

そんな時、もしかしたら、あなたはティルトしてしまっているかもしれません。

ティルトしない心構えのほか、ティルトした相手をエクスプロイトする方法についても考えていきますよ!
- ポーカーのティルトとは何か
- ティルトしないための心構え
- ティルトした相手に対する戦術
是非最後まで読んでいただき、ポーカーのティルトについて知っていただけたらと思います。
ポーカーのティルトとは?用語の意味を解説!
ポーカーのティルト(tilt)とは、何らかの心理的要因によって正常な判断ができなくなっている状態のことです。
主な要因として、大きなポットを落とす、マネープレッシャーを感じる、集中力の欠如などが挙げられます。
元々、tiltは「傾く」という意味で、何かの原因にプレーが崩されているイメージです。
一般的にティルトしてしまうと、非常に負けやすくなってしまうため、避けるべきものだとされています。
ちなみにポーカーだけでなく、FPSなどの対戦ゲームでも似たような使われ方をしています。
嫌なことがあると、トロール(迷惑行為)してしまったり、無理な勝負をしすぎてしまう人が対人ゲームでは時々見られます。
ポーカーのティルトの分類
ポーカーにおけるティルトを分類すると大きく2つのタイプに分けられます。
- アグレッシブ型
- パッシブ型

①アグレッシブ型
アグレッシブ型のティルトは、ハンドレンジが極端に広くなり、攻撃的になってしまうタイプです。

日本語で言う「焼けた」状態というのがまさにそれですね!
大きなポットを取られたプレイヤーなど嫌な目に遭わされた人に、執拗に絡み行くタイプもいます。
アグレッシブ型のティルトになってしまったプレイヤーは、負けた額を取り戻そうと、弱い手で参加したり、無理なブラフをしてしまいがちです。
そのため大きく負けやすく、危険な状態だと言えます。
②パッシブ型
パッシブ型のティルトは、アグレッシブ型とは逆に、ハンドレンジが狭くなり、プレーが消極的になったりしてしまうタイプです。
大きなポットを落としたり、マネープレッシャーを感じたりするなどして、プレーするのに怯えている状態です。
アグレッシブ型とは違い、大負けする可能性は低いですが、これもれっきとしたティルトだと言えるでしょう。
取れたはずのポットが取れなかったり、取れたポットが小さくなったりするので、じりじりと負けてしまうことが多いです。
ポーカーでティルトしないためには?4つの予防策を解説!
この章では、ポーカーでティルトしないために意識してほしい4つの心構えを紹介します。
- ティルとはだれにでも起こり得ると知ろう
- 自分のパフォーマンスを把握しておこう
- バットビートは当たり前だという認識を持とう
- 負けが込んだ時にはプレーをやめて頭を冷やそう
この記事を参考に、バンクロールを大きく損なわないようにしてくださいね!
①ティルトは誰にでも起こり得るものだと知ろう
ティルトは誰にでも起こり得るものです。それがたとえプロ級に上手いプレイヤーだとしても。
あなたが人間である以上、何らかの原因で心が揺らぐことは避けられないのだと知りましょう。
特に危険なのは、「ティルトなんてするはずない」と思いこんでいること。
本当はティルトしているのに、「ティルトしていない」と思い込んでバンクロールを溶かしてしまいかねないからです。
ポーカーとは、常にティルトの危険と隣り合わせのゲームなのです。
②自分のパフォーマンスを把握しておこう
自分のパフォーマンスを客観的に判断することがティルトの防止に役立ちます。
ポーカーのパフォーマンスを測る指標として、自分のパフォーマンスを下図のような4つに分類してみましょう。
名称 | 現在の状態 |
Aゲーム | 自分の実力を最大限に発揮できている状態 |
Bゲーム | ベストではない、まあまあな状態 |
Cゲーム | 調子の悪い状態。ティルトしやすい |
ティルト | ティルトしている最悪の状態 |

ただし、勝っているからといって、自分のパフォーマンスがいいとは限らない点に注意してください。
ミスが少なく打てているなら、負けていてもAゲームですし、Cゲームでもツイていれば勝てることもあります。
これを踏まえたうえで、ポーカーで勝つためには、もちろんAゲームを長くプレーできるに越したことはありません。
逆に、Cゲームを打っていると、いわゆる「脳死プレー」が増えてしまいます。
相手に合わせたプレーができず、なんとなくのプレーをしてしまいがちです。
こうなれば、当然負けやすく、ティルトにも陥りやすいです。
とはいえ、どれだけうまいプレイヤーでも、常にAゲームを打てるわけではありません。
集中力の欠如、マネープレッシャー、大きなポットを落とした……などの理由でCゲームを打ってしまうこともあるでしょう。
そんな時、自分のパフォーマンスを客観的に判断することが出来れば、ティルト防止に役に立ちます。
もしも、自分の調子が悪いと感じるなら、一度テーブルを離れ、リフレッシュするのも1つの手ですよ!
③バットビートはあって当たり前だという認識を持とう
バットビートはあって当たり前のものであるという認識を持っておきましょう。
プリフロップオールインでAAが負けてしまった、フラッシュを引かれてしまった……こんなことは日常茶飯事です。
運が悪ければ、それらが連続することも珍しくありません。
運が悪くて負けるのは、仕方のないことなので、「そういうものだ」と諦めましょう。
きっとあなたもラッキーして勝った経験があるはずです。ということは、逆に不運で負けてしまうことだってあるはずですよね?

このような認識を持つために、ポーカーの確率を知っておくのも良いことです。
例えば、AAはプリフロップ時点でランダムハンドに対して、84.93%の勝率があり、14.52%は負け、0.27%の確率で引き分けます。

となるとAAがランダムハンドに2回連続で負ける確率は2.1%くらいです。
長くポーカーをやっていれば、これくらいの確率に出くわすことも当たり前にあります。
このように、ポーカーの様々な確率を知っておけば、バットビートを受けても落ち着いていられるかもしれませんね!
④負けが込んだらプレーをやめて頭を冷やそう
負けが込んできたら、プレーを一時中断して、頭を冷やしましょう。
このままプレーしたとしても、負けを取り戻せる可能性は高くありません。

確かに、負けていると熱くなって、やめくくなりがちなのも事実。そんな時には、「損切りライン」を決めておくのがオススメです。
○○BB負けたらやめる、今のチップがすべてなくなったらやめるなど、あらかじめヤメ時の基準を作っておくと、損失を抑えやすくなります。
爆勝ちしたときも同様
逆に、ポーカーでいつもより勝ってしまった場合も、プレーを区切って休んでもいいかもしれません。
ティルトは、実は勝っている時でも起こり得ます。
なぜなら、調子に乗っていつもより緩くプレーしすぎたり、逆に勝った額を守ろうとしてタイトになりすぎたりすることが考えられるからです。
こうなれば、パフォーマンスはいつもより下がりそうですよね?

もし、テーブルに置いているチップの山が気になるなら、一度利確するのも手ですよ!
ティルトしたプレイヤーに出くわしたときは?対処法を解説!
この章では、相手がティルトしている場合に、どのように対処するべきなのか解説していきます。
ティルトした相手を上手く搾取すれば、大きな利益になるかもしれません。
相手がティルトしているなら大きく稼ぐチャンス!
もし、相手にティルトの兆候が見られるなら、大きく稼ぐチャンスです。

ティルトしている相手がテーブルを離れるまで、チップをむしり取ってやりましょう。
一方で、相手のプレースタイルに気を付けないと、痛手を負う可能性もあります。
後述する対処法を参考に、上手く対応していきましょう。
ティルトの分類を見極めよう
まず、ティルトしている相手の特徴を見極めましょう。

アグレッシブ型の場合
アグレッシブ型の特徴は、極端に広いハンドレンジと、極端に高いベット頻度です。
その程度は人それぞれで、一概には言えないのですが、プリフロップとベット頻度においてミスをしやすいことは共通しています。
アグレッシブ型のプリフロップは広いため、こちらも少しハンドレンジを広げてプレーすることが出来ます。
弱いAXoなどの引いても微妙なハンドよりは、スーテッドコネクタやスモールポケットなど、引いた時に稼げるハンドのほうが望ましいですね!
なぜなら、相手はアグレッシブで、引いていようといまいとベットしてくることが予想されるからです。
そのため引いた時に、苦しい思いをしないようなハンドを選びたいところです。
また、相手のベット頻度が高いため、必然的に相手のハンドレンジにブラフハンドが増加します。
そのため、こちらもブラフキャッチの頻度を高めなければなりません。
さらに言えば、相手は放っておけばベットしてくるでしょうから、ミス待ちのスロープレーも刺さりそう。
こちらから打ちたい場合は、ブラフ頻度を小さくし、バリューベットの額を大きくすると、稼ぎやすいと考えられます。
相手は熱くなっており、コール頻度も上がっていそうですからね。
まとめるとこんな感じです。
- 投機的ハンドをハンドレンジに加えよう
- ブラフキャッチ頻度を増やしてみよう
- 引いた時は、スロープレーして打たせてみよう
- ブラフは控えて、バリューベットを厚めに打とう
パッシブ型の場合
パッシブ型の特徴は、狭すぎるハンドレンジと、小さすぎるベット、コール頻度です。
3ベットはよっぽど手が強くないとしてこないでしょう。AKやJJをコール止めする人もいそうです。
ということは、コールレンジも相当強いと仮定して良さそうです。
また、ブラフの頻度が低いので、ベットをする手はかなり強いと見積もっておきましょう。
レイズはナッツ相当の手でしかしてこないでしょう。レイズに直面したなら、むやみなコールは禁物です。
一方で、通常より降りてくれるハンドが多いため、ブラフが有効になります。
ブラフレイズを打てない相手だと考えられ、CBは特に効きやすい相手です。
実際、チェックレイズしない相手に対しては、CB頻度を高めることでエクスプロイトできることが知られています。
まとめるとこんな感じになります。
- ライト3ベットやブラフベットを駆使してガンガン攻めよう
- レイズやベットに直面したなら、ブラフキャッチは控えよう
- 相手のハンドレンジを固めに見積もろう
アグレッシブ型よりは大きく稼げる相手ではありませんが、ブラフを駆使することで、エッジが出せると思われます。
ポーカーではティルトとうまく付き合うようにしよう!
ポーカーはメンタルのゲームだと言っても過言ではありません。
負けたとしてもなるべく平常心で、期待値を意識してプレーするようにしましょう。

・ゲーマー大学院生
・ポーカー/麻雀/FPS
・JOPT出場経験あり