ポーカーでいくら稼いだ?
Phillip Dennis Ivey Jr. (フィルアイビー)は、2017年にポーカーの殿堂に選出された最強・最高・偉人級プロポーカープレーヤーです。
フィルアイビーを一言で表現するなら、“天才”!
どう天才かというと、相手の目から心理を洞察するスキルがすごいんです。そのため、フィルアイビー相手にサングラスを欠かせないプレイヤーもいるんだとか。
このずば抜けた洞察力、子どもの頃の環境にプラスして自分でもスキルを磨いた経歴があり、努力型天才ポーカープレイヤーとも言われています。
ここで、フィルアイビーの偉業を3つご紹介しますね。
✔フィルアイビーが獲得したタイトル
・ワールドシリーズオブポーカーのブレスレット(10回)
・ワールドポーカーツアーのタイトル(2回)
・ワールドポーカーツアーのファイナルテーブル(11回)
上記のように、タイトル獲得回数やファイナルテーブル進出、1回だけじゃないんです。
今回の記事では、世界で最も優れたオールラウンドプレイヤーとの呼び声も高いポーカープレーヤーPhil Ivey (フィルアイビー)を紹介します。
フィルアイビーのポーカーキャリア、総資産や現在、エッジソーティング訴訟にも触れていくので、ぜひ最後まで読んでください!
Phil Ivey(フィルアイビー)がポーカーを始めたきっかけ
フィルアイビーこと、Phillip Dennis Ivey Jr.(フィリップ・デニス・アイビー・ジュニア)は、1976年2月1日にアメリカのカリフォルニア州リバーサイドで生まれました。
フィルアイビーがポーカーにはじめて触れたのは、理髪店だったんだとか。
祖父としたポーカーのおもしろさにはまり、すすんで祖父とポーカーで遊ぶようになったと言われています。
ポーカーをはじめた8才の頃すでに、勝つための戦略を自ら練っていたフィルアイビー。
後に、祖父からの助言もあってプロへ転身したというエピソードも残っています。
偽IDカードを作成しアトランティックシティのカジノへ出入りするようになったのは、1990年代後半です。
高校卒業後、入社したマーケティング会社の同僚とのポーカーゲームでスキルを劇的にアップさせたフィルアイビーは、数年後、プロポーカープレイヤーへ転身しています。
Phil Ivey(フィルアイビー)のニックネーム
Phillip Dennis Ivey Jr.ことフィルアイビーのニックネームは4つあります。
ポーカーをはじめた頃に由来するもの、その後のポーカーキャリアやプレイスタイルを表現したものなどあり、エピソードもユニーク。
そこで、フィルアイビーの有名なニックネームに関するエピソードを、それぞれ簡単にご紹介します。
ニックネーム1:No Home Jerome
すべての時間をポーカーに使いほとんど家に帰らなかったことと、偽IDカードの名前から、No Home Jeromeとなったようです。
No Home Jeromeを直訳すると、家なしジェロームという意味になります。
フィルアイビーがカジノでポーカーをプレイしたいと思った頃、まだ、カジノへ入店できる年齢に達していませんでした。
そこで、ニュージャージー州アトランティックシティでポーカーをプレーするため偽のIDカードを作成。
偽IDカードに記載された名前と、家に帰らないほどポーカーをプレイしたことから、家なしジェロームとあだ名されましたというわけです。
ニックネーム2:The Phenome
2つ目のニックネームは、The Phenome(ザフェノム)です。
意味は、スポーツや各分野などで非凡な才能を見せる人、いわゆる、その分野での天才という意味。
フィルアイビーは、2002年にワールドシリーズオブポーカーブレスレットを3つ獲得した後で、“天才”と称されるようになります。
ニックネーム3:Tiger Woods of Poker
Hey @TigerWoods, I’m All In for the next round pic.twitter.com/kcua0G0iYC
— Phil Ivey (@philivey) May 25, 2020
Tiger Woods of Pokerは、ポーカー界のタイガーウッズという意味。
上のツイートは、フィルアイビーの公式Twitterで紹介されている、タイガーウッズとの貴重なショットです。
フィルアイビーは、23歳でポーカー大会のタイトルを多数獲得しています。
これは、本格的にポーカーをカジノでプレイしはじめて数年で成した偉業です。
その姿が、若くして高額タイトルをたくさん獲得したタイガーウッズみたい!ということで、Tiger Woods of Pokerと呼ばれています。
ニックネーム3:The Owl
The Owl(フクロウ)は、フィルアイビーのポーカープレイ中の行動に由来するニックネームです。
フィルアイビーには、プレイ中、フクロウのように目をキョロキョロと動かすというユニークなクセがあります。
そんなプレイ中の様子から、親しみを込めて「The Owl!」とファンたちから呼ばれているんだとか。
大きな目を見開いて左右に動かすという奇抜な動きながら、フィルアイビーのにくめない雰囲気から好印象になってしまうようです。
Phil Ivey (フィルアイビー)のポーカーの経歴
フィルアイビーの本格的なポーカーキャリアは、1990年代後半の同僚とのポーカーゲームからスタートしています。
偽IDカードを使ってカジノに出入りしながら、フィルアイビーは、同僚とのゲームで洞察力というスキルを磨き上げました。
この頃、バリー・グリーンスタインやダニエル・ネグレアヌといったポーカープロから受けたプレイのアドバイスが、その後のプレイスタイルに大きな影響を与えているといったエピソードも。
フィルアイビーのプレイスタイルは、高額ベッドとビッグブラフを決めるオールラウンドプレーヤーです。
事実、ライブポーカーはもちろん、オンラインや色々なポーカーゲームで好戦績を積み上げていて、そのプレイスタイルに魅了されるファンも多数。
多く人を魅了するフィルアイビーのポーカーキャリアとして、まず、ライブポーカーとキャッシュゲーム、オンラインと他タイトルに分けて、彼の功績を振り返ってみましょう。
ライブポーカー
ライブポーカーとは、プレイヤー同士で対戦するポーカーのことです。
オンラインポーカーと区別するため、“ライブ”がつきます。
フィルアイビーのライブポーカーの戦績として、WSOP・WPT・その他トーナメントに分けてご紹介します。
ワールドシリーズオブポーカー(WSOP)
引用元:www.wsop.com
ワールドシリーズオブポーカー(以下、WSOP)公式サイトに掲載されているフィルアイビーのプロフィールページが、上記です。
WSOPは、1970年から開催されていて、賞金が高額なことも有名なポーカートーナメント。
毎年5,000人以上のポーカーファンが参加する世界最大級のポーカートーナメントでもあります。
ます、WSOPで達成したフィルアイビーのエピソードを3つ紹介です。
フィルアイビーWSOP注目エピソード
・2000年 プロギャンブラーを破り、最初のブレスレット獲得
・2002年 ブレスレット3つ獲得
・2014年 最年少(当時38歳)で通算10個のブレスレット獲得
続いて、それぞれのエピソードを簡潔に紹介します。
■アマリロスリムを破り、初ブレスレット獲得
フィルアイビーは、2000年のWSOPで初めてのブレスレットを獲得しています。
ポーカートーナメントのブレスレットとは、優勝カップやトロフィーのことです。
WSOPではメインゲームの他に多数のイベントを開催していて、どのイベントでブレスレットを獲得しても、賞賛と賞金という至福の瞬間を味わうことができます。
どんなブレスレットかというと、下記画像を参照ください。
引用元:@WSOP
上記画像の下部分にあるのが、WSOPの2021年オンラインゲームでのブレスレットイメージです。
フィルアイビーのWSOP初ブレスレットは、2000年の$2,500ポットリミットオマハでした。
このとき、ファイナルテーブルで、アマリロスリムを最後に破った男として、注目されています。
アマリロスリムとは、1992年にポーカー殿堂入りしたプロギャンブラー。
アマリロスリムを破りブレスレットを獲得できたことは、フィルアイビーにとって格別のものだったにちがいありません。
■1シーズンで、ブレスレット3つ獲得
2002年のWSOPで、フィルアイビーは、3つのブレスレットを獲得しています。
獲得したイベントは、$2,500の7カードスタッドHi/Lo・$2,000SHOE・$1,500の7カードスタッドです。
ノーリミットやオマハなど同じポーカーでも戦い方が違うゲームなので、得意不得意はあるもの。
ところが、フィルアイビーは他イベントに参加しながら、1シーズンでブレスレット3つ!
フィルアイビーがオールラウンドプレイヤーと呼ばれるエピソードの1つです。
このブレスレット3つ獲得で、”The Phenome(天才)”と呼ばれるようにもなっています。
■最年少で10個のブレスレットを獲得
フィルアイビーは、2014年にWSOPで10個目のブレスレットを獲得しています。
このときの様子が分かるYouTube動画が下記です。
引用元:YouTube
WSOPの公式動画で、フィルアイビーのハンドやベッドしたチップの量など、生々しく分かります。
また、53秒頃に、WSOPで獲得した記念すべき10個目のブレスレットをかかげる笑顔のフィルアイビーに会えますよ。
このとき、フィルアイビー38歳。
42歳で10個目のブレスレットを獲得したフィル・ヘルムスの最年少記録を破っています。
続いて、フィルアイビーが獲得した10個のWSOPブレスレットとその賞金内容を表でご紹介です。
●ワールドシリーズオブポーカーブレスレット
年 | トーナメントイベント | プライズ (US $) |
2000年 | $ 2,500ポットリミットオマハ | $ 195,000 |
2002年 | $ 2,500 7カードスタッドHi / Lo | $ 118,440 |
2002年 | $ 2,000 SHOE | $ 107,540 |
2002年 | $ 1,5007カードスタッド | $ 132,000 |
2005年 | $ 5,000ポットリミットオマハ | $ 635,603 |
2009年 | $ 2,500ノーリミット2-7ドローローボール | $ 96,367 |
2009年 | $ 2,500オマハHi / Lo / 7カードスタッドHi / Lo | $ 220,538 |
2010年 | $ 3,000 HORSE | $ 329,840 |
2013年 | $ 2,200混合イベント | A$ 51,840 |
2014年 | $ 1,5008ゲームミックス | $ 166,986 |
2010年、8個目のブレスレット獲得時のファイナルテーブルの顔ぶれがスゴイ。
このとき、フィルアイビーは、Bill Chen(2位)、John Juanda(3位)、ジェフリサンドロ(5位)、チャドブラウン(8位)など有名なポーカープレーヤーたちを破っています。
また、14年で10個のブレスレット獲得という記録は、当時の最短記録です。
■フィルアイビーのWSOPメインイベント戦績
WSOPのメインイベントは、ノーリミット・テキサス・ホールデムです。
サテライト予選抜きで参加なら、1人約100万円の参加費が必要なビッグゲーム。
WSOPのメインイベント優勝者は莫大な賞金を手にできるのはもちろん、ファイナルテーブルに残った8人にも約$100万(約1億円)の賞金が保証されています。
まず、フィルアイビーのWSOPメインイベント戦績について、箇条書きでご紹介です。
- 2002年23位
- 2003年10位
- 2005年20位
- 2009年7位(賞金$1,404,002)
参加人数によって賞金額が変動するので、2009年のフィルアイビーの賞金は、7位で1億円越えになっていますね。
■WSOPテキサスホールデムレコード
キャッシュ | ファイナルテーブル | 勝ち |
32 | 8 | 0 |
フィルアイビーはWSOPテキサスホールデムで、勝ち=ブレスレット獲得はありません。
ですが、ファイナルテーブルに8回進んでます。
上記でご紹介したように、ファイナリストへ1人約1億円の賞金を保証しているのがWSOPのメインイベントです。
ですから、フィルアイビーは、WSOPメインイベントだけで通算8億円以上獲得しているということになります。
引用元:www.wsop.com
上記写真のWSOP公式サイトPlayersページでは、フィルアイビーはブレスレット獲得順位2位で賞金約$714万(約8億2千万円)になっています(2022年1月調べ)。
続いて、この他のWSOPの戦績について、対戦相手も分かる表で紹介です。
■WSOPヘッズアップレコード
年 | イベント | 対戦相手 | 勝ち | 負け | 勝ち% |
2000年 | $ 2,500ポットリミットオマハ | アマリロスリム | X | ||
2002年 | $ 2,500 Limit7カードスタッドHi / Lo | Toto Leonidas | X | ||
2002年 | $ 2,000 Limit7カードスタッドHi / Lo | Sirous Baghchehsaraie | X | ||
2002年 | $ 2,000リミットシュー(イベント23) | ディエゴコルドベス | X | ||
2003年 | $ 3,000リミットラズ | ハックシード | X | ||
2005年 | $ 5,000ポットリミットオマハ | ロバートウィリアムソンIII | X | ||
2006年 | $ 5,000オマハハイロースプリット | サムファーハ | X | ||
2007年 | $ 10,000世界選手権セブンカードスタッド | クリスレスロック | X | ||
2009年 | $ 2,500デューストゥセブンドローローボール(ノーリミット) | ジョンモネット | X | ||
2009年 | $ 2,500オマハ/セブンカードスタッドHL / 8以上 | ミンリー | X | ||
2010年 | $ 3,000ホース | Bill Chen | X | ||
2012年 | $ 10,000 Pot-Limit Hold'em | Andy Frankenberger | X | ||
2013A年 | $ 2,200 Mixed Event | Brandon Wong | X | ||
2014年 | $ 1,500 Eight Game Mix | Bruce Yamron | X | ||
10 | 4 | .714 |
2000年の$2,500ポットリミットオマハでは、ファイナルテーブルでアマリロスリムを破って最初のブレスレットを獲得。
これ以降、アマリロスリムはWSOPへ参加していません。
そのため、フィルアイビーは、アマリロスリムを最後に破った男と称されることもあります。
■WSOP非テキサスホールデム結果(ITMフィニッシュのみ)
続いて、WSOPのメインイベント以外でのフィルアイビーの戦績を表にまとめています。
2000年から2014年の14年間だけで、37ものイベントでフィニッシュ。
1シーズンにいくつものイベントに参加して、WSOPのメインイベント以外でも、賞金を毎年獲得しているのが分かります。スゴイ!
年 | イベント | 結果 | 賞金 |
2000年 | リミット7カードスタッド(イベント3) | 12日 | $ 5,145 |
2000年 | ポットリミットオマハ(イベント14) | 第1回 | $ 195,000 |
2001年 | リミットオマハハイ/ロー(イベント23) | 6日 | $ 18,165 |
2002年 | リミットオマハハイ/ロー(イベント3) | 9日 | $ 7,640 |
2002年 | リミット7カードスタッド(イベント5) | 1位 | $ 132,000 |
2002年 | リミット7カードスタッドハイ/ロー(イベント10) | 8位 | $ 5,860 |
2002年 | Limit 7 Card Stud Hi / Lo(イベント16) | 1st | $ 118,440 |
2002年 | Limit Omaha Hi / Lo(イベント20) | 14th | $ 3,720 |
2002年 | Limit SHOE(イベント23) | 1st | $ 107,540 |
2003年 | Limit Razz (イベント27) | 2番目 | $ 36,000 |
2003年 | リミット7カードスタッド(イベント31) | 3番目 | $ 53,560 |
2003年 | ポット再購入のあるオマハを制限する(イベント33) | 9日 | $ 10,720 |
2005年 | オマハハイロースプリット(イベント5) | 54日 | $ 2,410 |
2005年 | ポットリミットオマハ(イベント27) | 第1回 | $ 635,603 |
2006年 | リミットホールデム(イベント4) | 21st | $ 9,476 |
2006年 | Omaha Hi-low Split(イベント12) | 2nd | $ 219,208 |
2006年 | HORSE (イベント20) | 第3回 | $ 617,760 |
2007年 | 世界選手権セブンカードスタッド(イベント11) | 第2回 | $ 143,820 |
2007年 | 馬(イベント26) | 4日 | $ 65,424 |
2008年 | H.O.R.S.E。 (イベント22) | 24日 | $ 7,998 |
2008年 | 世界選手権セブンカードスタッド(イベント14) | 9日 | $ 37,130 |
2008年 | 世界選手権馬(イベント45) | 12日 | $ 159,840 |
2008年 | H.O.R.S.E。 (イベント2) | 6日 | £13,750 |
2009年 | デューストゥセブンドローローボール(ノーリミット)(イベント8 | 1日 | $ 96,367 |
2009年 | オマハ/セブンカードスタッドHL / 8以上(イベント25) | 第1回 | $ 220,538 |
2009年 | ポットリミットオマハ(イベント30) | 44日 | $ 4,883 |
2010年 | イベント#27:セブンカードスタッドハイロー8以上 | 52日 | $ 3,182 |
2010年 | イベント#33:ポットリミットホールド 'em /オマハ | 12日 | $ 16,074 |
2010年 | イベント#37:HORSE | 第1回 | $ 329,840 |
2012年 | イベント#15:セブンカードスタッドハイロースプリット-8以上 | 第7回 | $ 34,595 |
2012年 | イベント#24:オマハハイロースプリット-8以上 | 3位 | $ 136,046 |
2012年 | イベント#32:馬 | 5日 | $ 99,739 |
2012年 | イベント#35:ミックスホールデム(リミット/ノーリミット) | 8日 | $ 21,699 |
2013A年 | イベント#3:混合イベント | 第1回 | $ 51,840 |
2014年 | イベント#12:ポットリミットホールデム | 22日 | $ 5,030 |
2014年 | イベント#48:ポットリミットオマハハイロースプリット-8以上 | 30日 | $ 6,836 |
2014年 | イベント#50:8つのゲームミックス | 最初の | $ 166,986 |
こちらの表の賞金総額で、約3億円ほどになります。
フィルアイビーの総資産額は、もっと多いのは間違いありません。
続いて、フィルアイビーのワールドポーカーツアーの戦績をご紹介します。
ワールドポーカーツアー(WPT)
ワールドポーカーツアー(以下、WPT)公式サイトに掲載されているフィルアイビーのプロフィールページが、上記です。
このページから分かることの1つは、フィルアイビーのWPT賞金総額。
通算$4,427,248(約5.1億円)にもなっています!
WPTは、世界中を転戦して行われるテキサス・ホールデムのポーカー大会です。
日本や韓国などアジア圏での大会も開催されていて、各大会のファイナルテーブルはFOXスポーツネットワークスなどでTV放送されることもあり、ポーカープレイヤー注目の世界大会になっています。
続いて、WPTでのフィルアイビー関連エピソードを3つ紹介。
フィルアイビーWPT注目エピソード
・WPTブレスレット2つ獲得
・ファイナルテーブル進出、11回
・WPTキャッシュだけで、$300万(約3億円)
続いて、それぞれのエピソードを簡単に紹介します。
■フィルアイビーは、WPTでブレスレット2つ獲得
フィルアイビーは、WPTで2つブレスレットを獲得しています。
ブレスレット獲得時のイベントと賞金額は、下記です。
- WPT L.A. Poker Classic2007-2008 賞金$1,596,100
- WPT Heads Up Poker Championship Presented by Poker King2021-2022 賞金$400,000
こちらの賞金合計だけで、$1,996,100(約2億円)です!
2021年のファイナルテーブルがWPT公式動画にアップされています。
ファイナルテーブルは、プロポーカーでモデル、元テニスプレイヤーでもあるパトリック・アントニウスとの対戦でした。
この年のイベントはオンライン開催されていて、ヘッドセットを着けて、それぞれ別部屋から参戦しているのがわかります。
また、ハンドが分かる動画レイアウトなので、プレイの参照にしてみてはいかがでしょう。
■WPTでファイナルテーブルへ11回!
フィルアイビーは、WPTで11回ファイナルテーブルへ出場しています。
大きな借金のないプロポーカーフィルアイビーですが、WPTで不運に遭遇した経験の持ち主です。
スターティングハンドでエースとクイーンを得たものの、敗退してしまうというイベントがいくつかありました。
かなり、悔しい思いをしたにちがいありません。
敗退や悔しさなど経験しながら、WPTイベントでファイナルテーブルへ11回進出。
賞金総額通算$4,427,248(約5.1億円)という実績を残しています。
■WPTキャッシュで3億は獲得している
2021年にWPTハイスタックキャッシュゲームへ参加するフィルアイビーが見られる動画が、上記です。
フィルアイビーは、WPTのキャッシュで$300万(約3億円)近くを稼いだと言われています。
トーナメントもキャッシュゲームも他のイベントへも参戦するフィルアイビー、さすがオールラウンドプレイヤーといったエピソードです。
その他トーナメント
フィルアイビーは、上記でご紹介したWSOPやWPTといったトーナメントの他に多数のポーカー大会へ出場しています。
いくつかピックアップして、時系列でご紹介すると、
- 2005年 Monte Carlo Millionsトーナメント 優勝・賞金$100万(約1.1億円)
- 2006年 初開催EPM ロンドンオールスターチャレンジ 7位・賞金£6,700(約100万円)
- 2007年 NBCのPoker After Dark 賞金$12万(約1,300万円)
- 2012年 Aussie Millions A $25万ハイローラーイベント 優勝
この他にも、GSNのHigh Stakes Pokerのシーズン3と6へも参加しています。
また、オージーミリオンズ$250,000チャレンジでは、2014年にAU$400万を獲得、2015年には優勝してAU$220万を獲得。
2007年NBCで放送されたNationalHeads-UpPoker Championshipでは、俳優のチードルに初戦で敗退という残念な記録もあります。
しかしながら、2018年の時点で、フィルアイビーのライブトーナメント賞金総額は$2,625万(約30億円)超えなんだとか。
フィルアイビーの総資産額は、プロポーカーの中でもトップクラスにまちがいありません。
キャッシュゲーム
ポーカーでいうキャッシュゲームは、トーナメント以外のポーカーゲームに参加することです。
こちらでは、トーナメントとオンラインポーカー以外のフィルアイビーの戦績について簡潔にご紹介していきます。
フィルアイビー出没カジノは、ラスベガスのベラージオ
ポーカープロとは、ポーカーで稼いだお金で生活しているので、どこかで日々ポーカーやカジノゲームへ参加しているのは、通常業務でもあるんですよね。
フィルアイビーは、ラスベガスのベラージオで普段からポーカーをプレイしています。
上記写真のホテルカジノで、$4,000〜$8,000の混合キャッシュゲームに定期的に参加しているんだとか。
フィルアイビー対ビール戦は、3日間で18億円!
フィルアイビーのエピソードとして外せないのが、2006年2月に行われた数学者アンディ・ビール(または、アンドリュー・ベール)との3日間におよぶキャッシュゲームです。
アンディ・ビールはビール銀行の創設者兼会長で、フィルアイビーとは分野の異なるスゴイ人。
フィルアイビーは、TheCorporationというビールと対戦するためのプロポーカーグループに所属して戦ったようです。
このとき、テキサスホールデムの対ビール戦で、フィルアイビーは$1,600万以上を獲得。
ビール戦の3日間だけで、フィルアイビーは18億円を稼いだことになります!
オンラインポーカー
オンラインポーカーは、日本でも人気のオンラインで参加できるポーカーゲームです。
世界規模で展開しているアプリやサービスもあり、賞金額やイベントの多さなどそれぞれ特徴があります。
フィルアイビーは、FullTilt Poker(フルティルトポーカー)というオンラインポーカーサービスのオリジナルデザインチームに所属していたという経歴の持ち主です。
ところが、2011年FullTiltが契約に違反したと主張し、フィルアイビーは契約解放を求めて訴えています。
その後、FullTiltはPokerStarsへ吸収され、実質的に消滅したサービスになったようです。
フィルアイビーのオンラインポーカーゲームでの戦績としては、
- 2007年 $199万(FullTilt)
- 2008年 $734万
- 2009年 $633万
- 2010年 $300万
といった戦績が残っています。
ピックアップした4年分で、平均$460万/年ほど。
ご紹介した戦績合計だけでも、フィルアイビーのオンラインゲームでの獲得額は、18億円以上です!
アワード
フィルアイビーのポーカー戦績、トーナメントもキャッシュゲームもオンラインも、スゴイ償金金額です。
負けがあったとしても、賞金総額ざっと数十億円あるのですから、プロのポーカープレイヤーとして大成功と言えます。
プロポーカーとして大成功中のフィルアイビーは、ポーカープレイヤーとして賞の受賞歴も!
- オールインマガジン2005ポーカープレーヤーオブザイヤー
- オールインマガジン2009ポーカープレーヤーオブザイヤー
賞金総額だけで総資産が天文学的な数値を出すフィルアイビーにとって、賞は、ちょっとしたごほうびくらいなのかもしれません。
エッジソーティング訴訟
努力型天才で高額賞金獲得常連のフィルアイビーならではのトラブルとして、いくつかエピソードがあります。
フィルアイビーは、何でもプレイしてしまうゲーム好きな特徴も。
プロポーカーの家に遊びに行っている間に、テレビゲームで好成績を残したといったエピソードも残っているんです。
このことから、フィルアイビーの洞察力のスゴさは、きわめて高い集中力からきているのでは?といった印象もありませんか。
そういった洞察力や集中力はカードゲームでスキルとして発揮されていて、ほぼ運だめし的なカジノゲームでも勝つための努力を惜しまないフィルアイビーのエッジソーティング関連トラブルが発生。
続いて、Gemaco(ジェマコ)製トランプを使用したイギリスとアメリカのカジノとのトラブルを、時系列に沿って解説していきます。
ロンドンのカジノCrockfordsで支払い拒否
2012年8月、アイビーはロンドンの老舗カジノCrockfords(クロックフォード)でPunto Banco(プントバンコ)をプレーしました。
Punto Bancoとは、ヨーロッパ版のバカラといったルールのカードゲームです。
このとき、フィルアイビーは£730万(約11億円)を獲得。
ところが、最初の£1を超える支払いは拒否されています。
なぜなら、彼がエッジソーティングをしたとカジノ側に主張されてしまったからです。
エッジソーティングとは
エッジソーティングとは、カードのわずかなキズやミスプリなどを記憶し利用してゲームに参加することです。
神経衰弱で「1には角が折れてたのがあったはず……」と角が折れたカードを探して1のペアを作ってしまうと、エッジソーティングしたことに。
カジノは運で遊ぶところなので、カードを数えたりカードの特徴を覚えたりしてゲームに参加すると不正行為とみなされることもあります。
フィルアイビーは、不正行為を否定
フィルアイビーは弁護士を通じて、不正行為を否定する声明を発表しました。
Any allegations of wrongdoing by Crockfords are denied by me in the very strongest of terms.(クロックフォードによる不正行為の申し立ては、非常に強力な条件で私によって否定されています。)
たとえ、エッジソーティングしていたとしても、並外れた洞察力をもつフィルアイビーにしかできないスキルです。
ですが、カジノ側としては不正を訴えたくなったんでしょう。
だって、11億円ですからね。
エッジソーティングをプロポーカープレイヤーがすることが物議を呼んでもいます。
ただ、フィルアイビー側からはエッジソーティングについて否定する声明が強く出ているのも事実です。
ボルガタカジノも、フィルアイビーに騙された?
2014年4月、ニュージャージー州アトランティックシティのボルガタカジノも、バカラで騙されたと主張してフィルアイビーを訴えています。
ボルガタカジノは、ホテル口コミサイトでも評価の高いリゾートホテル&スパです。
そんな立派なホテルのカジノが提訴した内容も、フィルアイビーのエッジソーティングについてでした。
「騙された」と主張するボルガタカジノの意見は通るのか?注目を集めます。
この年、2年前に提訴されたクロックフォードの訴えが認められ、英国の裁判所はエッジソーティングを不正行為とみなしフィルアイビーへ判決を出しています。
どちらのカジノも、同じトランプを使用していた!
クロックフォードとボルガタいずれのカジノも、Gemaco(ジェマコ)によって製造されたトランプを使用していました。
ホテル側の主張は、フィルアイビーがエッジソーティングをした根拠として、Gemaco製トランプの不備を上げています。
このことは、ボルガタが、フィルアイビーとトランプ製造会社ジェマコの両方を訴えていることからも公にされた事実です。
フィルアイビーの上訴は却下された
2015年11月、フィルアイビーは上訴する許可を与えられました。
しかし、2016年と2017年の2回にわたって行われた控訴は、事実上の門前払いに。
英国最高裁判所は、フィルアイビーの「行為は不正であった」と判断し、上訴が却下されてしまったのです。
フィルアイビー、資産を回収される?
2019年1月、連邦裁判官はネバダで、フィルアイビーの資産を追求。
エッジソーティングを使用してカジノで獲得した$1,000万以上を回収しました。
同年、米国マーシャルサービスによって、フィルアイビーの2019年WSOPの賞金が差し押さえられたとか。
フィルアイビーの資産追及関連として、裁判所がフィルアイビーの口座を確認したら残高$0だったというエピソードも残っています。
和解
2020年カードプレーヤー誌が、フィルアイビーがボルガタ訴訟の和解に合意したと報じました。
知っていることを利用して勝つというのは、受験でも勝負でもアリな気がしますが、トランプの特徴を利用してカジノで勝つのはタブーのようですね。
そうは言っても、わずかな特徴の違いを見つけるスキルは、地球上でただ1人、フィルアイビーだけなのかもしれません。
フィルアイビーの私生活
カリフォルニア州リバーサイドで生まれたフィルアイビーは、3か月のとき家族とともにニュージャージー州ローゼルに引っ越しています。
ニュージャージー州でオールドブリッジ高校を卒業後、マーケティング会社に入社。
プロポーカーに転身後、ラスベガスに拠点を移しています。
それでは、フィルアイビーの私生活エピソードを3つ紹介。
フィルアイビーの私生活注目エピソード
・結婚生活は7年で、円満離婚?
・フィルアイビーはレイカーズファン
・慈善活動や会社設立もしている
続いて、それぞれのエピソードを簡潔に解説します。
フィルアイビーの結婚生活
2002年フィルアイビーは高校から付き合っていたルシアッタと結婚、2009年に離婚を求める共同請願を提出し許可されています。
ルシアッタとの結婚生活は、共同で願書を提出できるくらいスムーズに、約7年で終わったようです。
結婚初期、ポーカープロのバリー・グリーンスタイン邸を訪れたフィルアイビーが、「これが成功したポーカープレイヤーが住む家だ!」とルシアッタに言ったというエピソードが残っています。
フィルアイビーの趣味や好きなこと
フィルアイビーは、ロサンゼルスレイカーズ、ヒューストンロケッツ、バッファロービルズのファンです。
ポーカートーナメントや公式SNSで、ファンチームユニフォーム着用のフィルアイビーに出会うこともあります。
他に、ビデオゲーム・プロップベット・ゴルフなども嗜んでいるようです。
ワールドシリーズオブゴルフに参加したフィルアイビーが最終グループで4位になったという実績も残っています。
フィルアイビーの慈善活動
フィルアイビーは多くの慈善活動に資金を提供しています。
フィルアイビーの慈善活動に関するピックアップは、下記の3つ。
- BuddingIveyFoundationを設立
- Empowered 2 Excelへ$5万(約500万円)を寄付
- メイクアウィッシュ財団と提携
BuddingIveyFoundationは、フィルアイビーの祖父Leonard "Bud" Simmonsの活動を継続する非営利団体として、2008年に設立されました。
この財団は、2008年のチャリティポーカートーナメントで$26万(約3千万円)を調達しています。
調達した資金は、恵まれない子供たちのためのラスベガスの慈善団体Empowered 2 Excelへ寄付されたり、ホームレスの子どもたちへの識字プロジェクトに利用されているとか。
また、メイクアウィッシュ財団と提携して、ラスベガスのベラージオカジノに3人の子供を招待。
子どもたちは、与えられた100ドルでフィルアイビーとカジノゲームを楽しむという貴重な体験ができたようです。
フィルアイビーは2つの会社を設立
フィルアイビーは、IveyPokerとIveyLeagueという2つの会社を設立しています。
2012年設立のIveyPokerは、ユーザーがフィルアイビーや他のポーカープロと対戦できるポーカーアプリを提供。
続いて、2014年に設立のIveyLeagueは、プロポーカーから学べるポーカートレーニングサイトでした。
ただ、どちらも、2022年1月には新しい展開や活動はないようです。
アメリカのプロポーカーPhil Ivey(フィルアイビー)まとめ
引用元:@philivey
今回はフィルアイビーの生い立ちから、ポーカーの経歴と私生活まで紹介しました。
フィルアイビーのポーカーキャリア注目のエピソードを3つピックアップすると、
- WSOPで10つ、WPTで2つのブレスレット獲得
- 賞金総額、WSOPで$714万(約8億2千万円)、WPTで$442万(約5.1億円)
- 洞察力がスゴすぎて、エッジソーティング訴訟
といった、フィルアイビーの強さが目立つエピソードがたくさんありましたね。
賞金総額もスゴイ額になっていますが、フィルアイビーの純資産額は$1億(約110億円)あるとか。
高額ベットと大胆なブラフ、目をきょろきょろとフクロウのように動かす姿など、ファンを魅了するフィルアイビーのこれからのポーカープレイにも注目です!