ポーカーのベットとは、プレー中に取ることのできるアクションのひとつです。
ポーカーを始めたての方は、ベット戦略に迷って、なかなか積極的なベットができていないかもしれません。
しかし、現代のポーカーはとてもアグレッシブ。積極的なベットをしていかなければ食われてしまいます。
この記事では、ポーカ―のベットについて解説していきます。
- ポーカーのベットのタイミングがわかる
- ライブテーブルでの所作がわかる
- CBやオーバーベットについてわかる
是非最後まで読んでいただき、ベットについて考えてもらえたらと思います。
ポーカーのベットとは?意味やルールを解説!
ポーカーのベットとは、チップを賭ける行為です。
ベットに直面した相手は、勝負から降りる(フォールド)か、額を上乗せする(レイズ)か、勝負に乗る(コール)かの判断を迫られます。
ポーカーはベットすることを通じて、強い手でチップを引き出したり、相手を降ろしたりしてチップを奪い合うゲームだと言えます。
ベットとレイズの違いは?
ベットもレイズも、賭け額を提示する強気なアクションには変わりありません。
実際、レイズのことを2ベット、リレイズのことを3ベットと呼ぶこともあります。
これらの使い分けは、前にベットが入っているかどうかで変化します。
誰からもベットが入っていない時には、ベットになり、ベットが入っている時にはレイズになります。
ちなみに、プリフロップがレイズになるのは、ブラインドベットが入っているからです。強制されているとはいえ、ブラインドベットも立派なベットとして扱われるのです。
ベットできるタイミングは4回!
ホールデムやオマハでベットできるタイミングは4回です。
順番にプリフロップ、フロップ、ターン、リバーと呼ばれます。
ベットする順番はBTNの左隣からで、プリフロップの場合、左隣2人がブラインドベットをします。
ベットしたい時はどうすればいい?
ベットしたい時は、ベットしたい額のチップをテーブルに置けばベットとして扱われます。
声に出してベット額を伝えることも出来ます。
ポーカーには「発声優先」のルールがあるので、言った額と出ているチップの額が違う場合、言った額がベット額になります。
手元に高額チップしかない場合、ベットしたい金額を口に出せば任意の額をベットすることができ、お釣りも貰うことができます。
ストリングベットに注意
ベットする際は、チップを一度に出すようにしましょう。
一度に出せない場合、あらかじめ額を口で伝えるようにします。
チップを分けて出す行為はストリングベットと言い、ルール違反に当たります。
何度も分けてチップを出したら、その間に相手の顔色をうかがえてしまいますからね。
ポーカーでベットするのはどういう時?ベットのタイミングを解説!
ポーカーのベットは大きく分けて二つに分類されます。
バリューベットとブラフベットです。
この章では、二つのベットを解説していきます。
強い手を持っていてチップを引き出したい時(バリューベット)
バリューベットとは、あなたが強い手を持っている時、相手が自分より弱い手でコールしてくれることを期待して行うベットです。
よって、相手からコールを貰うことを目的にしています。
後述する、プロテクションベットやブロックベットも広義のバリューベットと呼べるでしょう。
プロテクションベット
プロテクションベットとは、あなたの強い手がドローに捲られることを防ぐために行われるベットです。
例えば、あなたがドローヘビーなフロップでセットを引いたとしましょう。至福の瞬間ですが、ドローが怖いところです。
ここで安いベットをしてしまうと、相手がドローを持っていた時に簡単にコールされてしまいます。
こんな時、相手がコールしてオッズが合わないような、高いベットを選択することで、ドロー相手に難しい選択を迫ることができます。
オッズの合わないコールを貰えてもあなたは得できますし、相手にフォールドされたとしても、あなたは相手の逆転のチャンスを奪うことができていると言えます。
一方で、高いベットを選択することで、コールしてもらえる手が減ってしまうという欠点があります。
ドローに引かれることを承知で安いベットをして、コールを貰える手を増やすのか、ドローを引かせないために高いベットをするのか、考え方は人それぞれです。
気になった方はぜひ、ベッティング戦略について調べて自分なりの答えを見つけてみてくださいね!
ブロックベット
ブロックベットはOOPから行われる小さなベットです。マージナルなハンドを持っている時に、相手のブラフを抑止して、ショウダウンを目指すために行われます。
例えば、あなたはリバーの場面で、BBでツーペアを持っているとします。
しかし、ストレートやフラッシュなどのが見えるボードで、あなたのツーペアは決して強いとは言えないとしましょう。
あなたはトップペアなどに勝っている可能性もある一方、相手に大きなベットをされたら降りることも考えなくてはいけません。
こんな時、ブロックベットの出番です。小さなベットを打ってみて、相手の出方を伺いましょう。
運よくペアがコールしてくれるかもしれませんし、相手がブラフを諦めてフォールドしてくれるかもしれません。
最悪ミスバリューベットになったとしても、相手の大きなベットにブラフキャッチするよりは、ましな損失になるはずです。
また、ブロックベットを行うときにはベットフォールドのラインを取ります。
あなたの手は決して強くありませんから、相手からレイズが返ってきたなら、素直に降りるべきです。
もし相手がブロックベットを多用するなら、レイズを多く返すことで対応できることも覚えておくといいでしょう。
相手を降ろしたい時(ブラフベット)
ポーカーのベットは、弱い手を持っている時、相手を降ろすためにも使うことができます。これがブラフベットです。
基本的には、勝っている可能性がほぼない弱い手で行います。
勝っている可能性がある手なら、ブラフはせずに、チェックしてショウダウンバリューを取る選択も有力になります。
そのため、ブラフをするハンドはある程度選ぶ必要があります。
ブラフハンドを選ぶコツを2つ伝授しましょう。
1つは、ドローがある時にブラフすることです。
いわゆるセミブラフですね!これならコールされたとしても、あなたにはアウツという保険が付きます。
運良くドローを引けたなら、大きなポットを獲得することもできます。
もうひとつは、強い手を作るのに必要なカードの一部を持っている時にブラフすることです。
例:♣が3枚あるボードでA♣を持っている時、TJKが落ちている時にQを持っている時など。
この時、相手が強い手を持っている可能性は相対的に小さくなるので、相手をブラフで降ろせる可能性が高くなります。
ベットするときには目的を考えてみよう
ベットをするときには、まずベットの目的を考えてみましょう。
まず自分が打ちたいのがバリューベットかブラフベットかを確認します。
次に、ターゲットを見積もります。バリューベットならコールしてもらいたい手を、ブラフベットなら降ろしたい手をいくつか考えてみましょう。
それが相手に含まれているのかも考えましょう。相手が持ちえないターゲットにベットしても意味ないですからね。
そのターゲットによってベット額が変わってくるはずです。
また、バリューを打つ時には、自分の打ちそうなブラフを、ブラフするときにはその逆を想像できると完璧です。
プレーに整合性を持たせることができ、相手をより惑わせることができるでしょう。
ベットの目的を考えていないと、バリューにもブラフにもならないベットを打ってしまいがちです。
こうなると、勝っている手には降りられ、負けている手にはコールされてしまい、全く利益的にならないので注意が必要です。
初心者にもおすすめ!コンティニュエーションベット(CB)について解説!
コンティニュエーションベット(CB)とは、前のストリートでレイズやベットした人(アグレッサー)が、続けてベットすることです。
CBはレンジベットの一種で、ブラフもバリューも含まれています。
前のストリートで主張した強さをそのまま主張するイメージです。
CBはポーカーの基本戦術のひとつに数えられ、初心者でも打ちやすいベットであると言えます。
アグレッサーにはレンジアドバンテージがある
開いたボードにもよりますが、アグレッサーはコーラーよりもハンドレンジ全体でのエクイティが高いことが多いです。
もし強い手を持っていたのなら、スロープレーしていない限り、前のストリートでレイズを返しているはずです。
にも関わらず、コールしているということは、相手はそこまで強い手を持っていないと言えます。
アグレッサーのハンドレンジにはAAやKKが含まれているが、コーラーには含まれにくい、これがCBが有効になりやすい理由です。
アグレッサーに有利なカードが落ちると打ちやすい
CBを打ちやすいフロップは、一般的にハイカードが落ちているボードです。
アグレッサーはAxやKxを多くレイズします。
よって、AやKがボードに落ちたとき、アグレッサーがペアを持っている可能性が高いと言えます。
実際にペアを持っているならバリューベットが打てますし、持っていなくてもAやKのトップペアを主張できます。
相手もあなたがAやKをよく持っていることを知っているので、ブラフはかなり通りやすいです。
逆に、ローボードが落ちたときにアグレッサーが主張できるのはオーバーペアくらいで、ツーペアやセット、ストレートなどは主張しにくいです。
相手もチェックレイズを返しやすいスポットなので、闇雲にCBを打つのは控えるべきです。
例題
ここからは、実際にどのようなハンドでCBを打てるのか、ツールを用いて検証してみましょう。
例題
HJのあなたは2.5BBのレイズをし、BBだけがコールします。
フロップ(Pot:5.5BB)
A♥K♠6♠
BBのチェックにあなたはどのような手でCBを打つべきでしょうか?
ただし、あなたはポットの33%のと66%のCBを打ち分けるとします。
ピンクの部分で33%CBを、青い部分で66%CBを打っています。
33%ベットは、Kのセカンドペアでも打ちやすく、AAのスロープレーにも使われています。
66%ベットを打つのは、トップヒット以上の強い手が多いです。
ブラフは、ハイカードを抑えていたほうが高いベットを使いやすい印象です。
76sや65sなど、全くショウダウンバリューのない手は高くベットしていますが、そもそもプリフロップでレイズする頻度が高くありません。
基本的に高いベットを使えるのは強い手で、安いベットは弱い手でも広くバリューベットできることを覚えておいてください。
二極化されたベット!?オーバーベットについて解説
ここからは、最近よく見るオーバーベットについて解説していきます。
オーバーベットとは、ポット以上の金額の特大ベットを行うプレーのことで、非常に強い手を主張できる時に行われます。
強い手を主張するベットであることから、ペアなどの中途半端な手を持った相手は非常に難しい判断を迫られることになります。
使いこなすことができれば、(いい意味)で相手に嫌がられるプレイヤーになれますよ!
オーバーベットが打てる2つの条件
オーバーベットは強いプレーである一方で、リスクも大きく、使いどころを誤ると痛い目を見ることになります。
ここでは、オーバーベットの余地が生まれる2つの条件を解説していきます。
自分のハンドレンジにナッツを多く含むボードの時
ボードを見て、自分のハンドレンジにナッツ級のハンドが多くあるなら、オーバーベットを使うチャンスです。
相手に比べてハンドレンジにナッツ級のハンドが多いことをナッツアドバンテージと呼びます。
オーバーベットは基本的にオールorナッシングで打つべきものです。
よって、主張できる強い手がないのならば、打つのを控えるべきでしょう。
自分より強い手にコールされたり、プレーの違和感からブラフキャッチされやすくなってしまいます。
相手の手の強さが中程度の時
相手の手にマージナルハンドが多いとき、オーバーベットが役立つでしょう。
オーバーベットは、ペアなどの相手のマージナルハンドに最大限のプレッシャーを掛けられるベットです。
よって、相手に強い手がほとんどなく、ブラフキャッチャーばかりだと言える時にオーバーベットを使うのがオススメです。
相手の状態を見極めてオーバーベットを使えれば相手は悶絶間違いなしです。
例題
実際に、どのようにオーバーベットを運用するべきか、例題を交えて解説します。
例題
HJのあなたは2.5BBのレイズをし、BBだけがコールします。
フロップ(Pot:5.5BB)
A♥K♠6♠
BBのチェックにあなたはポットの33%の1.8BBのベットを打ち、BBはコールします。
ターン(Pot:9.1BB)
2♥
BBはチェックしました。あなたはポットの150%のオーバーベットを考えています。
どのような手でオーバーベットを打ちますか?
青い部分がオーバーベットするレンジです。
トップペアグッドキッカーや2ペア、セットなどでバリューのオーバーベットを打っています。
2色のフラッシュドローがあり、オーバーベットを打つことでドローのエクイティを放棄させる狙いもありそうです。
代表的なブラフハンドとして、QQや、QJ、QT、Q9s、♥と♠のフラッシュドローなどが挙げられます。
オフスートのガットショットドローは、♥や♠を持っているとオーバーベットを打ちやすいです。
リバーでフラッシュボードになったとき、ブラフしやすいですからね。
このベットを受けたBBの最適アクションはこのようになります。
赤がフォールド、緑がコールです。レイズできるのは66のセットくらいで、ブラフレイズは出来ていません。
これにより、相手はペアなしのフラッシュドロ―のほとんどを諦めざるを得なくなり、弱いトップヒットすらフォールドさせられてしまいます。
オーバーベット戦略がいかに強力かが分かりますね!
ベットを上手く使いこなしてチップを奪い取ろう
ベッティングのスキルを磨くことが、ポーカーの上達の第一歩です。
どんなバリューを打って、どんなブラフを打つのか、どんなバランスでこれらを取り入れるのか……。
これらを一朝一夕で身に着けるのは難しいですが、プレーや研究を重ねていくことで、少しづつベットの感覚が分かってくるでしょう。
こうなれば一人前のポーカープレイヤーも近いですよ!