

弱気に取られがちなチェックですが、あえて弱く振る舞うことによって相手からベットを引き出すのもポーカーの駆け引きのひとつです。
この記事では、ポーカーのチェックの使い方や、その後のプレーラインの取り方、またライブポーカーにおけるチェックのジャスチャーについて解説していきます。
- チェックのジェスチャー
- チェックすべきスポット
- チェックした後のアクションプラン
是非最後まで読んでいただき、チェックを使いこなす助けになれば幸いです。
ポーカーのチェックとは?意味を解説!
ポーカーのチェックとは、ベットラウンドにてベットしないというアクションです。
チェックすることで、自分のベットを後回しにして、次の人の動向を伺うことができます。
チェックは誰からもベットが入っていないときだけ行うことができ、全員がチェックした場合はベットが入ることなく次のストリートに進みます。
チェックの時のジェスチャーを紹介!
ライブポーカーを打つ時、チェックを表せるジェスチャーを紹介します。
オンラインポーカーであれば、チェックボタンを押せばチェックできますが、ライブポーカーではそうはいきません。
もちろん、チェックと口で言えば通じますが、そのほかにもチェックをジェスチャーで示すことも出来ます。
- 指や手でテーブルを軽く叩く
- 自分の肩や腕を叩く
- 人差し指をくるりと回す
定番なのは、指や手でテーブルをトントンを軽く叩くジェスチャー。
これだけ覚えておけばライブポーカーをプレーしたとしても恥をかくことは無いでしょう。
ポーカーのチェックはいつ使う?使いどころを3つ紹介!
チェックを選択する場合、次のような状況であることが多いです。
- ハンドレンジが弱いとき
- 自分の手の強さが中途半端な時
- 自分の手の強さを隠したい時
ひとつずつ見ていきましょう。
ハンドレンジが弱いとき
相手と自分のハンドレンジを比べた時、自分のレンジが明らかに弱い時にはチェックを選択すべきです。
最も代表的なのは、ベットするとドンクベットになるような状況でのチェックでしょう。
例えば、COのレイズにBBでコールした場合、BBよりCOのハンドレンジのほうが明らかに強いと言えます。

逆に、BB側にナッツ級の強いメイドハンドができやすいフロップが落ちることもあります。
6♣5♦3♣や9♥8♠7♥のようなローコネクテッドボードが典型例でしょう。
BBが守っているハンドレンジには74sや65sなど、ストレートを作れる手が多く含まれ、97sや53sも含まれるので、2ペアもできやすいです。
一方でCOの強い手と言えばオーバーペアが多く、ナッツ級に強いとは言えません。2ペアより強いハンドのコンボ数を数えると、BBに軍配が上がりそうです。
このような状況に出くわした時のCOは、BBにレイズを返されると苦しくなるため、チェックバックを選択することが増えます。
この時のCOもハンドレンジが弱いからチェックしていると言えます。
自分の手の強さが中途半端な時
自分の手の強さが中途半端な時はチェックしたほうが得になりやすいです。
このような手のことをマージナルハンドと言います。
マージナルハンドを持っていた場合、チェックしてショーダウンに向かうことが利益的です。
なぜならマージナルな手でベットしてしまうと、強い手にはコールされ負けている手にはフォールドされてしまうからです。
シンバリューベットやブロックベットという形でベットする選択もあり得ますが、勝っているか負けているか分からない時にはチェックしておくのが定石です。
自分の手の強さを隠したい時
自分の手の強さを隠し、スロープレーするときにはチェックを選択することになります。
物凄く強い手ができてしまい、バリューターゲットがないときにスロープレーを選択することがあります。
もしも相手がオーバーアグレッシブで、あなたのチェックを機に強気に打ち出してくるような相手なら、スロープレーが刺さる可能性があるでしょう。
一方であなたがナッツ級に強い手を持っていた場合でも、あなたに有利なボードが並んでいる場合は、スロープレーはせずベットしたほうが得になりやすいです。

有利なボードでは、多くのゴミ手でブラフベットを打つことができ、それを知っている相手はあなたの思っている以上に広くコールしてくれるからです。
チェックした後どうする?OOPのアクションプランを解説!
チェックした後でベットに直面したとき、どのように行動するのかは大きく分けて3つに分類できます。
- チェックフォールド
- チェックコール
- チェックレイズ
前述したように、チェックした手がすべて弱いとは限りません。
特にハンドレンジで負けているからとチェックした手の中には、強力な手が含まれていることもあるでしょう。
相手のベット額にもよりますが、チェックした後で、どのようにアクションするのかをあらかじめ決めておくと、スムーズに判断できますよ!
チェックフォールド
チェックして、ベットに直面したらフォールドするというプランです。xfと表記されることもあります。
チェックフォールドを選択する時は主に2つのパターンが考えられるでしょう。
相手を降ろすのが難しいと判断し、ポットの獲得を諦める場合と、わずかなショーダウンバリューがあるが、打たれたところには勝てなさそうな場合です。
前者の場合、まずはブラフを考えたいところですが、ブラフハンドにも向き不向きがあるものです。
勝てないハンドのすべてをブラフに回してしまうと、ブラフを打ちすぎてしまい、相手に搾取される原因になってしまいます。
例:
COの2.5BBのレイズにSBが11BBの3ベットをしました。BBはフォールドし、COがコールします。
フロップ(pot:23BB)
K♠J♠6♣
SBは33%ポットの7.6BBのベットを打ち、COはコールします。
ターン(pot:38.2BB)
2♥
SBは27BBのベットを打ち、COはコールしました。
リバー(pot:92.2BB)
9♣
SBはチェックし、COは65BBのベットを打ちました。
この時のSBのアクションをGTO+というソルバーで調べたところ、このようになりました。
この時、SBのチェックフォールドレンジにはA♠4♠やA♠T♠などのフラッシュドロー滑りのハンドが多く含まれています。
一般的に、フラッシュドロー滑りのハンドはブラフには不向きであると言われています。
なぜなら、相手がドローハンドでコールしていた可能性を減らし、相対的に降ろせないようなメイドハンドを持っている可能性を高めてしまうからです。
このように、チェックフォールドのラインを取るハンドには、ブラフに不向きなハンドでギブアップするパターンが考えられます。
また、ライブのテーブルでは、相手の様子から直感的に降ろせなさそうと感じることもあるでしょう。
このような時には、損失を抑えるためにもチェックフォールドというラインを取ることになります。
次に、後者の「わずかなショーダウンバリューがあるが、打たれたところには勝てなさそうな場合」について考えてみましょう。
先ほどの例において、SBの持ちうるA♠9♠や77などは、ほんのわずかにショウダウンバリューを持っています。

このような場合は、チェックして相手がチェックバックしてくれることを祈りましょう。ポットが取れる時もあるかもしれません。
チェックコール
相手のベットに対して、コールするプランです。xcと略記されることもあります。
多くの場合、ベットしてもミスバリューベットになってしまいそうな中途半端な手で取るプレーラインになります。
また、コールする手の中に比較的強い手を残しておくことで、コールするレンジを強く保てることも魅力です。
先ほどのチェックフォールドの時の例で言うと、SBはKKやKQs、KTsの一部などをチェックコールに回します。
チェックレイズ
相手のベットに対して、レイズを返そうというプランです。xrと略記されることもあります。
チェックレイズにはバリューはもちろん、ブラフも含まれています。
チェックレイズは、コンティニュエーションベット(CB)の流行りと共に急速に研究が進んだプレーだと言われています。

CBにはブラフもバリューも含まれており、まさに「レンジが強いからベットして当たり前だろ」と言わんばかりのベットです。
CBは一時期大流行し、一昔前はCBを打っとけば勝てるとまで言われていました。現在でもポーカーの基本戦術のひとつに数えられています。
そんなCBに対するカウンター戦略のひとつがチェックレイズなのです。
相手にブラフのCBが多いのなら、相手を降ろすことで利益を上げられますし、あなたがモンスターハンドを持っていたなら、ポットを膨らませることができるでしょう。
例:
COが2.5BBにレイズし、BBのあなただけがこれにコールしました。
フロップ(pot:5.5BB)
A♣J♣7♥
BBのあなたはチェックし、COはポットの66%にあたる4.3BBをベットしてきました。
あなたがチェックレイズするのはどのようなハンドでしょうか?ただし、あなたは12BBのレイズを返すとします。
一見、COに絡んでいそうなボードですが、BBのあなたにもレイズできるハンドがあります。
相手のCBレンジにはボトムペアの一部やポケットペアをブラフに変えたところ、バックドアドローなど、チェックレイズによって降ろせそうな部分が残っているからです。

まずはバリューハンドとして考えられるのは77のセットやAJoやJ7sの一部などの2ペアでしょうか。A7sの2ペアはコールに回すことが多いイメージです、
ブラフハンドとして考えるのは、7♣6♣や8♣7♣などのコンボドロー、T♣9♣などのフラドロガット、J8sのようなセカンドバレルされると苦しいミドルペアをブラフに回すパターンなどが考えられます。
コンボドローやミドルヒットは完全なブラフというよりは、エクイティ確保の目的も兼ねていそうです。
▼GTO+での解析結果はこんな感じです。
チェックレイズを使いこなせればあなたのプレーのレベルが一段階上がりますよ!
チェックするのは弱いときだけじゃない
- チェックはベットをせずに次の人にアクションを譲る選択
- チェックするのはマージナルハンドを持っている時や、ハンドレンジで不利な時が多い
- チェック後にベットに直面したときのアクションも考えておくと良い
現代のポーカーはバランスが命です。
どの手をベットしてどの手をチェックするのかを意識しながらプレーすることができれば、あなたはより手強いプレイヤーになれること間違いなしです。
今回使用したツール
GTO+
GTOを学習できるツールです。
他の分析ツールに比べて買い切りで、かつ手頃な価格で手に入るのが魅力で、初めてのソルバーにもおすすめです。
ハンドレンジはGTOWizardを参考に構築しました。