覚えないと勝てない?
ポーカーを始めたての方にとっては、レンジと言われても難しいと感じることが多いでしょう。
しかし、ポーカーのハンドレンジは、勝率を左右するほど重要な要素です。
この記事では、ポーカーのハンドレンジについて詳しく解説しています。
- ポーカーのハンドレンジの基本
- 実際のプレイで使えるハンドレンジ
- ポーカーのハンドレンジの覚え方
ポーカーのハンドレンジの勉強をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ポーカーのハンドレンジとは?
ポーカーのハンドレンジとは、現在の状況において、自分のハンドが有益になりうるかを判断する材料です。
基本的には、自分が座っているポジション、ぶつかる相手のポジションを基にハンドレンジを判断します。
ハンドレンジがもっとも活躍する場面は以下の2つ。
- プロフロップでゲーム参加を判断する場合
- プリフロップ以降で相手のハンドを予測する場合
プレイヤー同士があらかじめ指標となるレンジ(範囲)を決めていると、レンジに沿った読み合いが行われるのです。さまざまな場面でアクションを決める指標になるので、少しずつ頭に染み込ませていきましょう。
オープンレンジ
オープンレンジとは、プリフロップで自分が最初にレイズを行う場合のハンドレンジです。
アクションが早いポジションに座っているほどレンジは狭くなり、オープンする頻度は少なくなります。自分の後にアクションをするプレイヤーが多いので、プリフロップ以降のアクションを判断しやすくするためです。
オープンレンジはポーカー初心者が最初に覚えておきたい要素の一つ。まずは6人卓のレンジから覚えるのがおすすめです。
コールレンジ
コールレンジは、すでにほかのプレイヤーからアクション(レイズ)が入っている場合に、コールが正当化されるレンジです。常に後からアクションができるBTN、すでにブラインドを支払っているBBはレンジが広くなり、ほかのポジションでは狭くなります。
コールレンジに含まれやすいハンドは以下の2つ。
- 投機的なハンド
スーテッドコネクター(78sなど)のように、フロップ以降に期待値を追えるハンド - ミドルポケット
55~99のように、一度フロップを確認したいハンド
フロップが開いてから降りる、降りないを判断しやすいハンドをレンジに含めるのがおすすめです。補足として、相手の実力が自分より劣っている場合はコールレンジが通常より広くなります。
レイズ(3bet)レンジ
レイズ(3bet)レンジは、すでにアクションしているプレイヤーに対してさらにレイズを返す場合のレンジです。
3betレンジは、基本的には相手のレンジよりも強いハンドを持っている場合の指標となります。ただし、相手の裏をかいて弱いハンド(ブラフ)でレイズレンジを構築することもあるので、覚えておきましょう。
初心者が最初に覚えるプリフロップのレイズレンジは、以下のシチュエーションです。
- CO~BTNのオープンに対して、SB~BBからレイズを返す
上記のパターンがもっとも多く、頻繁にレイズを行います。覚えきれない場合は、少しずつ区切って身につけていきましょう。
ポーカーのハンドレンジは勝率や利益に直結する
ポーカーのハンドレンジは、勝率や利益に直結する要素です。適切なレンジでプレイすることで、長期的に見て有利な状態でプレイしやすくなるのです。
ほかにも、ハンドレンジが勝率に影響を与える具体的な理由があります。
- アクションの判断がしやすくなる
- 相手のハンドを予想しやすくなる
- 正しいプレイだったから「仕方ない」と割り切れる
行動面、精神面のどちらで見ても、レンジが勝率に与える影響は大きいと言えるでしょう。
ポーカーのハンドレンジをボジション別で解説!プリフロップ(オープン)
ここからは、実際にプリフロップでオープンする場合のハンドレンジを見ていきましょう。ポジションごとに分けて解説しているので、プレイ時の参考にしてみてください。
それぞれ解説していきます。
UTG(アンダーザガン)
UTGからのオープンでは、以下のレンジを目安に行いましょう。
- スーテッドハンド
A2s+ KTs+ QTs+ JTs+ - オフスーテッドハンド
ATo+ KTo+ QJo+ - ポケットハンド
88+
UTGは後ろに多くのプレイヤーを残したポジションです。レイズが返ってきても対応しやすいレンジを構築していきましょう。
MP(ミドルポジション)
MPのオープンでは、以下のレンジを目安にしましょう。
- スーテッドハンド
A2s+ K9s+ Q9s+ J9s+ T9s+ 98s - オフスーテッドハンド
ATo+ KTo+ QJo+ JTo+ - ポケットハンド
55+
MPもまだまだ後ろのプレイヤーが多いポジションです。UTGより参加ハンドは増えますが、慣れないうちは少し狭いレンジでプレイしてもよいでしょう。
CO(カットオフ)
COからのオープンでは、以下のレンジを目安に行いましょう。
- スーテッドハンド
A2s+ K7s+ Q8s+ J8s+ T8s+ 98s 87s 76s 65s 54s - オフスーテッドハンド
A8o+ KTo+ QJo+ JTo+ - ポケットハンド
33+
COまで回ってくると、後ろのプレイヤーは3人しかいません。レイズが入る可能性も少なくなるため、MPまでと比べて大きくレンジが広がります。
BTN(ボタン)
BTNからのオープンでは、以下のレンジを目安に行いましょう。
- スーテッドハンド
A2s+ K2s+ Q5s+ J7s+ T7ws+ 97s+ 54s以上のスーテッドコネクター - オフスーテッドハンド
A2o+ K9o+ Q9o+ J9o+ T9o+ - ポケットハンド
22+
BTNでは、後ろのプレイヤーは2人まで絞られており、なおかつフロップ以降で後からアクションができます。そのため、非常に広いレンジでオープンが可能です。
SB(スモールブラインド)
SBからのオープンでは、以下のレンジを目安に行いましょう。
- スーテッドハンド
A2s+ K2s+ Q2s+ J2s+ T5s+ 95s+ 85s+ 75s+ 63s+ 53s+ 42s+ 32s+ - オフスーテッドハンド
A2o+ K2o+ Q6o+ J7o+ T7o+ 96o+ 85o+ 75o+ 65o+ 54o+ 43o+ 32o+ - ポケットハンド
88+
後ろにBB(ビッグブラインド)のプレイヤーしか控えていないため、SBではほとんどのハンドでオープンが正当化されます。
また、すでに0.5BBを支払っていることも、オープン率が上がる原因の一つ。BBのプレイヤーを降ろすだけでポットを獲得できるので、広いレンジでオープンしていきましょう。
ポーカーのハンドレンジをポジション別に解説!プリフロップ(コール)
ここからは、すでにオープンが入っている場合のコールレンジについて見ていきましょう。
それぞれのシチュエーション別に解説していきます。
MP(ミドルポジション)・CO(カットオフ)でコールする場合
MPやカットオフは、UTGの強いレンジに抵抗でき、なおかつ後ろのポジションからの3betも考慮したハンドでコールする必要があります。
具体的には、以下のようなハンドでコールしていきます。
- AやKの上位ハンド
- スーテッドコネクターのような投機的ハンド
- ミドルポケット
3betが入ってもフロップを確認する価値があるハンドをコールに回しましょう。
BTN(ボタン)でコールする場合
BTNはアクションが最後で有利なポジション。したがって、コールできるハンドレンジも少し広くなります。
- UTGに対してもコールできる上位ハンド
- ブロードウェイカード(QJやJT)
- スーテッドコネクター
ポジションの優位性を活かして、相手によってはコールレンジを広げるのもよいでしょう。コールレンジを広げる場合は、フロップ以降のスキルが求められます。
SB(スモールブラインド)でコールする場合
基本的にSBでコールするハンドはほとんどありません。もっともポジションが不利なうえに、後ろにはBBのプレイヤーが控えているためです。
参加する場合は3betが多いですが、相手のスキルによってはスーテッドコネクター系やミドルポケットをコールに回しましょう。
BB(ビッグブラインド)でコールする場合
BBはすでにブラインドを支払っているうえに、後ろに控えているプレイヤーが一人もいません。したがって、もっとも参加頻度が高くなります。
- アーリーポジション(UTGやMP)に対してはコールが多くなる
- レイトポジション(BTNやSB)に対しては3betが多くなる
上記がBBでコールする際の前提知識です。これを踏まえて、それぞれのコールレンジを見ていきましょう。
UTGに対してのコール
UTGのオープンにコールで対応する場合は、基本的にスーテッドやコネクターハンドで対抗します。
- スーテッド系はほとんどコール
- コネクター系もほとんどコール
ハンドの強さでコールするよりも、フロップ以降に立ち回り安いハンドをコールに回すように意識しましょう。
MP~COに対してのコール
MPやCOのオープンにBBでコールする場合は、vsUTGよりも少しレンジが広がります。とはいえ、基本的にはUTGに対するレンジと大きくは変わりません。
- UTGに対抗するハンドより1~2つ下の組み合わせも含める
(A9o → A7oまで など)
また、vsUTGに対してコールしていたにもかかわらず、vsMP、COに含まれない上位ハンドは3betに回します。
BTNに対してのコール
相手がBTNのプレイヤーになると、3betで対抗するレンジも増え始めます。具体的には、15%前後のハンドではレイズです。
コールするハンドの目安は、以下のとおりです。
- 弱い組み合わせのA、K、Q
- ストレートになりうる弱い組み合わせ
(85sや53sなど)
レイズはできないが、フロップを見る価値のあるハンドをコールに回しましょう。
SBに対してのコール
SBvsBBのブラインドバトルになると、コールレンジは非常に広くなります。
- A~Tのスーテッドすべて
- 数字が近いスーテッドすべて
基本的に、上記のハンドはすべてコールしていきましょう。ただし、上位ハンドや強いスーテッドコネクターは3betに回します。
オープンに対してレイズ(3bet)する場合のハンドレンジ
ここからは、オープンに対してレイズ(3bet)で抵抗するレンジを見ていきましょう。前提として、どのポジションに対しても3betできるハンドは以下のとおりです。
- AA~JJまでのポケットペア
- AK~AJsまでのスーテッドハンド
- AKo、AQoのオフスーテッドハンド
注意点は、AJsとJJに関してはUTGに3betするハンドとしては不十分なことです。相手のスキルに応じてコールと3betを使い分けるとよいでしょう。
以下の項目で頻出する3betのシチュエーションとレンジを紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
BTNのオープンにSB・BBでレイズする場合
BTNvsブラインド(SB、BB)では、ブラインド側が3betする機会が多くなります。レイズされると降りざるを得ないハンドがオープンレンジに多く含まれるためです。
- Aのスーテッドハンド
- KやQの上位ハンド
- ミドルポケットまで(AA~88)
上記のハンドでBTNのオープンに対して抵抗ができます。
SBのオープンにBBでレイズする場合
SBvsBBのブラインドバトルでは、広いレンジで3betを行うことになります。SBのオープンレンジは非常に広いため、降ろすことによる期待値を高めるためです。
AやKのスーテッド、スーテッドコネクターなど、幅広いハンドで3betを返していきましょう
【おすすめ!】ポーカーのハンドレンジの覚え方3選
ここからは、種類が多いハンドレンジを効率よく覚えるためのコツを紹介していきます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
実戦で感覚を養う
レンジを覚えるために一番必要なことは、実戦を通して感覚を養うことです。多くの実践を積むことで、プレイしやすいハンドとしにくいハンドが理解できるようになります。
レンジを単なる表として捉えても、感覚として身につくことはありません。実際にプレイした感覚を身体に染み込ませて、すぐにアクションを判断できるようにしましょう。
他人のプレイを観察する
他人のプレイから学ぶことも、レンジを覚えるうえでは大切です。現在は日本でもポーカーのプレイを見る機会は多くなっています。
- アミューズメントポーカー
- YouTube
- オンラインポーカー
上記のように、他人のプレイをじっくり観察できる環境で活用していきます。
上手いプレイヤーがショーダウンしたハンドを覚えておくことで、自分のレンジ構築にも良い影響が出るでしょう。
レンジ表を印刷して壁に貼る
シンプルな方法ですが、レンジ表を壁に貼っておくだけでも早く身体に染み込むようになります。特にオンラインポーカーでは迷ったらすぐに確認できるので、非常におすすめです。
- 迷いやすいスポット
- レンジが曖昧なスポット
上記のように、自分が苦手とするシチュエーションを印刷しておくとよいでしょう。すべて印刷するとプレイ中に探す手間が発生するので、苦手スポットに絞って貼ってみてください。
ハンドレンジについてプロポーカープレイヤー「世界のヨコサワ」も解説!
チャンネル登録者数70万人を超える人気ポーカーYouTuber「世界のヨコサワ」さんも、プリフロップのハンドレンジについて解説しています。
世界のヨコサワは日本国内でも上位に入る実力の持ち主。非常にわかりやすいシンプルなレンジをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
- ひと目でわかる色分け
- 1枚でポジション別の大まかな参加ハンドがわかる
- 初心者でも対応しやすいハンドに絞られている
具体的には、上記のようなハンドレンジとなっています。
ポーカーのハンドレンジに関するQ&A
ここからは、ポーカーのハンドレンジに関する細かい質問に回答していきます。
少しでも理解を深めて、実力向上を目指しましょう。
Q.ハンドレンジを出してくれるツールはある?
ポジション別にハンドレンジを出してくれるツールは、いくつかリリースされています。
ポーカー初心者は、使い方がシンプルなプリフロップアドバイザーを利用するのがおすすめです。ポジションを入力するだけで、カンタンにハンドレンジがチェックできます。
Q.ハンドレンジは人によって変わる?
ハンドレンジはプレイスタイルによって大きく異なります。
- ルース
広いレンジでプレイする - タイト
狭いレンジでプレイする
日本人はタイトなプレイヤーが多く、比較的狭いレンジが多いと言われています。
ルースなレンジでプレイするにはポストフロップに技術が求められるので、初心者はまずタイトなレンジに慣れるのがおすすめです。
Q.9人卓(9max)の場合ハンドレンジは変わる?
人数が多いテーブルでプレイする場合、レンジは6人卓と比べて狭くなります。単純にプレイヤーの数が多く、コールやレイズをされる可能性が高まるためです。
ただし、基準となるハンドレンジが大きく変わることはありません。まずは6人卓のレンジを覚えて、そこから狭めるイメージでプレイするとよいでしょう。
Q.オープンする場合のレイズサイズは?
オープンする際は、基本的に2.5BB~3BBを目安にオープンするのがおすすめです。1BBとは、そのテーブルにおけるブラインドの金額。「1-2」をプレイしている場合は「1BB=2ドル」です。
2BBではコールされるレンジを広げられてしまいますが、2.5BB~3BBのレイズでは相手がフォールドする可能性も高まります。
あくまで基準なので、テーブルの状況に合わせたレイズサイズを選んでいきましょう。
ハンドレンジを覚えて安定したポーカーをプレイしよう!
この記事では、ポーカーのハンドレンジについて解説してきました。
- レンジを覚えるとアクションが安定
- 早いボジションほどレンジは狭くなる
- レンジを覚えるには実戦と観察が大切
相手と高度な情報戦を繰り広げるためにも、ハンドレンジは大切な要素です。
少しでも早く身体に染み付くようにして、正しいプレイが増えるように心がけていきましょう。
・コンテンツディレクター
・趣味でオンライン、ライブポーカー
・複数回の高額インマネ歴