日本は空前のポーカーブームと言ってもいいでしょう。WSOPへの日本人の参加は急増し、2022年には日本人のブレスレットホルダーが誕生しています。
そんな日本で流れが来ているポーカーですが、初心者はどのようにプレーすればいいのか分からず、悩んでいる方も多いでしょう。
この記事では初心者向けのポーカーのプレーのコツと、おすすめの勉強法を解説していきます。
- 初心者が意識するべきプレー
- ポーカーを勉強する方法
ぜひ最後まで読んでいただき、ポーカーのスキルアップに役立てていただけたらと思います。
ポーカーは初心者でも勝てるから面白い!
ポーカーは長期間では実力が出ますが、短期間では運に左右されるゲームです。
ポーカーや麻雀の魅力は初心者でも短期的には、トッププロに勝てる可能性があるところでしょう。
その最たる例として挙げられるのは、2003年にわずか86ドルの元手からWSOPメインイベントの王者に輝き250万ドルの賞金を手にしたChris Moneymakerでしょう。
このニュースは全世界の人々をポーカードリームに駆り立てました!
AAが配られる確率もボードに都合のいいカードが並ぶ確率も、全員に平等です。それはプロだろうとルールを覚えたての初心者だろうと変わりません。
このように、初心者やアマチュアのプレイヤーにもチャンスがあるのがポーカーの魅力(同時に理不尽な点)であると言えるでしょう。
ポーカー初心者が知っておくべき5つのコツ
ここからは、ポーカーの初心者が知っておくべき5つのコツを紹介します。
- プリフロップで参加しすぎない
- ドンクベットしない
- 何をしたいベットか考える
- 強い手は素直にベット!
- コールするかを損得で考える
順番に見ていきましょう。
ポーカーの初心者のコツ①
プリフロップで参加しすぎない
プリフロップをルースにプレーしすぎることは初心者に最もありがちなミスだと言えるでしょう。
確かに、ポーカーは運が大きく絡むゲームですから、最弱の72oがAAに勝ってしまうこともあり得ます。
しかしそれはとてもレアなケース。少なくともポットにチップを投じてまで弱いハンドでフロップを見に行く価値はありません。
それに、強いハンドは初心者にも扱いやすいです。
ハンドを絞るだけでポストフロップでのプレーが簡単になるので、実は初心者こそタイトにプレーするべきだと言えます。
実際、適正なプリフロップの参加率は、6人テーブルで20~25%前後だと言われています。ポーカーはほとんど降りるゲームであることを知っておきましょう。
ここからは、プリフロップの具体的なコツについて解説していきます。
リンプインしない
リンプインとは、プリフロップにおいて、誰もオープンしていない状態で、コールで参加することです。
リンプインは基本的に悪手です。たいていの場合損になりますし、仮に期待値がプラスになったとしても、リンプはレイズの下位互換の選択です。
理由は主に2つあります。
1つはリンプインでは相手を降ろせないから。
リンプインはポーカーの勝ち方のひとつである、「全員をフォールドさせる」という方法を放棄してしまう選択にほかなりません。
さらに、リンプインが入るとマルチウェイになりやすいです。プレミアムハンドでリンプインしてマルチウェイになり、誰かのゴミハンドに負けたとしたら目も当てられません。
もう1つはハンドレンジのバランスが悪くなってしまうからです。
リンプインするのは「レイズするほど強くないけど、降りたくない手」だと思います。そうなると、レイズハンドのブラフが減り、レイズするレンジが強くなりすぎてしまいます。
相手からすればリンプインする手は弱い手で、レイズする手が強い手とわかってしまいますから、容易に対応されてしまうでしょう。
思い切って弱い手も一緒くたにレイズしてしまったほうが、バランスがとりやすく利益的です。それが嫌なら降りてしまいましょう。
レイズ額はBBの2.5~4倍くらい
オープンレイズする金額は2.5~4BBくらいが定番です。
レイズ額が小さいほど多くのハンドで参加でき、大きいほどハンドを絞ることになります。
強いハンドほど扱いやすいので、初心者の方であれば、タイト目のレンジで、3~4BBの大きめのレイズを選択するのがおすすめです。
ハンドレンジ表を覚えよう
ハンドレンジ表を覚えるのは脱初心者への第一歩です。
ハンドレンジ表はいくつもありますが、初心者におすすめなのはタイトで判断がシンプルなもの。
GTOベースのハンドレンジ表は扱えれば強力ですが、「このハンドは25%の頻度でレイズ」のような混合戦略が含まれており、完全に真似するのは至難の業です。
さらにバランス重視のハンドレンジであることから、初心者に扱いづらいハンドが含まれているのも事実。
ひとつおすすめを挙げるとすれば、「ヨコサワポーカーチャンネル」で紹介されていた「ヨコサワレンジ」です。
ポーカー初心者には特におすすめのハンドレンジになってますので、気になった方は是非チェックしてみてくださいね。
ポーカーの初心者のコツ②
ドンクベットしない
あなたがアウトオブポジションの場合、コールした後のストリートではチェックして、相手の出方を伺うのが定石です。
ドンクベットとは、アウトオブポジションのコーラーがアグレッサーより前にベットを行うことです。
基本的にドンクベットは悪手になることが多いです。ドンクベットの日本語訳が「お馬鹿ベット」であることがそれを物語っています。
- ハンドレンジで不利だから
- ブラフキャッチした方が強いから
理由は主に2つあります。ひとつずつ見ていきましょう。
ハンドレンジで不利だから
コールした側は、全体のハンドレンジで不利なことが多いです。
もし、あなたが強い手を持っているなら、前のストリートでレイズしているはずです!
にも関わらずコールをしているということは、あなたが持っているのはレイズできない中途半端な手ばかりだと言えるのではないでしょうか。
もう少し数学的に見てみましょう。下の図はGTO+というツールを用いて、COの2.5BBのレイズに対してBBがコールしたときのBBの最適戦略をランダムな200フロップについて調べたものです。
BBは97%もの頻度でチェックをしています。なぜでしょうか?
答えはエクイティにあります。BBのエクイティは平均43.75%で、グラフのように分布しています。
この中には勝っているハンドも負けているハンドも含まれていますが、全体的にはCOに分がある勝負です。
この6%ちょっとのエクイティの不利こそがドンクベットを悪手たらしめる正体です。
コールした時点で相手より不利であることを覚えておきましょう。強いハンドは相手のベットを受けた後でチェックレイズを返せばいいのです。
ブラフキャッチしたほうが強いから
コールした手はブラフキャッチャーとして使うほうが強いことが多いです。
ベットする側、つまりアグレッサーにはブラフの余地がありますが、コールする側はブラフでコールすることはありません。
よってベットラウンドを繰り返すことで、理論的にはアグレッサーのハンドレンジは、すごく強い手かすごく弱い手に二極化され、コーラーには中程度の手が集まります。
中程度の手を持ったコーラーがベットしたところで、ブラフには降りられてしまいますし、勝てないバリューハンドにはコールやレイズされてしまうでしょう。
それならば、相手のベットを待ってブラフキャッチしていくほうが利益的です。
ポーカーの初心者のコツ③
何をしたいベットか考える
目的をもってベットすることは、ポーカーにおいて特に大切なことです。
ポーカーにおけるベットはブラフベットとバリューベットの二種類です。
ベットをする際は、まず自分がバリューベットを打ちたいのかブラフベットを打ちたいのか考えてみましょう。
次に行うのは、ターゲットの設定です。
バリューベットを打つなら、どの手にコールが欲しいのか、ブラフならどの手を降ろしたいのかを考え、それが可能なのかを見積もります。
ベットサイズは設定したターゲットによって自ずと変化することでしょう。
最悪なのはそれを考えずに、バリューにもブラフにならないベットを打ってしまうこと。
負けている手にコールされ、勝っている手に降りられてしまうのでいいことが1つもありません!
ポーカーの初心者のコツ④
強い手は素直にベット!
強い手が来たなら、スロープレーはせず、素直にベットやレイズをしたほうが得になりやすいです。
バリューターゲットを見積もったとき、明確なターゲットがあるならば、基本的にはベットすることを考えましょう。
例:あなたはLJのレイズにBTNで8♦8♥をコールしました。ブラインドはフォールドしました。
フロップ:K♠8♠T♣
LJはポットの33%をベットしてきました。あなたはレイズするべきでしょうか?コールすべきでしょうか?
明らかにレイズをしたほうが良い場面であると言えます。現状あなたはボトムセットで、3番目に強いハンドです。
バリューターゲットもたくさんあります。レイズしたところで、Kヒットやツーペア、AA、ドローなどはコールしてくれるでしょう。
しかし、ドローヘビーなボードなので、ターン以降落ちるカードによっては途端に動きづらくなってしまいます。
よって下手にスロープレーはせず、今のうちにレイズをしてチップを引き出すのが賢明です。
ちなみに、GTO+で調べてみたところ、100%レイズでした。
ポーカーの初心者のコツ⑤
コールするかは損得で判断しよう
コールをしすぎることもまた、初心者が犯しがちなミスであると言えます。
確かに、ボードに落ちるカードは分かりません。ドローがついている時、次のカードが見たくなる気持ちも分かります。
しかし、次のカードが見たいからという理由でコールするのは考えものです。
なぜなら、ポーカーは役を作るゲームではなく、期待値を最大化するゲームだからです。次のカードが見たいという理由での投資は、長期的に見るとかなり高くついてしまいます。
オッズに合うから、相手の○○のような手に勝っているからなど、コールが得だと言える理由を考えて「得だからコールしました」と言えるのが理想です。
ポーカーの初心者のおすすめの勉強法!最速でうまくなる方法とは?
ここからはポーカーの勉強法について解説していきます。今回紹介するのはこの4つです。
- ポーカー関連の動画を観る
- 戦術本を読む
- 実戦で場数を踏む
- 分析ツールを使う
順番に見ていきましょう。
①ポーカー関連の動画を観る
動画コンテンツが発達した現代においては、この方法が最もお手軽で強くなれると思われます。
見る動画は講座動画でも、好きなプロやストリーマーのプレー動画でもOK。
ポーカーのセオリーを知ることができたり、上手な人の思考を聞いたりできることから、ポーカーの理解度を高めるにはおすすめです。
セオリーが頭の中で言語化されていると、後に紹介する分析ツールを使った勉強でも、内容を吸収しやすくなりますよ!
②戦術本を読む
戦術本を読むことも、ポーカーの上達においてはおすすめの方法です。
戦術本の著者は、本を出して売れるだけの権威のあるプレイヤーです。よって内容は信頼に足るものである可能性が高いです。
確かにポーカー戦術は目まぐるしく発展していますから、本によっては古い戦術が書いてあるかもしれません。しかし、古い戦術が今の戦術のベースになっているのもまた事実。
少なくとも始めたての初心者が、現代ポーカーのスタートラインに立つのを助けてくれることは間違いありません。
Kindle Unlimitedがおすすめ
書籍のサブスクを利用してポーカーの戦術本を読むのがおすすめです。
ポーカーの戦術本は買うと結構高額です。1冊2000円以上するものも多く、買い集めるとかなりの出費になります。
Kindle Unlimitedを利用すれば、すべての戦術書を読めるまでとはいかないものの、名著と呼ばれる戦術書を数多く読むことができます。
1か月無料でお試しできるので、ガッツリ勉強したいタイミングでお試ししてみるのもアリです。
③実戦で場数を踏む
ポーカーの経験を積むことも、上達には欠かせません。
その時に大切なのは、ただ闇雲に打つだけではなく、常に疑問点を探すことです。
プレー中に悩んだシチュエーションがあったらメモしておくといいでしょう。後述する分析の時に役に立ってくれるはずです。
④分析ツールを使う
実戦を積んで分からないことがあったら分析ツールを使って復習してみましょう。
先ほどから出てきている「GTO+」も分析ツールのひとつです。あなたのプレーが正しかったか、最適なアクションは何かを知ることができます。
一方で、分析ツールは最適なアクションが分かっても、その理由は教えてくれません。先ほどセオリーを言語化したいといった理由がこれです。
あらかじめポーカーのセオリーを勉強しておくことで、ツールをうまく使いこなせるようになるでしょう。
初心者にはPokerSnowieがおすすめ
PokerSnowieはポーカーAIを利用したサービスです。
ソルバーをはじめとしたツールでの研究分析には、ある程度主体性が求められます。つまり、課題を自分で見つける必要があるわけです。
よって初心者の方が手を付けても、何をすればいいのか分からない、ということになりかねません。
PokerSnowieでは、オンラインでプレーしたハンドをAIにレビューしてもらえたり、模擬戦としてAIに稽古をつけてもらえたりします。
したがって、初心者の方でもプレーの問題点を洗い出しやすく、上達に繋がりやすいのが魅力です。
値段は1年で99ドル~。円安もあって少しお高めですが、PokerSnowieを完コピするつもりで1年間みっちりポーカーを打ち込めば、あなたのプレースキルは確実に向上しますよ!
ポーカーの初心者はセオリーを覚えよう!
という格言があるくらい、ポーカーのスキルは一朝一夕に身に付くものではありません。
しかし、優先度の高い定石を覚えることで、ポーカーの基礎を身につけることができます。
現代はポーカーを学習しやすい環境が整っており、才能にかかわらず、その気になれば誰でもポーカーが上手くなれる時代です。
是非ポーカーの勉強法を試していただき、ポーカーのスキルアップに役立てていただけると幸いです。