。
数十ハンドのデータでは、たまたま手が入っていて、VPIPが高くなる時もあれば、全く手が入らず参加できないときも出てきてしまうからです。
例えば、VPIPとPFRを参考にする場合、最低100ハンドくらいはデータは欲しいところです。
それでも、せいぜい大きく外れたプレイヤーが察知できるくらいでしょう。
また、VPIPとPFR以外のスタッツを戦術に役立てるにはこれ以上のサンプル数が必要です。
ポストフロップをプレーできることなんて、全体的にはかなり稀なことですからね。
いずれにせよ、サンプル数が少ない状態でスタッツを気にしても、スタッツに惑わされるだけですから、無理に対応してやろうと考える必要はありません。
参考程度にとどめておきましょう。
スタッツから相手の隙を探してみよう
ポーカーで稼ぎたいと思うなら、相手のスタッツを確認して、対応していくのはとても大切なことです。
もしもHUDを使っていないなら、この機会に使ってみることをお勧めします。
きっと、格段にプレーしやすくなりますよ!

・ゲーマー大学院生
・ポーカー/麻雀/FPS
・JOPT出場経験あり