この記事では、数あるポーカーゲームの中からプレーされることの多い10種類のゲームを紹介していきます。
これらは10ゲームと呼ばれており、ポーカーの祭典WSOPでは今でもトーナメントが行われるゲームです。
また、様々なポーカーゲームをを混ぜたミックスゲームについても解説していきます。
- ポーカーの分類方法
- ポーカーの10種類のゲームとルール
- ミックスゲームとは何か
ホールデムやオマハ以外のゲームをオンラインでプレーするのは現状難しいかもしれませんが、やってみるとどれも面白いゲームです。
ぜひ最後まで読んでいただき、様々なルールのポーカーにチャレンジするきっかけになれば幸いです。
ポーカーの種類はテキサスホールデムだけじゃない!
ポーカーと言えばノーリミットテキサスホールデムを指すことが多いですよね。
でも、「ノーリミットテキサスホールデムが上手い = ポーカーが上手い」ではありません。
テキサスホールデムはポーカーの種類の1つに過ぎないからです。
世界で一番100m走が早い人はウサインボルトですが、「世界一足が速い」のは、果たしてボルトなのでしょうか。
同じように、どんなポーカーもやらせても強い人こそが「最もポーカーが上手い人」という称号にふさわしいと言えると思います。
ポーカーの種類!ポーカーのおおまかな分類方法について解説
ここでは、ポーカーの分類方法を解説します。
先ほどポーカーの種類が数十種類もあると言いましたが、そのすべてを1から覚える必要はありません。
変則的なルールが含まれることもありますが、ポーカーは主にこの三種類で分類することができます。
- ポーカースタイル
- ハイかローか
- リミットの有無
この分類を知っておけば、聞いたことのないルールに出くわしたとしても、ある程度はプレーできるはずです。
ポーカーの種類の分類方法①
3つのポーカーのスタイル
ポーカーの主要なスタイルは大きく3つに分類されます。
- フロップポーカー
- ドローポーカー
- スタッドポーカー
順番に見ていきましょう。
フロップポーカー
各プレイヤーに配られるホールカードと、ボードに開かれた5枚のカードでプレーされるポーカーです。
ディーラーボタンが置かれ、それを基準にブラインドやアクションの順番を決定します。
フロップポーカーが現在のポーカ―の主流だと言っても過言ではないでしょう。
現にGGPokerやKKPOKERなど、フロップポーカーしか扱わないオンラインポーカーサイトも増え、逆にそれ以外をプレーできる場所が少なくなって来ているのが現状です。
逆に言えば、それだけ多くのプレイヤーを魅了しているスタイルでもあります。
ドローポーカー
5枚のカードを各プレイヤーに配り、規定回数のチェンジとベットとを繰り返すポーカーです。カジノでプレーされる場合、フロップポーカー同様にディーラーボタンが用いられます。
ホールデムを知らない人が「ポーカー」と聞くと、ドローポーカーを思い浮かべるかもしれません。
ホールデムを覚えたプレイヤーはドローポーカーを馬鹿にしがちですが、これも立派なポーカーです。
WSOPにはドローポーカーのトーナメントもありますよ!
スタッドポーカー
各プレイヤーに伏せたカードと表にしたカードの両方が配られ、配られたカードから5枚を選んで役を競うポーカーです。ディーラーボタンがないのも特徴のひとつ。
最も聞き慣れないのがこのスタッドポーカーかもしれません。
ミソなのが、表にして配られるカードがあるという点。このカードはすべてのプレイヤーに公開されています。
開かれたカードから相手の手を推測したり、逆に相手に与えている情報を根拠にブラフをしたりするのがスタッドポーカーの醍醐味です。
ポーカーの種類の分類方法②
ハイかローか
ハイは強い役を、ローは弱い役を作るゲームです。二つを取り入れたハイローゲームもあります。特に記述がない場合は、ハイのゲームです。
ハイの役はホールデムと同じです。問題はローについてです。
ローのゲームでは手役の強さがあべこべです。3カードより2ペアのほうが強く、ワンペアよりもハイカードのほうが強いです。
カードのランクもあべこべになっています。KよりQが、3より2のほうが強いです。
ローのゲームの中でも、「Aの扱い」「フラッシュやストレートの扱い」はバラバラで、一概には言えないのですが、そこは各ゲームの解説の際に触れていきます。
ハイローゲームは、ハイとローの両方を取り入れたゲームです。規定以上の一番弱い手をショウダウンした場合、一番強い役を持っていたプレイヤーとポットを折半することができます。
ローハンドの規定はペアのない8以下の5枚のカードとなっていることが多く、8 or betterと呼ばれます。
ハイローゲームでは、フラッシュやストレートと、ローハンドが複合します。ハイの勝負でもローの勝負でも勝てた場合、ポットを総取りすることができ、このことをスクープと呼びます。
ポーカーの種類の分類方法③
リミットかノーリミットか
賭けの上限によっても、ポーカーを分類できます。
ノーリミットは一回にテーブルのすべてのチップを賭けることができるルールで、良く知られるホールデムと同じです。
対して、リミットゲームはベットやレイズの単位が固定されているのが特徴です。
例えば、20ドルのリミットだった場合、プレイヤーの取れる選択は20ドルのベットかチェックだけになります。レイズする場合も上乗せできるのは20ドルずつです。
レイズの回数にも制限があり、4ベットか5ベットまでしかできないとしているルールが多いようです。
また、リミットゲームでは、ベット額が前後半で分かれていることが多いです。
例えば、$3-$6というリミットゲームがあったとすれば、前半は3ドルリミット、後半は6ドルリミットであることを表しています。
後半のリミットに移行するのは、3番目のベットラウンドからです。
バーンカードが2枚出た時がそのタイミングですので、ライブで打つ時は覚えておくといいでしょう。
オマハなどで採用されるポットリミットは、ポットと同じ額までを自由にベット、レイズできるというルールです。これらのルールの中間だと言えるでしょう。
代表的なポーカーの種類!よくプレーされる10種類を解説
ここからは、代表的な10種類のポーカーをポーカーのスタイル毎に紹介していきます。
フロップポーカー
ホールデムとオマハに関連する4つのゲームを紹介します。
ノーリミットテキサスホールデム(NLH)
2枚のホールカードと5枚の共通カードを用いて行われる、言わずと知れた1番人気のポーカーです。
シンプルかつ奥が深いポーカーの王様と言ってもいいでしょう。
リミットがないことから、ベットによるプレッシャーが凄まじく、スリリングな展開になりやすいです。
最も研究が進んでいるルールと言っても過言ではなく、昨今ではゲーム理論を用いた最適戦術も多く用いられます。
リミットテキサスホールデム(FLH)
ホールデムのリミットゲームです。
アメリカのカジノでは、リミットゲームがプレーされることも多いので、ノーリミットを打ちたい方はきちんと確認するようにしましょう。
魅力は分散が比較的小さいことで、大やけどしたくない初心者にはおすすめかもしれません。
またベットがリミットになるだけでも、ホールデムの最適戦術は大きく変わります。
具体的にはベット額が安いために、ブラフがかなり打ち得になると言われています。
ポットリミットオマハ(PLO)
4枚のホールカードと5枚の共通カードでプレーするフロップポーカーです。ポット額までの好きな額をベットやレイズできます。
ホールデムでは、7枚のカードの使い方に制限がありませんでした。
しかし、オマハではホールカードから2枚、共通カードから3枚を使って役を作らなければならないことを覚えておいてください。
オマハの魅力は何と言ってもドローを引くゲームであること。たくさんのドローが付き、強い役が作りやすいギャンブル好きにはたまらないルールです。多い時にはアウツが20枚を超えることも。
ホールデムを覚えた方なら、とっつきやすいルールなので一度挑戦してみると面白いですよ!
オマハハイロー
ポットリミットオマハのハイローゲームです。最も弱いハンドをショウダウンしたとき、ポットを勝者と折半できます。
ローハンドの基準は8 or betterで決まります。Aは最強のハイカードであり、最強のローカードでもあります。
ローを作りに行けるので、強いスターティングハンドがポットリミットオマハと少し違います。
PLOではA♥A♠J♥T♠やA♣A♦K♣K♦など、ハイカードでダブルスーテッドのAAが最強格ですが、オマハハイローではA♥A♣3♥2♣のようなローも見据えたハンドの価値が上がります。
ドローポーカー
ドローポーカーでは、あまりハイのゲームは遊ばれません。ほとんどがローを目指すゲームです。
先述したように、ディーラーボタンを基準にアクションする順番を決めます。
2-7トリプルドロー(2-7TD)
リミットゲームで、3回チェンジができるドローポーカーです。ローハンドを作ります。
Aはこのゲームでは最弱で、ストレートやフラッシュもローハンドとして認められません。
ベットラウンドはチェンジ前、1回目のチェンジ後、2回目のチェンジ後、3回目のチェンジ後の4回で、2回チェンジしたところで、リミットが上がります。
ポットが動きやすいので、ドローポーカーの中でも人気があります。
2-7シングルドロー(2-7SD)
作る役は2-7トリプルドローと同じですが、1回しかチェンジができず、ベットラウンドは2回だけです。
その代わりに、ノーリミットとなっており、NLHのようなビッグベットが可能です。
チェンジが1回だけなことから、チェンジ後に手が弱くなってしまうこともしばしば。
カードの交換枚数や、アグレッションから相手の強さを測るスキルゲームだと言えるでしょう。
バドゥーギ
ポーカーの中で異彩を放つのがこのバドゥーギです。このポーカーはなんと、4枚のカードで行うポーカーなのです!
目的は3回のチェンジで、ペアもスート被りもない4枚のローハンドを集めること。
ペアやスート被りがある場合、スート被りもペアもない3枚で勝負します。
ベットラウンドは、2-7TDと同じです。
スタッドポーカー
スタッドポーカーの説明に入る前に、7カードスタッドの流れについて簡単に説明します。
まず、全員がアンティを支払いゲームが始まります。
3rdストリート
プレイヤーには2枚の伏せたカードと1枚の表にしたカードが配られます。
表になったカードのランクが一番低い人がブリングイン(bring in)と呼ばれるブラインドベットをします。
強気に行くならコンプリートと言って、高くベットすることも出来ます。
その人から時計回りでアクションが進み、ベット額があったら次のストリートに進みます。
4th~6thストリート
残っているプレイヤーに、表向きにカードが配られます。
アクションの順番は、表向きのカードが一番強い人から時計回りに進みます。
3rdストリートは見た目が一番弱そうな人から、それ以降は見た目が一番強そうな人からアクションが始まると覚えておくと間違いないです。
5thストリートからリミットが上がり、6thストリート時点で6枚のカードが配られることになります。
7thストリート~ショウダウン
残っているプレイヤーに裏向きにカードが配られる以外は、6thストリートまでと同じです。
ベット額が合ったら、ショウダウンして最も強い人がポットを総取りします。
ここからは具体的なルールを見ていきましょう。
スタッドハイ
ここまでで紹介したスタッドで、強い役ができた人がポットを取る最もスタンダードなルール。
ホールデムが好きな方なら、このゲームをプレーした瞬間に魅力を理解できると思います。
ホールデムよりも見える情報量がずっと多いので、周りのプレイヤーのカードを覚えておくのも大切な技術です。
ラズ(スタッドロー)
ラズはセブンカードスタッドのローゲームで、弱い役を作ったほうが勝ちになります。
このゲームではAは最強のローカードになり、フラッシュやストレートができていてもローハンドとして認められます。
3rdストリートは、一番弱そうな人つまりハイカードが見えている人がブリングインし、4th以降は一番強そうな人、つまりペアのないローカードが公開されている人からアクションします。
伝説のギャンブラー「アーチ―・カラス」の一番の得意種目がラズだったと言われています。
スタッドハイロー
ハイの人とローの人でポットを分け合うオマハハイロ―のスタッド版です。
アクションの順番はスタッドハイに準拠します。
これからのポーカー!?ミックスゲームって何?
ポーカーにおけるミックスゲームとは、その名の通りいくつかのポーカーの種目を混ぜ込んだゲームのことです。
ミックスゲームの内容は、NLHのテーブルで時々PLOを遊ぶという位のものから、10ゲームをすべてやるテーブルまで様々です。
近年ではNLHのレベルは大きく上がり、GTOの発展により「付けこむ隙すら与えない」ポーカーになりつつあるのは周知の事実。
NLHの問題で最も深刻なのは、オンラインポーカーのボット問題でしょう。ソルバーの真似をしてくるプログラムを組まれて運用されては、どう足掻いても勝ち越すことは不可能です。
このようにNLHに高いハードルや閉塞感を感じている方も多いのではないでしょうか?
一方で、ミックスゲームはまだ比較的レベルが低いと言われており、木原プロのようにミックスゲームに注目して稼いでいるプロも存在します。
NLHの平均レベルが上がり過ぎた末に衰退する未来があったとしたら、生き残るのはこのミックスゲームかもしれません。
ミックスゲームにおけるゲームの決め方を解説
時間やハンドごとにゲームを変える
あらかじめ、集まったメンツで種目を決め、時間や一定ハンド毎にゲームを変えていく方法です。
ミックスゲームのトーナメントの場合は、このブラインドではPLO、次はラズのように、ブラインドが上がる毎に種目を変えていくことが多いです。
ディーラーズチョイス
ディーラーズチョイスはBTNのプレイヤーが好きなゲームを指定する方法です。
決めたプレイヤ―が次にBTNになるまでそのゲームを続け、次のハンドでBTNがまた好きなゲームを指定します。
このルールで勝ちたいなら、あなたが得意なゲームを選ぶだけでなく、周りが苦手そうな種目を押し付けることも重要で、そこに駆け引きが生まれるのも面白いところです。
ミックスゲームではどのポーカーをやるの?
ここでは、ミックスゲームでよく使われる名称と、プレーするポーカーの種目を説明します。
H.O.R.S.E.
H.O.R.S.E.では5つのゲームをプレーします。それぞれ
Hold'em(ホールデム)
Omaha Hi/Lo(オマハハイロ―)
Razz(ラズ)
StudHi(スタッドハイ)
Eight or better(スタッドハイロー)
の頭文字を取ってH.O.R.S.E.と呼ばれます。すべてリミットのゲームです。
8ゲーム
H.O.R.S.E.の5種目に加えて、NLHとPLO、2-7TDの3つを加えたものを8ゲームと呼びます。
トーナメントで行われる場合、NLHとPLOでポットが動きすぎるため、少し調整されることがあります。
WSOPで最も栄誉あるイベントのひとつ、Poker Player Championship(通称PPC)ではこの8ゲームが採用されています。
ここで優勝した人が「世界一ポーカーが上手い人」だと言っても過言ではありません!
10ゲーム
8ゲームに加え、2-7SDとバドゥーギを加えた10種類のゲームです。
今回紹介したすべてのゲームをプレーします。
様々な種類のポーカーにチャレンジしてみよう!
一口にポーカーと言っても様々な種類のポーカーがあります。
そして、少しルールが変わるだけでもゲーム性を大きく変えて楽しめるのがポーカーの魅力だと言えます。
今回ご紹介した10ゲームを覚えていただき、挑戦するきっかけにしていただければ幸いです。
アミューズメントカジノでもミックスゲームのトーナメントが開催されることがあるので、気になった方は出てみてもいいかも。
最後に、負野智光プロの動画を紹介して終わります。
今回紹介した10ゲームのルール説明動画の再生リストになっています。イメージが掴みにくい種目があった場合は参考にしてみてくださいね!
出典元:YouTube