ポーカーレジェンド達の伝説を聞いていると、ヘッズアップの話がたくさん出てきますよね。
そんなヘッズアップを制するためには、ちょっとしたコツがあります。
この記事では、ポーカーのヘッズアップについて解説していきます。
- ポーカーのヘッズアップとは
- ヘッズアップのプリフロップ戦術
- ヘッズアップのフロップ戦術
ヘッズアップの普段のゲームとは少し違う部分を、是非知っていただければと思います。
ポーカーのヘッズアップとは?用語の意味とルールを解説!
ポーカーのヘッズアップとは、1対1の勝負のことです。
ポーカーでは主に2つの意味で使われます。
1つは多人数のテーブルで、参加者が2人だけになった状況です。
ゲームを進めていくと、ほとんどのプレイヤーはフォールドし、1対1になることも珍しくありません。
もう1つは、2人でのポーカー勝負という意味です。
このヘッズアップは2人がそれぞれSBとBBをポストしてプレーされます。
前者の場合、ゲーム開始時点では複数人のプレイヤーがいますが、後者の場合はプリフロップから2人だけです。
そのため、ハンドレンジが広くなりやすいという特徴があります。
以降はヘッズアップと言った場合、後者のヘッズアップのことを指すものとします。
ヘッズアップの特徴とは?ブラインドヘッズとの違いは何?
ヘッズアップは、それ以上の人数でプレーする場合と比べて、2つ異なる点があります。
順番に見ていきましょう。
カードの配り方が違う
最初の違いは、カードの配り方です。
普通、ホールカードはSB、BBの順に配られますが、ヘッズアップの場合は、その逆です。
なぜなら、SBはBTNと兼任することになるからです。
ただし、ディーラーボタンを持つプレイヤーに最後に配ることは共通しています。
アクションする順番が違う
そして、最も大きな違いはアクションする順番の違いです。
SB=BTNですから、ポストフロップではBBがOOPとしてプレーします。
つまりSBは、ブラインドヘッズの時と違い、コールされてもポジションがあるので、有利に戦うことが出来るわけです。
その違いはかなり大きく、スターティングレンジがブラインドヘッズとはかなり変わってきます。
そのため、ブラインドヘッズのつもりでいると、SBのハンドレンジにリークが生まれてしまいがちです。
ポーカーのヘッズアップを制すると...?
ここでは、ポーカーのヘッズアップを勉強するメリットを紹介します。
ヘッズアップのテクニックは、普段のキャッシュゲームではあまり使わない技術かもしれません。
確かに、ポーカーで稼ぐことを念頭に置くなら、6MAXや9MAXを勉強したほうが効率的ではあります。
しかし、ヘッズアップを勉強しておくことで、紹介するような恩恵があります。
ヘッズアップはトーナメントの最終局面で必須!
当然のことですが、トーナメントで優勝するには、ヘッズアップで勝利することが必須です。
ヘッズアップはかなり特殊なゲームなので、いざベスト2になったとしても、対策していないと結果を出すのは難しいかもしれません。
もちろん、ヘッズアップを使うこと自体極めて稀なことなので、普通のトーナメントゲームを学習する方が優先ですが。
しかし、トーナメントが好きなら、走ったときに必ず役に立つので、覚えていて損はないですよ!
ヘッズアップは稼げる可能性大!
もしヘッズアップで打てるキャッシュゲームがあるなら、普通のテーブルに比べて美味しい可能性があります。
基本的に、ヘッズアップは使う機会のなさから、多くの人が学習を怠っている部分です。
6MAXの感覚でやっていると、絶対に降りすぎてしまいますからね。
そのため、ヘッズアップを勉強することでライバルを出し抜ける可能性はかなり高いといえます。
ただし、ヘッズアップを打つ際はレーキに充分に注意しましょう。
ヘッズアップはレーキの負担が特に大きいゲームです。
なぜなら、ハンドレンジが極めて広く、レーキを払う機会が増えてしまうからです。
少なくとも、人が少なくてヘッズアップになった、という状況でプレーを続けてもあまり得することはないでしょう。
お互いにスタックを削られて終わってしまうことがほとんどです。
ヘッズアップで稼ごうと思うなら、タイムレーキのランドカジノへ行くか、オンラインのヘッズアップ卓でプレーするのがオススメです。
ヘッズアップにおけるプリフロップ戦略を解説!ハンドレンジを知ろう
まずはプリフロップです。
具体的に、どのようなハンドレンジでプレーされるのかを知っておきましょう。
ただし、今回紹介するハンドレンジは有効スタック100BB、レーキ0.3%におけるものであるとします。
ポーカーのハンドレンジの詳細は▼
シングルレイズド・ポット(SRP)の場合
SBのハンドレンジ
上の画像は、SBにおけるハンドレンジを表してます。2.5BBオープンを採用しています。
特筆すべきはそのハンドレンジの広さ!約80%の参加率を誇ります。
ポケットペアやAXoはもちろん、スーテッドハンドやKXoまですべて参加しています。
SBのハンドレンジが広がる理由は、先述したようにポストフロップにIPで戦えるためだと考えられます。
ブラインドヘッズの場合、SBはコールされるとOOPですからね。
参加しないハンドのほうが少ないので、降りるハンドを覚えたほうがいいかもしれませんね。
BBのハンドレンジ
SBのレイズに直面した、BBのアクションがこんな感じです。
参加率は63.6%とかなり広いです。
レイズできるハンドとして、A9o+、88+、T9s~K9sなどのそこそこ強い手を選んでいることが分かります。
ブラフハンドとして、AXsやK6sを使うのも、普段のポーカーのハンドレンジによく似ていますよね。
特徴的なのは、スーテッドコネクターでの3betでしょう。弱いところだと、54sを3betに回していることが分かります。
コールできる手も、SBではないにしろ広く、スーテッドハンドはほとんどコールまたはレイズしていることが分かります。
ハンドレンジ表をよく確認して、降りすぎることのないように注意しましょう。
3ベットが入った場合
SBのアクション
3betに直面したSBのアクションはこんな感じです。
4betレンジに対して、コールレンジが広いのは、ポジションがあるためにポストフロップで抵抗する余地があるからでしょうか。
かなりコールできるところが広く、6MAXのBBのディフェンスレンジによく似ています。
そして、更に特徴的なのは、4betレンジです。24BBレイズを採用しています。
バリューレイズとして、TT+やAQs+、AKoを採用し、ブラフハンドにQ2sやJ4s、A9oのようなハンドを使って、レンジをポラライズさせています。
コールしても戦いにくく、かつ相手のハイカードをブロックしているようなハンドをブラフ4betに回しているようです。
コールされると、SPRは1に近いですから、オールインに備えてプリフロップの時点でブラフレンジを構築しています。
4ベットに直面したBBのアクション
4betに直面したBBのアクションも見てみましょう。
流石に、コールレンジは狭いですが、それでも54s+のようなスーテッドコネクターを残しています。
相手がターンあたりでオールインしてくるのを、ドローでオッズコールしたり、ペアでブラフキャッチしたりするのでしょうか。
ここまでくると、5betはオールインです。
TT+,AK、AQなどをバリューに、A3s~A5sをブラフにしていると思われます。
ポケットペアは相手レンジの多くを占めるAKやAQには5分5分ですから、もう降りられないという表現が正しいかもしれません。
ちなみに、オールインを受けたSBのコールレンジはこのようになります。
ポーカーのヘッズアップでは実際にどう戦うの?フロップの戦術案を解説!
ここからは、ヘッズアップのフロップ戦略を見てきましょう。
GTOWizardのハンドレンジをもとに、GTO+を用いて解析を行ってみました。
ここでは、1つのフロップについて、SRPと3ベットポットでの戦術を解説することにします。
シングルレイズドポットの場合
まずは、シングルレイズドポット(SRP)の場合です。次のようなシチュエーションを想定します。
【問題】
SBが2.5BBにレイズし、BBがコールしました。
フロップ(pot:5BB)
A♣T♠5♠
BBがチェックしたとき、SBはどのようにCBを打つでしょうか?
簡単のため、BBはドンクベットを一切打たないものとします。
SRPにおけるSBのCB戦略
とても広い範囲で33%の安いCBを打っていることが分かります。
逆に打たないハンドは、何もなくて諦めた部分と、KハイやQハイなどのショウダウンバリューがあるハンドなどで構成されています。
CB戦術については、通常の戦術を知っていれば、ヘッズアップにも生かせると言えるのではないでしょうか。
CBを受けた際のBBの戦略
下の図は、SBから33%のCBを受けたBBの戦略です。
ペアやドローがあれば、ほとんどコールしていますね。
特徴的なのは、KハイやQハイでのコールでしょう。
バックドアフラッシュドローのあるQハイをコールしています。
ヘッズアップでは、お互いにレンジが広いので、これらのハンドが勝っている可能性があります。
チェックレイズする場合、32sや43sのようなストレートドローをブラフに、セットや2ペアをバリューにレイズします。
フラッシュドローがあると、更にレイズしやすいです。
3ベットポットの場合
次は、3ベットポットです。次のようなシチュエーションを想定します。
【問題】
SBが2.5BBにレイズし、BBが10BBの3ベットを返します。SBはコールしました。
フロップ(pot:20BB)
K♥7♠6♠
このようなフロップが落ちた時、お互いのアクションはどのようになるでしょうか?
3ベットポットにおけるBBのCB戦略
上の問題でのBBの戦略は次のようになりました。
一番多いベットサイズは、33%ポットです。
これは、ポットコントロールのために使用頻度が上がっているのだと考えらえれます。
ブラフとして、ストレートドローやフラッシュドローが入っています。
ドローがあるので、ブラフで入れたスーテッドコネクターでも継続してベットしています。
チェックしているハンドは、Aハイや弱いKヒット、またはそれ以下のハンドです。
バックドアドローのないペアはチェックに回る頻度が高い印象です。
CBを受けた際のSBの戦略
下図はBBから33%のベットを受けた時のSBの戦略です。
注目すべきは、そのコール頻度の大きさです。
ドローやペアのあるスーテッドハンドはすべてコールしています。
逆に、フォールドしているのは、バックドアのないAハイやQハイ、またはそれ以下のハンドですね。
レイズするハンドとしては、7♥6♥やKQの一部、Q9oやA5sなどです。
とはいえ、あまりレイズはしません。なぜなら、レイズしてしまうと次がオールインになりかねないからです。
SBのBMCB戦略
下図はBBがチェックしたときのSBの戦略です。
66や77、強いKヒットやペアをバリューに、ドローをブラフにしているのが分かります。
強い7ヒットや6ヒットも一部ベットしているのが分かり、ベットレンジはかなり広いです。
また、75%ポットの大きなベットはあまり使っていません。
これは、相手にナッツアドバンテージがあることが理由だと考えられます。
特にナッツのKKはSBの持ちえないハンドですからね。
ポーカーのヘッズアップを学んで、勝利をもぎ取ろう!
ここまで、ポーカーのヘッズアップについて解説してきました。
ポイントはやはり、プリフロップのハンドレンジを広げることです。
一方でポストフロップに関しては、6MAXのゲームから学べることも多いように思えます。
ですから、ポーカーを勉強しているうちにきっと上達できるはずです。