そんなとき、「リンプイン」はフロップを安く見られて魅力的に感じられます。
しかし、リンプインは良くないとされることが多いです。なぜなのでしょうか?
この記事では、ポーカーのリンプインについて解説していきます。
- ポーカーのリンプとはなにか
- リンプをするべきでない理由
- リンプに対する対策・対処法
ぜひ最後まで読んでいただき、リンプインについて知っていただけたらと思います。
ポーカーのリンプとは?用語の意味を解説!
ポーカーのリンプとは、プリフロップで誰も参加していないとき、コールで参加するプレーのことです。
BBのブラインドベットに対して、コールすることで1BBでポットに参加することが出来ます。
BBまでリンプで回った時、BBはレイズするかチェックするかを選べ、これを「オプション」と呼びます。
リンプインとはこういうプレー!
あなたは、HJで9♠8♠を持っているとします。
この手はストレートやフラッシュを見ることができ、ぜひともフロップを見たいところです。
あなたまでフォールドで回って、あなたはコールを宣言しました。
ただし、前のプレイヤーがリンプしていて、あなたがそれにコールすることをリンプとは呼びません。
ポーカーのリンプは悪手?リンプがダメな4つの理由
一般的に、リンプインは良くないプレーだと言われています。
期待値がマイナスになることがほとんどですし、たとえプラスになったとしても、レイズで参加するほうがもっと得になります。
この章ではリンプがダメな理由を4つ紹介します。
相手をフォールドさせられないから
リンプをしたとしても、相手をフォールドさせることができません。
リンプが多少の圧力になることは確かです。しかし、コールするだけでは相手は絶対に降ろせません。
プリフロップなら、BBは絶対に降ろせませんよね?
これはポーカーの勝利条件の1つである「相手を全員降ろすこと」を放棄し、勝ちの可能性を減らしていることにほかなりません。
それならば、レイズで参加して相手に最大限の圧力を掛けたほうが合理的です。
ポットを大きくすることができないから
強い手でリンプをしてもポットを大きくすることができません。
プリフロップの段階でポットを大きくすれば、ポストフロップでさらにポットを大きくすることが容易になります。
強い手の時に大きく稼ぎ、それ以外の時は損失を抑えるのがポーカーの基本です。
そのため、強い手を持っている時は、降りられる可能性を考慮したとしても、レイズするほうが得になることが多いです。
ポストフロップでのプレーが難しくなるから
リンプをした場合、ポストフロップで難しいプレーを迫られることが多いです。
リンプしたプレイヤーは自分のハンドの強さを主張していないので、ポストフロップでアグレッシブに戦いにくくなります。
さらに言えば、リンプをすると多人数ポットになってしまうことが多いです。いつもより安くフロップがみられますからね。
一般的に多人数ポットは非常に戦いづらく、コールしてきた相手のハンドレンジも読みにくくなります。
このように、リンプインはポストフロップでのプレーを難しくし、あなたを困難なシチュエーションに陥れてしまうことが多いです。
ハンドレンジのバランスを欠いてしまうから
これは少し発展的な考えになりますが、リンプすることでハンドレンジのバランスを欠いてしまうという問題があります。
リンプしたい手は「強くはないけど、フロップを見たい手」であることが多いと思われます。
このような手ばかりをリンプすると、レイズした手にブラフハンドが含まれなくなり、レイズレンジが強くなりすぎてしまいます。
こうなれば、あなたが強いハンドを持っている時に上手く稼げなくなってしまいます。
相手からすれば、あなたのリンプには強気に、レイズには慎重に対応すればいいだけですからね。
それならば弱い手も一緒くたにレイズしてしまうほうがバランスがとりやすく、楽で強いです。
リンプインが有効になる場面
先ほど、リンプインはほとんどの場合悪手であるとお話ししました。しかし、リンプインが有効になることがたまにあります。
それはブラインドヘッズの時と疑似ポジションを使う際です。順番に見ていきましょう。
ブラインドヘッズの時
BTNまでフォールドで回り、あなたがSBの場合にはリンプが正当化されます。
また、もともとヘッズアップのシチュエーションならプリフロップでリンプすることもあり得ます。
ブラインドヘッズになると、お互いのハンドレンジは非常に広くなります。こうなると、レイズしたところでBBもなかなか降りてくれません。
さらに言えば、BBのプレイヤーにはポジションがあり、ブラインドを払っている分、オッズもいいです。
このように、ブラインドヘッズでは相手を降せる可能性が低く、スチールのうまみが目減りしていることがわかります。
このような理由から、SBにはリンプしてフロップを見に行く選択肢が生まれます。
GTOWizardのチャートでSBがどのようにリンプを使っているのか調べてみましょう。
SBでリンプする場合、レイズとリンプを織り交ぜてハンドレンジを構築します。
レイズするような手には、AAやKKなどのプレミアムハンドも含まれます。
強いハンドをリンプしておくことで、BBからレイズを返されたとき、リレイズを返すことができ、ハンドレンジの優位性を確保することができます。
そして強い手をリンプする分、J2sやA2oなどのレイズでは参加できないような弱い手の一部を参加する余地を作ることが出来ます。
極端にアグレッシブなプレイヤーにポジションを取られているとき(疑似ポジション)
極端にアグレッシブなプレイヤーがあなたの左隣にいるとき、リンプを活用できる可能性があります。
例えば、あなたの左隣にあなたのレイズに対して、何でもかんでもリレイズを返すようなプレイヤーがいたとします。(以後マニアックと呼びます)
マニアックのリレイズレンジが強くないと想像できるとは言え、あまり弱い手でリスクを負いたくはありません。
こんな時、マニアックにレイズしてもらうことを期待して、リンプしてみるとどうでしょうか?
あなたの想定通り、マニアックがレイズしたとすると、プリフロップのあなたのアクションは先送りされ、最後にアクションすることができます。
また、ポットもレイズにリレイズされるときより小さく保つことができます。
ほかのプレイヤーが3ベットするようなら降りればいいですし、マニアック相手にならAToや66のような手でも十分に戦えるはずです。
ただし、マニアック以外には隙を晒していることもまた事実。
マニアックを狙って対処することと、隙を晒さないことを天秤にかけながら、リンプを使ってみるか考えてみましょう。
初心者の方ならハンドレンジ表を確認してみよう
もし、あなたがポーカーを始めたばかりで、どのような手で参加していいか分からない場合、ハンドレンジ表を活用するのがオススメです。
ハンドレンジ表は、どのようなハンドレンジで参加するのかを考えるために役立ちます。
ハンドレンジ表の一例として、GTOWizardというサイトで確認できるハンドレンジ表を見てみましょう。
下の表はCOにおけるハンドレンジ表です。赤く塗られているハンドでオープンレイズをします。
ハンドレンジ表を見ると、マスのすべてが赤色でないハンドがいくつかあります。
これは、頻度でオープンレイズするという意味で、特定の頻度でレイズしたりフォールドしたりしてプレーします。
ほかにも、SnowieのPreflopAdviserや、Zerosレンジなど、有名なプリフロップ表がいくつかあります。
最初のうちは気に入ったプリフロップ表を真似してみるといいでしょう。
一方、プリフロップ表も完璧ではありません。なぜなら、最適解はスタックやレーキ、オープンサイズ、相手のプレースタイルなどの影響を大きく受けるからです。
慣れてきたら、それらの状況を加味してプリフロップ表を変えてプレーしてもいいでしょう。
相手にリンプされたときはどうする?リンプインへの対策法を解説!
この章では、リンプされた際の対処法を紹介していきます。
リンプインは、基本的に悪手ですが、世界中のテーブルで頻繁に見られるプレーの1つでもあり、対処する必要も出てくるでしょう。
ここでは、以下の3つの方法を紹介します。
- 相手の手を観察する
- 大きめにレイズを返す
- 多少ハンドレンジを固くする
順番に見ていきましょう。
リンプされた手を観察しておこう
リンプした相手からどんな手が出てくるのかよく見ておきましょう。
リンプするプレイヤーは、必ずしも弱い手ばかりをリンプしているとは限りません。
ありがちなのは、AAやKKのリンプインです。
これらの手がプリフロップで終わるのはもったいないという理由でリンプインする人がよく見られます。
また、AKやAQなどのかなり強い手がリンプされることもあります。
このように、リンプする手はプレイヤーによって様々です。そのため、リンプした手がショウダウンされた場合は、手を確認して今後の参考にしましょう。
リンプレンジを見誤ると事故のもとです。
リンプに対しては大きめにレイズ!
オープンリンプされたときにレイズをしたい場合、いつものオープンサイズより大きめにレイズをします。このことをアイソレートと呼びます。
例えば普段3BBオープンをしているなら、4BBや5BBのレイズをするといいでしょう。
大きめのレイズをすることで、2つのメリットがあります。
1つは参加人数を減らせること。先述したように多人数のポットのプレーは難しくなりがちです。
そのため、大きくレイズすることでオーバーリンプ(※)したプレイヤーを降ろしたり、あなたにコールするプレイヤーを減らしたりすることを狙います。
もう1つはリンプしたプレイヤーと大きなポットを争えることです。
リンプを多用するプレイヤーは基本的にあまり強くありません。ですから、積極的に搾取していきたいところです。
大きくレイズしてリンパーとのヘッズアップに持ち込めれば大きく稼ぐチャンスになります。
※オーバーリンプ:リンプに対し、コールすること。
ハンドレンジは少し絞ってプレーすること
リンプに対しては、少し固めにハンドレンジを構築するのがオススメです。
相手がすべてのハンドでリンプインしているのでない限り、相手も多少はハンドを選んでいます。
具体的には、KXsやQXsなどのスーテッドハンドや弱いAX、スーテッドコネクターやセットマイン狙いのスモールペアなどでしょうか。
これらは、すべてのポジションで参加できないにしろ、相手にフロップを見たいと思わせる程度の手ではあります。
そのため、舐め腐ってゴミハンドをレイズするべきではありません。
あなたが想定している相手のリンプレンジに十分勝てそうな手でレイズを返しましょう。
ポーカーのプリフロップはリンプではなくレイズで参加しよう
基本的に、リンプインを合理的な理由で行うことは少ないかもしれません。
しかし、相手からリンプインをされる可能性がある以上、リンプインの特徴そのものを知っておくことは大切です。
リンプインする相手を適切に対処して、チップを奪い取ってやりましょう。