テキサスホールデムにはポジションという概念があります。
ポジションの名前は略語で表されることも多く、ルールを覚えた初心者が困惑しやすい部分のひとつかもしれません。
しかし、ポジションには有利不利が存在し、アクションを大きく変える要素であることも事実。
ポジションを意識して戦うことなしにポーカーで勝つことはできないと言っても過言ではありません。
この記事では、ポーカーのポジションについて解説していきます。
- ポジションの名称
- ポジションの優位性
- ポジションとハンドレンジ関係性
是非最後まで読んでいただき、ポジションについて考えるきっかけになればと思います。
ポーカーのポジションって何?ルールと順番を解説
ポーカーのポジションは、アクションをする順番によって決められています。
ポーカーテーブルにはディーラーボタンがあり、各ハンド毎に時計回りで動きます。ブラインドを払うのはディーラーボタンの左隣の二人というルールです。
プリフロップのアクションはブラインドの左隣のプレイヤーから順番に時計回りです。ブラインドまでアクションしたらフロップが開きます。
そしてフロップ以降はディーラボタンの左隣のプレイヤーから順番に時計回りでアクションする、というのがポーカーのルールでした。
ポーカーのポジションとはアクションする順番に名前を付けたものなのです。
ポーカーのポジションの名前(呼び方)を解説
下の図はポジションの名前の一覧です。
ひとつずつ見ていきましょう。
SB/BB:スモールブラインド/ビッグブラインド
強制参加費を払わされる損なポジションです。
形式上ベットをしているため、プリフロップでは最後にアクション出来ます。
UTG:アンダーザガン
プリフロップで最初にアクションします。「銃を突きつけられるみたいにアクションを急かされる」というのが名前の由来です。
+1や+2はそれぞれUTGの次と、次の次のプレイヤーのことです。
BTN:ボタン
ディーラーボタンを持っているプレイヤーのことです。
ボタンにDEALERと書いてあるのは、ディーラーなしでポーカーを遊んでいた時代に、BTNがディーラーを兼任した名残だと言われています。
一般に最も有利だと言われるポジションです。
CO:カットオフ
BTNのひとつ前にアクションします。
ディーラー役を兼任するBTNがイカサマをしないように、山札を切り分ける(カットオフする)のがCOのプレイヤーだったと言われています。
BTNに次いで有利なポジションです。
LJ/HJ:ロージャック/ハイジャック
COの前にアクションする二人です。
6人テーブルではLJがUTGにあたります。
MP:ミドルポジション
名前通り真ん中のポジション。6人テーブルでプレーする際には省略されることが多いです。
MP1よりMP2のほうが後にアクションします。
また、これらのポジションは大きく分けて、4つに分類することができます。
- UTG~UTG+2はアーリーポジション(EP)
- MP1~HJはミドルポジション(MP)
- COとBTNはレイトポジション(LP)
- SBとBBはブラインド
ポーカーのポジションの優位性!順番が後のほうが有利な理由
ポーカーはポジションが遅い人ほど有利なゲームだとされています。
その理由を二つ紹介します。
後ろに控えている人数が少ないから
レイトポジションになればなるほど、後ろにアクションを控えているプレイヤーの人数が減ります。
後ろの人数が多いということは、それだけ誰かに強力な手が入っている可能性が高いということです。
例えば、LJのプレイヤーがオープンレイズをするとき、後ろには5人のプレイヤーが控えています。よって、LJは自分を含めた6人の中でいちばん強いと言える手で参加しなければなりません。
単純計算で、上位1/6のハンドでしょうか。エクイラボというアプリで調べてみると、上位1/6はこんなハンドレンジです。
しかし、BTNのプレイヤーがオープンレイズするとき、後ろに控えているのはブラインドの2人だけです。つまり、単純に上位1/3のハンドで参加できるのです。
▼上位1/3のハンドレンジ
後ろの人数が減るだけで、こんなにもハンドレンジが広くなり、攻めやすくなるのです。
ポストフロップで後攻できるから
遅いポジションのプレイヤーはポストフロップで後攻することができます。
先攻になるポジションのことをアウトオブポジション(OOP)、後攻になるポジションのことをインポジション(IP)と言い、IPになることをポジションがあると言います。
基本的に、ポーカーは後からアクション出来るほうが有利なゲームです。なぜなら、先攻のアクションから情報を得たうえでアクションを決められるからです。
OOPは相手の情報が少ない状態からアクションを決めなければならない上に、先にアクションすることで必然的にIPのプレイヤーに情報を与えてしまいます。
そのため、OOPは相手に与える情報に気を配りながらの窮屈なプレーを強要されてしまいます。
ポーカーのポジションごとの戦い方の違いを解説
あなたがどのポジションにいるかによって、プリフロップの戦略は大きく変化します。
ここでは、ポジションによって戦い方を変えるコツを2つ紹介します。
- ポジションが早いほどタイトにプレーする
- OOPになるようなコールを減らす
順番に見ていきましょう。
ポジションが早いほどタイトにプレーする
ポジションが早いときほど、タイトにプレーするべきです。
なぜなら、アーリーポジションは後ろに控えているプレイヤーが多く、ポジションも悪くなりやすいからです。
この二つの不利を考慮してもなお強いハンドで参加するようにしましょう。
ここからはGTOWizardというサイトの推奨レンジを使って、ポジションによってハンドレンジがどのように変化するのかを見てみましょう。
LJ(UTG)
参加するハンドは全体の17.5%くらいです。弱いハンドを混ぜているのは、ハンドレンジのバランスを保つためです。
HJ
参加するハンドは全体の21.2%になりました。KToやK7s、98sなどが増えています。
CO
参加するハンドは全体の28.3%まで上がりました。投機的なハンドがかなり追加されています。
BTN
参加するハンドは全体の43.5%です。IPが確定しているというだけで、プレーできるハンドは一気に増えます。
このように、アーリーポジションではタイトに、レイトポジションではルースにプレーすることが推奨されていることがわかります。
アーリーポジションのハンドレンジは強い
一般に、アーリーポジションのハンドレンジはとても強いものが多いです。
なぜなら、ポジションの不利と勝負する人数からくる不利の2つを考慮しても、なお強いと言えるハンドレンジで戦っているからです。
特に、アーリーポジション相手にキッカーの弱いAハイやKハイで勝負するのはご法度。
これらのハンドは大抵の場合、ドミネイトされていると考えられるからです。AやKをヒットさせても苦しい思いをしますし、大きな損失につながりかねないので降りてしまいましょう。
コールしたいなら、ドミネイトの心配が少ないスーテッドコネクターやミドルポケットなどの投機的なハンドでコールして、フロップで大きく絡まない限りは降りるくらいの割り切りが必要です。
参考までに、LJのレイズに直面したときのBTNの推奨アクションを紹介します。
フラッシュ狙いのスーテッドハンドや、セット狙いのポケットペアをコールに回しているのがわかります。
アウトオブポジションからのコールは減らす
あなたがアウトオブポジションになるかもしれないコールは減らすべきです。
誰かにポジションを取られていると、それだけでポストフロップで不利になりやすいです。
そして、インポジションが確定しているのはBTNだけです。
例えば、MPのレイズにあなたがCOでコールした場合、確かにMP相手にあなたはポジションを取ることができます。
しかし、BTNのプレイヤーにコールされると、途端にあなたはBTNにポジションを取られてしまいます。
こうなると、ハンドレンジで不利なMPとポジションで不利なBTNに挟まれて、とても戦いづらくなってしまいます。
最悪の場合、後ろにリレイズされて泣く泣く降りざるを得なくなることも。
よって、レーキやアンティの有無にもよりますが、BTN以外のポジションの時には3ベットorフォールドの2択で戦うのがおすすめです。
その最たる例はSBです。コールしたとき、最悪のポジションが確定してしまいますからね。
BBは例外!
あなたがBBの時だけは、アウトオブポジションでもコールすることが正当化されます。
理由は2つあります。ひとつは、すでにブラインドを支払っているからです。
例えば、2.5BBのレイズが入っていた場合、ブラインド以外のプレイヤーは2.5BBをコールしなければなりません。
しかし、BBの場合は、1.5BBの投資でフロップを見ることができます。その差はかなり大きなもので、BBのオッズはかなり良いと言えます。
もう1つの理由はコールすることで必ずフロップが見られるからです。
他のポジションの場合、レイズにコールしたとしても、後ろのプレイヤーからリレイズが入り降ろされてしまうかもしれません。
しかし、BBの場合アクションは最後ですから、その心配はありません。
下の図はCOのレイズに対するBBのハンドレンジです。
BBはかなり広いハンドレンジでコールできることを覚えておきましょう。
ちなみに、BBで弱い手をコールすることをブラインドを守る(ディフェンスする)ともいいます。
ポーカーはポジションを考えてプレーしよう
- ポジションとは、アクションの順番に名前を付けたもの
- アクションが遅い人ほど有利
- アーリーポジションからはタイトにプレーする
- ポジションのないコールは避けるべき
ポーカーの格言に「アクションが最後だというのは、水を飲むようなものだ」というものがあります。
言葉で表すのは難しくても、ポジションはそれくらい大事なものなのです。
ポジションを意識したポーカーができるようになれば、あなたのレベルは一段階アップしますよ!
今回利用したツール
今回利用したツールをまとめてみました。この記事でお見せした内容は、すべて無料で確認できます。
気になった方は是非ご自身で利用して、ポーカーを研究してみてくださいね!
エクイラボ▼
https://ja.pokerstrategy.com/poker-software-tools/equilab-holdem/
GTOWizard▼
https://gtowizard.jp/
※一部有料コンテンツを含みます