

ポーカーのブラインドとは、強制的にゲームに参加させられる人のことです。
ホールデムで言えば、スモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)がこれに該当します。
多くのプレイヤーが、ブラインドに立たされることによってスタックを削られていきますが、抵抗する手立てもあります。
この記事では、ポーカーのブラインドについて解説します。
- ブラインドベットが何か
- SBやBBでのプリフロップ戦略
- ブラインド関連の用語
是非最後まで読んでいただき、ブラインドについて知っていただけたらと思います。
ポーカーのブラインドとは?基本的な情報を解説!
ポーカーのブラインドとは、ハンド毎に発生する強制ベットのことです。
ポーカーはポットを奪い合うゲームです。
よって、ゲームの最初で何らかの形で奪い合うべきポットを作る必要があります。
ブラインドベットは、その最初のポットを作るための手段のひとつだと言えます。
もちろん、アンティという形で毎ハンド、全員から参加費を回収する手段もありますが、全員からチップを回収するとなるとゲームがスムーズに進行できません。
おつりが必要なプレイヤーがいたり、アンティ用の少額チップがテーブルに積みあがったりする様子を想像してみてください。
そのため、数人(1人~3人程度)のプレイヤーがブラインドベットをするスタイルが定着しています。
ちなみに、近年ではアンティもBB1人が支払うスタイルがライブゲームでは主流です。
ブラインドは誰が払うの?
ホールデムやオマハなど、ボタンのあるゲームでは、BTNの左隣のプレイヤーの2人がそれぞれSB、BBとしてブラインドを払います。
稀に、1人だけがブラインドを払うケースも存在します。(PokerStarsの6+など)
マストストラドルのテーブルならブラインドは3人と言えますね!
またボタンのないスタッドゲームでは、1ハンドごとにブラインドを決めます。
具体的には、表に配られたカードのランクが最も低い、一番弱そうに見えるプレイヤーがブラインドに立たされます。
最初のブラインドの決め方(BTN決め)
ホールデムなどの、ディーラーボタンが存在するゲームで、最初のブラインドを決めるには、まずBTNを決める必要があります。
ここでは、BTNの決め方を紹介します。
まず、左端(1番シート)のプレイヤーから時計回りで、カードを表向きにして1枚ずつ配ります。
カードを配られたプレイヤーのうち、一番強いカードが配られた人がBTNになります。
よって、その左隣2人がブラインドです。

♠>♥>♦>♣
の順番です。
とはいえ、カジノでプレーする場合はディーラーさんがやってくれるので、覚えておく必要はないです。
ブラインドが上がるとどうなるの?
ブラインドが上がることで、動くポットが大きくなります。

ミニマムベットや、プリフロップのミニマムレイズの額がBB基準で決まるためです。
ノーリミットやポットリミットのゲームでは、レートとしてブラインドの金額が表記されます。
例えば$1/$2と書かれていた場合、SBが$1、BBが$2をブラインドとして支払います。
トーナメントのブラインドは時間で上がる
トーナメントでは、ゲームの展開を早めるためにブラインドがどんどん上がっていきます。
トーナメントは生き残ることで賞金を獲得できるゲームです。
そのため、ブラインドが上がらない場合、勝負せずに生き残ることを重視するプレイヤーが出てくることが考えられます。こうなるとゲームが進みませんよね?
そこで、ブラインドの上昇というルールを付け加えます。
ブラインドが上がっても、プレイヤー全体のチップの総量は変わりませんから、誰かからチップを奪わないとジリ貧になってしまいます。

これにより、戦わないことにリスクが生まれ、ゲームに参加する必然性が生まれるのです。
ブラインドってどう戦えばいいの?プリフロップ戦略を解説!
ここからは、ホームデムにおけるブラインドであるSBとBBのプリフロップの戦い方を見ていきます。
実際にプリフロップチャートを見ながら、どのような戦い方をするべきか考えてみましょう。
ブラインドはとても不利なポジション!
まず大前提として、ブラインドはとても不利なポジションであると言えます。
長い目で見て、一番負けるポジションはBBであると言われており、次に負けるのはSBになると言われるくらいです。
理由は主に2つあります。
- ポジションが不利だから
- ブラインドを払わないといけないから
順番に見ていきましょう。
ポジションが不利だから
SBとBBはどちらもポジションが不利なプレイヤーです。
プリフロップでは、最後にアクションすることこそできますが、それ以降は一番最初にアクションすることになります。
ポジションが悪いと、相手の出方を伺うことができず、たとえハンドが強くなったとしてもポットを大きくしづらいです。
ブラインドを払わないといけないから
当然の話ですが、ブラインドという余計なお金を払っているのが不利な理由のひとつです。
ブラインドは、いわばゲームを成立させる生贄のようなもので、仕方のない話ですが……。
ブラインドポジションでは、いかに自分のブラインドを無駄にせずに戦えるかで差が付きます。
SBのプリフロップにおけるコツ
下図はGTOWizardで調べた、BTNの2.5BBレイズに対する、SBのアクションです。(赤がレイズ)
ここから、2つのことが言えます。
相手のレイズには3ベットかフォールド!
レーキやアンティの有無でも変わりますが、SBで相手のレイズにコールするプレーはあまりオススメできません。
なぜなら、コールすることで最悪なポジションが確定してしまい、戦いづらくなるからです。
さらに言えば、あなたの後ろにはBBがいます。
BBにコールされればさらに戦いづらくなりますし、最悪の場合BBにレイズされて降ろされてしまうこともしばしばです。
よって、コールしてフロップで手が絡むことを祈るよりも、広めに3ベットを返したほうが利益的だと言えるでしょう。
相手が降りてくれるかもしれませんし、ポストフロップでも強さを主張しやすいですからね。
3ベットの額は大きめに!
SBで行う3ベットは大きめに行うのがオススメです。
具体的には、レイズ額の4倍~5倍程度の3ベットを返すといいでしょう。
SBはコールされた瞬間、ポジションがない状態で戦うことになります。
相手も自分にポジションがあることを知っているので、半端なレイズを返しても広くコールされてしまいます。
そのため、大きめにレイズを返して、即座にポットを獲得することを狙ったほうが得になりやすいです。
BBのプリフロップにおけるコツ
BTNの2.5BBレイズに直面した場合のBBのアクションは次のようになります。(赤がレイズ、緑がコール)
ここから2つのことが言えます。
投機的なハンドを広くコールしよう
BBでレイズに直面し、リレイズが入っていない場合、広くコールすることが正当化されます。
理由は大きく分けて2つです。1つはブラインドを払っているからです。
他のプレイヤーが3BBをコールするには3BB払う必要がありますが、BBの場合は2BB払えば済みます。
その差は大きく、BBのオッズは他のプレイヤーに比べてかなり良くなります。
もう1つは、必ずフロップが見られるからです。
他のポジションの場合、相手からレイズされ、フロップを見られない恐れがありますが、BBではその心配はありません。
よって、他のプレイヤーに比べ投機的なハンドのエクイティを実現させやすいと言えます。
また、複数のプレイヤーがいる場合にはコールレンジは狭くなるので、チャートを見ながら調節しましょう。
3ベットは大きく、ブラフも混ぜて!
BBでの3ベット戦略は、SB同様にレイズサイズを大きくするほか、ブラフハンドを多く混ぜて行うのが特徴です。
プリフロップからポラライズしたレイズをしていると言ってもいいでしょう。
具体的には、K3s~K5s、Q5~Q9s、Ax、スーテッドコネクターの一部などです。
コールできるハンドのうち、フロップ以降でポットを獲得するのが難しいハンドを、思い切ってブラフレイズに混ぜていると言えます。
こうすることで、弱い手でリスチールを狙いながら、3ベットレンジに入っているプレミアムハンドの価値をフロップ以降、向上させることができるのです。
ブラインド関連の用語を知っておこう!
ここでは、ブラインドに関連した用語を4つ紹介します。
- ブラインド・スチール
- ブラインド・ディフェンス
- スクイーズ
- ブラインドチョップ
順番に見ていきましょう。
ブラインド・スチール
ブラインドスチールとは、プリフロップでレイズすることによって、ブラインドを降ろしてポットを獲得することを狙うプレーです。
主に、レイトポジションのプレイヤーが狙うことが多いです。
ブラインドスチールを狙えることが、プリフロップでレイズするメリットのひとつだと言えます。
スチールでポットを獲得しても、一見小さな稼ぎに思われますが、ボタンが1周し、次に同じポジションになるまでの出費を稼げると考えると、大きな差です。

特に、トーナメントではスチールの価値が高まります。
なぜなら、多くの場合アンティが存在し、ショートスタックになることがほとんどだからです。
スチールによって増えるスタックの割合も大きくなりますし、何よりスチールが一度決まれば、ボタンが1周するまでの間、(何もしなければ)生き残ることができます。
この差が、賞金を得られるかどうかの差になることもあるはずです。
ブラインド・ディフェンス
ブラインドディフェンスは、ブラインド・スチールに対するカウンタープレーです。
レイトポジションからのレイズに降りすぎた場合、相手にブラインドを奪われるばかりです。
そのため、主にBBのプレイヤーは、スチールを狙う相手に対して広くコールしたり、リレイズを返したりしてブラインドを守ります。
先ほど見ていただいた通り、BBはかなり広いレンジでディフェンスすることが正当化されます。
初級者の方の場合、BBで降り過ぎることがリーク(弱点)になりやすいので、一度プリフロップのハンドレンジを確認してみると良いでしょう。
スクイーズ
スクイーズとは、レイズに1つ以上のコールが入った場合に、大きく3ベットするプレーのことで、BTNやブラインドのプレイヤーから行われることが多いです。

スクイーズが入ることで、コーラーはもちろん、2人のプレイヤーに挟まれたオリジナルレイザ―もかなり苦しい状況に立たされます。
スクイーズをして、もしもオリジナルレイザーを降ろすことができたなら、かなりの確率でコーラーも降ろすことができるでしょう。
その時の収入も、コーラーがいる分大きくなるのが魅力です。
もし、コールされたとしても、プレイヤーの人数を減らす効果が期待できますし、有利なフロップが落ちれば、強気に攻めることができるので、ポットを獲得しやすいです。
スクイーズする手は、AAやKK、AKなどのプレミアムハンドはもちろん、ブラフハンドとして、J8s~JTs、A5s、87sや76sなどのスーテッドコネクターなどが考えられます。
あなたが、他のプレイヤーからタイトに見られていたり、オリジナルレイザーがルースだったりすると、特に成功しやすいですよ!
ブラインドチョップ
ブラインドチョップとは、プレイヤー間で行われるブラインドヘッズをしない取り決めのことです。
オンラインでは見られず、主にフロップ以降にレーキが発生する、ライブキャッシュのテーブルで見られます。
ブラインドチョップの取り決めをしたプレイヤー同士でブラインドヘッズになった場合は、お互いのブラインドを戻し、次のハンドが配られます。
ブラインドチョップをする最大のメリットは、レーキを払わずに済むというものです。
ブラインドヘッズでは、参加するハンドがとても広くなり、その分レーキを払う機会が増えます。
ポーカーの最大の敵は、レーキと言われるくらいですから、たくさん勝負するのは不毛です。
ブラインドチョップとすることで、レーキでスタックを削られ、お互いに疲弊することを防げます。
もし、隣のプレイヤーから、ブラインドチョップを持ちかけられたなら、応じてあげたほうが得になりやすいです。
ただし、一度ブラインドチョップに応じたなら、テーブルを離れるまで、その取り決めを続けることになります。
いいハンドが入ったからと言って、ブラインドチョップに応じないというのは通じません!
ブラインドを奪われないように立ち回ろう!
- ブラインドは強制ベットの一種
- ホールデムではSBとBBがある
- ブラインドでは3ベットを大きくするのがオススメ
- BBではブラインドをディフェンスしよう
確かに、ブラインドのポジションは不利ですが、だからと言って、なすがままにブラインドを渡していては、相手に搾取されてしまいます。
できるだけ、ブラインドスチールしに来る相手にリスクを負わせるようにプレーをすることが求められるのです。

・ゲーマー大学院生
・ポーカー/麻雀/FPS
・JOPT出場経験あり