ポーカーのレーキは全てのポーカープレイヤーの悩みの種です。
レーキがあることが、ポーカーで利益を出し続けるのが難しい理由のひとつだと言っても過言ではありません。
弱いプレイヤーをテーブルから追いやり、平均より強いプレイヤーですら負かしてしまう様はまさにラスボスです。
この記事では、ポーカーのレーキについて解説します。
- ポーカーのレーキとは
- レーキの相場
- レーキによる戦略の変化
- レーキの負担を減らす方法
ぜひ最後まで読んでいただき、ポーカーのレーキについて理解して、戦略に活かしてください!
ポーカーのレーキとは?用語の意味を解説!
ポーカーのレーキ(Rake)とは、プレイヤーがカジノに支払う場代のことです。
ポーカーがバカラやブラックジャックと決定的に違うところは、他のお客さんと戦う対人ゲームであるところ。
カジノと戦うサイドギャンブルであれば、レーキなど取らずともカジノが勝てるギャンブルを提供すればいいだけですが、ポーカーの場合そうはいきません。
そこで、カジノはレーキを取ることによって、ポーカーゲームの収入源にしています。
カジノにとってレーキが、ポーカーを運営することで得られる利益となっているのです。
ポーカーのレーキはどうやって払うの?
ポーカーのレーキの払い方は大きく分けて二つです。
- ポットレーキ
- タイムレーキ
また、トーナメントの際のレーキの扱いについても触れていきます。
ポットレーキ
ポットレーキは一般的なレーキの取り方で、獲得したポットから一定割合のレーキを徴収する方法です。
大体2.5%~10%くらいが相場だと言われています。
オンラインポーカーサイトではポットレーキを採用しているところが多く、ライブカジノでもローステークスではこの方法を徴収されることが多いです。
カジノやサイト間でもプリフロップでのレーキの扱いはまちまちです。
プリフロップで終わった場合はレーキを取らないところ、プリフロップから取るところ、3ベットが入ったときにはレーキが発生するなんてケースもあります。
レーキの表記方法の見方
レーキはよく「〇%△キャップ」のような表記をされます。
〇%とは、ポットに対して取られるレーキの割合です。
キャップとは、徴収するレーキの上限額のことです。
いくらポットが大きくなっても、上限額以上のレーキが取られることはありません。
例えば、5%3BBキャップのゲームで60BB以上のポットになっても、徴収されるのは3BBだけです。
タイムレーキ
タイムレーキとは、時間に応じて場代を支払う方法です。
大抵はディーラーの交代に合わせて徴収され、その間隔は30分~1時間程度。
主に$5/$10以上の高めのレートの卓で見られます。
トーナメントの場合
トーナメントの場合、バイイン額にレーキが含まれています。
バイイン額から運営費を徴収し、残りの額を賞金の支払いに充てる仕組みになっています。
そのため、トーナメントでやり取りされるチップをレーキとして取られることはありません。
トーナメントのポーカーは完全なる零和ゲームであり、戦略にも変化が見られます。
レーキの相場ってどれくらい?KKPOKER・GGPoker・PokerStarsのレーキを比較!
ここでは、オンラインポーカーのレーキを比較していきます。
以下の3つの主要サイトに焦点を当てて、レーキをまとめてみました。
- KKPOKER
- GGPoker
- PokerStars
なお今回紹介するのは、ホールデムと、ホールデムのファスト・フォールド卓に限ります。
オマハや6+、AOFなど、その他のルールは公式サイトを確認してみてください。
KKPOKERのレーキ
KKPOKERのレーキは次のようになっています。
NLH/FLASH
ステークス | レーキ(%) | キャップ(BB) |
$0.1/$0.2~$1/$2 | 5 | 3 |
$2/$4~$3/$6 | 5 | 2 |
$5/$10~$10/$20 | 5 | 1 |
高いステークスだとキャップが小さくなり、プレイヤーに有利になります。
KKPOKERでは、5BB以上のポットにレーキが発生する仕様であることから、2.2BBオープンが流行っているのだとか。
こうすることで、BBにコールされてもポットは4.9BBとなり、レーキを発生させずに済みます。
とはいえ、スチールの成功率が下がってしまうため、利益的かと言われれば難しいところですね。
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GGPokerのレーキ
GGPokerのレーキは次のようになっています。
プリフロップで終了した場合はレーキは支払わずに済みます。
Hold’em
VIPゲームは省き、$5/$10までのゲームを紹介します。
ステークス | レーキ(%) | 2~3人のキャップ(BB) | 4人以上のキャップ(BB) |
$0.01/$0.02~$0.05/$0.1 | 5 | 5 | 10 |
$0.10/$0.25~$0.25/$0.5 | 5 | 4 | 8 |
$0.5/$1 | 5 | 2.5 | 5 |
$1/$2 | 5 | 1.5 | 3 |
$2/$5 | 5 | 0.8 | 1.6 |
$5/$10 | 5 | 0.5 | 1 |
ポストフロップに参加していた人数でキャップが変わります。
マルチウェイだと沢山レーキを取られてしまうので注意です。
Rush&Cash
全てのステークス($0.01/$0.02~$1/$2)で一律5%の3BBキャップです。
50NLまでのステークスを打ちたいなら、Rush&Cashのほうが条件は良さそうですね!
一方で、30BB以上のポットになったとき、1BBを追加で徴収されてしまいます。
この徴収分はCASHDROPという要素でプレイヤーに還元されています。所謂ジャックポットレーキと言われるものです。
PokerStarsのレーキ
PokerStarsのレーキは次のようになっています。
フロップが開かなかった場合、レーキは発生しません。
NLH/Zoom
ステークス | レーキ(%) | 2人のキャップ(BB) | 3~4人のキャップ(BB) | 5人以上のキャップ(BB) |
$0.01/$0.02 | 3.5 | 15 | 15 | 15 |
$0.02/$0.05 | 4.15 | 10 | 10 | 20 |
$0.05/$0.1 | 4.5 | 5 | 10 | 15 |
$0.1/$0.25 | 4.5 | 2 | 4 | 8 |
$0.25/$0.5 | 5 | 1.5 | 1.5 | 4 |
$0.5/$1 | 5 | 1 | 1 | 2.5 |
$1/$2 | 5 | 0.625 | 0.625 | 1.375 |
$2.5/$5 | 5 | 0.3 | 0.3 | 0.6 |
$3/$6 | 5 | 0.25 | 0.25 | 0.583 |
PokerStarsでは、GGPokerのホールデムと同様、ポストフロップの参加人数によってレーキが変化します。
また100NL以上のレートでキャップが小さいのが特徴です。
一方で、マイクロステークスのキャップはかなり高く、レーキの額面以上の壁があります。
ライブカジノだともう少し高くなる
一般に、ライブカジノだとレーキは高くなる傾向にあります。10%程度取られるものだと思っていいかもしれませんね。
とはいえ、同じ10%でもキャップの額によって勝ちやすさに差が出てくるので、事前にレーキについてチェックしておきましょう。
また、レーキとは違いますが、チップ文化の国(アメリカなど)ではポットを獲得した際、ディーラーにチップを渡す風習があり、レーキ以上にお金が掛かることがあります。
そういうものなので、勿体ないと思ってもケチらずあげるようにしましょう。
ポーカーのレーキがプレーに与える影響を解説!
ここからはポーカーのレーキがプレーに与える影響を解説していきます。
レーキの影響はポーカーの期待値を全体的に引き下げてしまうものです。
これにより、プレーにどのような影響をもたらすのか考えてみましょう。
これからお話しするのはプレーの基本方針であり、対戦相手に応じてプレーを変更するのは、もちろんOKです。
ハンドの期待値が低くなる
レーキが存在することで、ハンドの期待値は低くなります。
得られる額がレーキ分差し引かれ、失う額が変わらないのですから、当然の話です。
また、キャップが存在するゲームでは、大きいポットを一度に獲得したほうが得になりやすいです。
ポットが一定以上大きくなると、徴収されるレーキは変わらなくなるため、小さなポットを複数取るよりも、支払うレーキの額を抑えることができます。
ただし、これはポットレーキの話で、タイムレーキの場合は考えなくて大丈夫です。
参加するハンドが狭くなる
レーキが高くなればなるほど、参加できるハンドが狭まります。
レーキが取られないならプラスになるハンドでも、レーキを加味するとマイナスになるハンドがいくつも存在するからです。
オンラインプレイヤーの方がレーキの高いライブポーカーに挑戦する場合、普段のハンドレンジを少しだけ狭めてプレーするといいでしょう。
具体的には、AXsやスーテッドコネクター、ローポケットなどを削ることになると思われます。
その際、オープン額を大きめにするのもオススメです。一度に大きなポットを取りたいですからね。
プリフロップでコールできるハンドが狭くなる
レーキが高くなることにより、プリフロップでコールできるハンドも少なくなります。
特に、BBやBTN以外からの安易なセットマインは控えたほうがいいかもしれません。
ただでさえ引けないものが、レーキの影響で引けたときの利益も損なわれていますからね。
また、プリフロップで終わればレーキがかからないゲームの場合、ライト3ベットを多用して、相手を降ろしていくのも有力な選択肢です。
ポットを大きくして戦うことができ、ハンドが絡んだ時のレーキ負担を軽減できる可能性が高まるからです。
レーキがポストフロップに与える影響
ここからは、レーキがポストフロップに与える影響をソルバーを使いながら考えてみましょう。
【問題】
COのプレイヤーが3BBにレイズし、BBがコールしました。
フロップ(Pot:6.5BB)
A♣J♦6♠
BBがチェックしたときのCOの戦略は、レーキによってどう変わるでしょうか?
【COのレンジ想定】
【BBのレンジ想定】
5%3BBキャップの戦略
ベットサイズは33%ポットと75%ポットを用意しました。
ピンク色の33%ベット戦略を弱いトップペアやJヒット、バックドア系ハンドで用いていることが分かります。
10%3BBキャップの戦略
次に、レーキを増やして10%3BBキャップの戦略を見てみましょう。
本当はレーキに合わせてスターティングレンジを変えるべきですが、対照実験ということで同じハンドレンジに設定します。
ベット戦略ががらりと変わり、75%ベットばかり使うようになりました!
半端な手でCBを打つのはやめ、チェックに回している一方、バックドア系のブラフベットサイズが大きくなっています。
また、ハンドレンジ全体の期待値が0.3下がっており、レーキの増加がプレイヤーにとって損なのがよく分かります。
5%10BBキャップの戦略
結果は次のようになります。
結論から言うと、33%ポットのCBを少しだけ多く使うようになります。
上限に到達しにくいならいっそ、安いベットを多用しようということなのでしょうか?
また、ハンドレンジ全体のEVは4.16とレーキを上げた時ほどEVにロスが見られませんでした。
ポーカーでレーキ負けしないためには?
ここからは、ポーカーでレーキ負けしないためにするべき工夫について紹介します。
まず、レーキを考えることの重要性に触れてから、実際にできることを2つ挙げます。
レーキはポーカーのラスボス的存在
2.5~10%程度のレーキは一見大したことないように見えますが、実際は見かけの割合以上の負担になります。
なぜなら、ポーカーで取れるポットというのは、すべてが純利益ではないからです。
例えばヘッズアップで取ったポットなら、大体半分は自分が投じたチップが戻ってきただけで、純利益になっているのはポットの半分だけです。
よって、純利益を考えるとレーキの負担は大体2倍近くになると考えられます。
さらに言えば、ポーカーは勝ったり負けたりしながら少しだけ勝てるようなゲームです。
その小さな勝ち分からレーキのすべてを払うとなると、最終的なレーキの負担はさらに重たくなります。
実際の例
実際レーキによってどれだけ利益が差し引かれているのか、例をお見せしましょう。
下の図は、筆者がGGPokerのRush&Cash($0.02/$0.05)で750ハンドほど打った時の成績です。$8.4ほど勝っています。
しかしPokerCraftというポータルサイトで見ることができるこの成績は、実はレーキを考慮しない対人収支です。
そこで、ハンド履歴をDLして、Hold'em Manager3に読み込ませてみましょう。その時の収支グラフがこちらです。
実利益は$5.64となり、$8.4から$2.76のレーキを払っていることが分かります。
5%3BBキャップのレーキがあるだけで、勝ち額の約32.9%をカジノに持っていかれてしまっているのです!
レーキの影響というのは絶大で、人に勝ててもレーキに負けてしまうのがポーカーの現実です。
よってポーカーで稼ぎたいなら、いかにレーキの負担を軽減できるかも重要になります。
レーキの安いサイトやカジノを選ぶ
カジノを選ぶなら、最初に見るべきはレーキでしょう。
当然レーキが安ければ安いほど、ポーカーでレーキ以上に勝ち越しやすくなります。
また、同じカジノやサイトでも、高いレートになるとレーキが安くなる場合もあります。
一方で、レーキの安い場所には強いプレイヤーが集まりやすく、テーブルが辛くなる可能性は否めません。
「レーキは高いけれど、テーブルは美味しい」というケースも存在するので、ポーカーで勝ちたいなら、事前の調査は欠かせません。
レーキバックを活用する
レーキの負担を軽減するために、レーキバックを活用してみましょう。
オンラインポーカーサイトには、レーキバックシステムが存在する場合があります。
例えば、GGPokerやNatural8にはFish Buffetというレーキバックプログラムがあります。
KKPOKERなら、レーキバックを提供しているクラブに加入することで、レーキバックを受けることができます。
単純に、支払ったレーキの一部が返ってくるため、レーキの負担を大きく減らすことが可能です。
また、ライブポーカーであれば、カジノの会員カードを作っておくのがオススメ。
会員カードを作れば、ホテルの宿泊サービスを受けられたり、フードコンプを使用することにより、食費を浮かせたりできます。
滞在中の出費を軽減できるため、海外遠征で勝って帰れる可能性が上がります。
ポーカーで勝ちたいならレーキも意識するべき
- レーキとは、カジノが徴収する場代のこと
- レーキの多寡で戦略が変化する
- レーキの負担を減らすことも勝つために必要
ポーカーのレーキは安いに越したことはありません。
また、KKPOKERで高いレーキバックを得られるクラブを選んだり、GGPokerでコンスタントにキャッシュバックを獲得できるようにすることも勝利への近道です。
テーブルの良さとレーキを天秤にかけて立ち回るようにしましょう。