ポーカーで負けが込むと、熱くなってさらに負けてと負の連鎖に陥りやすいです。そんな時、もしかしたら、あなたはティルトしてしまっているかもしれません。
この記事では、ポーカーのティルトについて解説していきます。
- ポーカーのティルトとは何か
- ティルトしないための心構え
- ティルトした相手に対する戦術
ティルトしない心構えのほか、ティルトした相手をエクスプロイトする方法についてもまとめています。
ぜひ最後まで読んでいただき、ポーカーのティルトについて知っていただけたらと思います。
Roche
- ゲーマー大学院生
- ポーカー/麻雀/FPS
- JOPT出場経験あり
Contents
ポーカーのティルトとは?用語の意味を解説!
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- tilt(ティルト)
何らかの心理的要因によって正常な判断ができなくなっている状態のこと。元々は「傾く」という意味で、何かの原因にプレーが崩されているイメージ。
- tilt(ティルト)
一般的にティルトしてしまうと、非常に負けやすくなってしまうため、避けるべきものだとされています。
- 大きなポットを落とす
- マネープレッシャーを感じる
- 集中力の欠如
ちなみにポーカーだけでなく、FPSなどの対戦ゲームでも似たような使われ方をしています。
嫌なことがあると、トロール(迷惑行為)してしまったり、無理な勝負をしすぎてしまう人が対人ゲームでは時々見られます。
ポーカーのティルトは2種類に分類できる!
ポーカーにおけるティルトを分類すると大きく2つのタイプに分けられます。
- アグレッシブ型
- パッシブ型
自分がどちらのティルトに分類されているか意識してみましょう。
それぞれ、次のような特徴があります。
ポーカーのティルトの分類①
アグレッシブ型
アグレッシブ型のティルトは、ハンドレンジが極端に広くなり、攻撃的になってしまうタイプです。
大きなポットを取られたプレイヤーなど嫌な目に遭わされた人に、執拗に絡み行くタイプもいます。
アグレッシブ型のティルトになってしまったプレイヤーは、負けた額を取り戻そうと、弱い手で参加したり、無理なブラフをしてしまいがちです。
そのため大きく負けやすく、危険な状態だと言えます。
ポーカーのティルトの分類②
パッシブ型
パッシブ型のティルトは、アグレッシブ型とは逆に、ハンドレンジが狭くなり、プレーが消極的になったりしてしまうタイプです。
大きなポットを落としたり、マネープレッシャーを感じたりするなどして、プレーするのに怯えている状態です。
アグレッシブ型とは違い、大負けする可能性は低いですが、これもれっきとしたティルトだと言えるでしょう。
取れたはずのポットが取れなかったり、取れたポットが小さくなったりするので、じりじりと負けてしまうことが多いです。
ポーカーでティルトしないためには?4つの予防策を解説!
この章では、ポーカーでティルトしないために意識してほしい4つの心構えを紹介します。
- ティルトは誰にでも起こり得ると知る
- 自分のパフォーマンスを把握しておく
- バットビートは当たり前
- 負けが込んだ時にはプレーをやめる
それでは、それぞれ詳しく解説していきます。
ポーカーのティルトの予防策①
ティルトは誰にでも起こり得るもの
ティルトは誰にでも起こり得るものです。それがたとえプロ級に上手いプレイヤーだとしても。
あなたが人間である以上、何らかの原因で心が揺らぐことは避けられないのだと知りましょう。
本当はティルトしているのに、「ティルトしていない」と思い込んでバンクロールを溶かしてしまいかねないです。
ポーカーとは、常にティルトの危険と隣り合わせのゲームなのです。
世界で有名なトッププロのPhil Hellmuth(フィルヘルムス)さんも、ティルトすることで有名です。
引用元:HCL Poker Clips
ポーカーのティルトの予防策②
自分のパフォーマンスを把握しておこう
自分のパフォーマンスを客観的に判断することがティルトの防止に役立ちます。
ポーカーのパフォーマンスを測る指標として、自分のパフォーマンスを下図のような4つに分類してみましょう。
名称 | パフォーマンス |
---|---|
Aゲーム | 自分の実力を最大限に発揮できている状態 |
Bゲーム | ベストではない、まあまあな状態 |
Cゲーム | 調子の悪い状態。ティルトしやすい |
ティルト | ティルトしている最悪の状態 |
ミスが少なく打てているなら、負けていてもAゲームですし、Cゲームでもツイていれば勝てることもあります。
これを踏まえたうえで、ポーカーで勝つためには、もちろんAゲームを長くプレーできることに越したことはありません。
逆に、Cゲームを打っていると、いわゆる「脳死プレー」が増えてしまいます。相手に合わせたプレーができず、なんとなくのプレーをしてしまいがちです。
こうなれば、当然負けやすく、ティルトにも陥りやすいです。
集中力の欠如、マネープレッシャー、大きなポットを落とした...。などの理由でCゲームを打ってしまうこともあるでしょう。
そんな時、自分のパフォーマンスを客観的に判断することが出来れば、ティルト防止に役に立ちます。
ポーカーのティルトの予防策③
バットビートはあって当たり前
バットビートはあって当たり前のものであるという認識を持っておきましょう。
こんなことは日常茶飯事です。
運が悪ければ、それらが連続することも珍しくありません。
きっとあなたもラッキーして勝った経験があるはずです。ということは、逆に不運で負けてしまうことだってあるはずですよね?
運勝ち、運負けは、お互い様です!
このような認識を持つために、ポーカーの確率を知っておくのも良いことです。
例えば、AAはプリフロップ時点でランダムハンドに対して、84.93%の勝率があり、14.52%は負け、0.27%の確率で引き分けます。
となるとAAがランダムハンドに2回連続で負ける確率は2.1%くらいです。
このように、ポーカーの様々な確率を知っておけば、バットビートを受けても落ち着いていられるかもしれませんね!
ポーカーのティルトの予防策④
負けが込んだらやめて頭を冷やそう
負けが込んできたら、プレーを一時中断して、頭を冷やしましょう。このままプレーしたとしても、負けを取り戻せる可能性は高くありません。
確かに、負けていると熱くなって、やめくくなりがちなのも事実。そんな時には、「損切りライン」を決めておくのがおすすめです。
「○○BB負けたらやめる」
「今のチップがすべてなくなったらやめる」
など、あらかじめヤメ時の基準を作っておくと、損失を抑えやすくなります。
爆勝ちしたときも同様!
逆に、ポーカーでいつもより勝ってしまった場合も、プレーを区切って休んでもいいかもしれません。
なぜなら、調子に乗っていつもより緩くプレーしすぎたり、逆に勝った額を守ろうとしてタイトになりすぎたりすることが考えられるからです。
ティルトしたプレイヤーに出くわしたときは?対処法を解説!
この章では、相手がティルトしている場合に、どのように対処するべきなのか解説していきます。
相手はいわば状態異常です。ティルトしている相手がテーブルを離れるまで、チップをむしり取ってやりましょう。
一方で、相手のプレースタイルに気を付けないと、痛手を負う可能性もあります。
ここでは、前述した2種類のティルトプレイヤーにそれぞれ有効な対処法を紹介します。。
ティルトした相手への対処法
【アグレッシブ型の場合】
- 投機的ハンドをハンドレンジに加える
- ブラフキャッチ頻度を増やす
- 強い時はスロープレーして打たせる
- ブラフは控えめバリューベットを厚めに
アグレッシブ型の特徴は、極端に広いハンドレンジと、極端に高いベット頻度です。
その程度は人それぞれで、一概には言えないですが、プリフロップとベット頻度においてミスをしやすいことは共通しています。
アグレッシブ型のプリフロップは広いため、こちらも少しハンドレンジを広げてプレーすることが出来ます。
相手はアグレッシブで、引いていようといまいとベットしてくることが予想されるので、引いた時に、苦しい思いをしないようなハンドを選びたいところです。
また、相手のベット頻度が高いため、必然的に相手のハンドレンジにブラフハンドが増加します。
さらに言えば、相手は放っておけばベットしてくるでしょうから、ミス待ちのスロープレーも刺さりそう。
こちらから打ちたい場合は、ブラフ頻度を小さくし、バリューベットの額を大きくすると、稼ぎやすいと考えられます。
ティルトした相手への対処法
【パッシブ型の場合】
- ブラフを駆使してガンガン攻めよう
- ブラフキャッチは控えよう
- 相手のハンドレンジを固めに見積もろう
パッシブ型の特徴は、狭すぎるハンドレンジと、小さすぎるベット、コール頻度です。
3betはよっぽど手が強くないとしてこないでしょう。AKやJJをコール止めする人もいそうです。
ということは、コールレンジも相当強いと仮定して良さそうです。
また、ブラフの頻度が低いので、ベットをする手はかなり強いと見積もっておきましょう。
一方で、通常より降りてくれるハンドが多いため、ブラフが有効になります。
ブラフレイズを打てない相手だと考えられ、CBは特に効きやすい相手です。
アグレッシブ型よりは大きく稼げる相手ではありませんが、ブラフを駆使することで、エッジが出せると思われます。
ポーカーではティルトとうまく付き合うようにしよう!
ポーカーはメンタルのゲームだと言っても過言ではありません。
負けたとしてもなるべく平常心で、期待値を意識してプレーするようにしましょう。