ポーカーにおけるストラドルは主に、キャッシュゲームで見られるオプションの1つです。
KKPoker、GGPoker系列サイトのキャッシュゲームではストラドルが認められており、ライブキャッシュを打たない方であっても見かける機会があるでしょう。
この記事では、ポーカーのストラドルの紹介と、ストラドルがテーブルに起こす変化、メリットとデメリットを解説していきます。
- ポーカーのストラドルとは
- ストラドルがテーブルに起こす変化
- ストラドルのメリットとデメリット
- ストラドルへの対応方法
ストラドルへの対応方法も紹介しますので、ぜひ最後まで読んで、ストラドルについて知っていただけると幸いです。
Roche
- ゲーマー大学院生
- ポーカー/麻雀/FPS
- JOPT出場経験あり
Contents
ポーカーのストラドルとは?用語の意味を解説!
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- ストラドル
ブラインド以外のポジションの人がBBの2倍以上のチップを置いてブラインドベットするオプションのこと。ストラドルをした人のポジションはSTRと略されます。
- ストラドル
ストラドルに対してストラドルが入ることもあり、これをリストラドルと呼びます。
ストラドルした人は、プリフロップで最後にアクションすることができます。なぜなら、ブラインドに対しハンドを見ずにレイズしたという扱いになるからです。
ストラドルしたい場合、ハンドが配られる前のブラインドをポストするタイミングでストラドルを宣言し、チップを置けばOK。
オンラインの場合は「ストラドル」のオプションボタンが出ます。▼
カジノによって、ストラドルの扱いやルールはまちまちなので、ストラドルしたい場合は事前に確認するようにしましょう。
ポーカーのストラドルには2種類ある!
ストラドルできることが多いポジションは、UTGとBTNの2つです。
- UTGストラドル
- ボタンストラドル(ミシシッピ)
それぞれ順番に見ていきましょう。
ポーカーのストラドルの種類①
UTGストラドル
UTGによるストラドルが最も一般的なストラドルで、多くのカジノではUTGによるストラドルのみ認められています。
ストラドルは基本的には任意のオプションですが、必ずストラドルしなければならない「マストストラドル」という取り決めがなされたテーブルも時々見られます。
ポーカーのストラドルの種類②
BTNストラドル
BTNからストラドルが入ることもあり、別名「ミシシッピストラドル」と呼ばれます。カジノによっては、認められていないことも多いオプションです。
ホームゲームでポーカーを遊ぶ場合は、BTNストラドルを認めるかどうか、あらかじめ決めておくといいでしょう。
BTNという最良のポジションでプレーできることから、他のポジションからレイズが入っても広くコールしやすいです。
また、BTNで大きなポットをプレーできるので、好んでBTNストラドルをするプレイヤーもいるようです。
ポーカーでストラドルが入るとどうなる?ストラドルがもたらす2つの変化を解説!
ストラドルが入ったテーブルがどのようになるのかを解説していきます。
ストラドルでブラインドが1つ増えたことにより、主に2つの変化が起こります。1つずつ見ていきましょう。
ポーカーのストラドルが起こす変化①
ポットが動きやすくなる
なぜなら、ストラドルが入ったテーブルでは、レイズがBBではなく、ストラドル基準で行われるようになるからです。
例えば、あなたが3BB相当のオープンレイズをストラドルテーブルで行いたい場合、ストラドルの3倍のレイズを行うことになります。
ストラドルが2BBだったとして、レイズだけでも6BBかかるわけです。
プリフロップでのレイズが大きくなるということは、ポストフロップでのポットの動きも同様に大きくなります。
このように実質レートが上がり、ポットが動きやすくなることがストラドルの特徴であり、多くの人がストラドルする理由だと言えます。
ポーカーのストラドルが起こす変化②
プレーするハンドが変わる
ストラドルによってプレーするハンドが変化します。
これは、SPRが小さくなるからだと説明できます。
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- SPR(Stack to Pot Ratio)
有効スタックとポットの比のことを指します。
- SPR(Stack to Pot Ratio)
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- 有効スタック(Effective Stack)
そのハンドで勝ち負けしうる最大のスタックのことで、ポットに参加しているプレイヤーのスタックの中で一番小さいものにあたります。
- 有効スタック(Effective Stack)
例えば、全員が100BB持ちでキャッシュゲームを打っていたとします。
COの3BBのレイズにBBだけがコールしたときのポットは3+3+0.5 = 6.5(BB)です。
有効スタックは、3BBをレイズしたので残り97BBです。この時、フロップにおけるSPRは97÷6.5 ≃14.92となります。
しかし、ストラドルが入ったときは、COが6BB(3STR)のレイズをし、ストラドルがコールしたとすると、ポットは6+6+1+0.5=13.5(BB)です。
有効スタックは、94BBですから、フロップのSPRは94÷13.5 ≃6.96となり、先ほどと比べてSPRが半減していることがわかります。
このように、ストラドルが入ったときには、SPRの変化から参加しやすいハンドも変化するのです。
一般に、SPRが大きくなればなるほど投機的なハンドをプレーしやすくなります。なぜなら、強い手を引いた時に取れるチップがたくさんあるからです。
一方で、SPRが小さくなると投機的なハンドはプレーしづらくなり、逆にペアやハイカードの価値が上がると言われています。
UTGストラドルが入ったときにはタイトに!
UTGからのストラドルが入ったときにはタイトにプレーするべきです。
前述したように、ストラドルが入り、SPRが下がると投機的なハンドの価値が下がります。
セットをツモっても、フラッシュやストレートを引いても十分なインプライドオッズを得られず、見合うリターンがないからです。
そのため、ストラドルテーブルではハンドを絞り、ハイカードやハイポケットペアで参加することが賢明です。
BTNストラドルの時は話が変わる!
BTNストラドルでSBやBBがフォールドしている場合、デッドマネーが増えてスチールの価値が特に高まります。
あなたがHJやCOにいるならスチールを狙ってルースにレイズすることも正当化されるでしょう。
ただ、BTNはポジションがあることや、「わざわざストラドルを払ったのに勿体ない!」という感情的な理由があることから、なかなか降りてくれません。
少なくとも、BBがディフェンスするよりも広くコールされてしまうでしょう。
そのため、スチールを狙うなら大きめにレイズしたほうが上手くいきやすいです。
ポーカーのストラドルの2つのデメリット!ダメと言われる理由を解説!
一般的に、ストラドルは損なプレーとされています。ここでは理由を2つ紹介します。
- ブラインドベットは損
- 他のプレイヤーに得をさせてしまう
それぞれ順番に見ていきましょう。
ポーカーのストラドルのデメリット①
そもそもブラインドベットが損だから
プリフロップのアクションが最後になるという恩恵は、ストラドルを払ってまで受けるべきものではありません。
ブラインドは本来、強制ベットをさせられる不利なポジションのはずです。それはプリフロップで最後にアクション出来るBBであっても同様です。
たとえポジションを確保できるBTNストラドルであっても、ストラドルは損なプレーだと言えます。
ポーカーのストラドルのデメリット②
他のプレイヤーに得させてしまうから
ポーカーは(レーキを除けば)零和ゲームですから、あなたが損をするということは、当然誰かが得をすることになります。
他のプレイヤーからしたら、ストラドルはポットにお金を落としてくれることに他なりません。つまり、ストラドルの存在はスチールの価値を高め、相手に良いオッズを与えてしまいます。
さらに言えば、他のプレイヤーは「レートの上昇」という恩恵にタダ乗りできてしまいます。他のプレイヤーに手が入っていたならば、大得させてしまうことに繋がるでしょう。
特にプレミアムハンドはストラドルが入っていたほうがプレーが簡単ですから、AAやKKを持っている人からすれば大助かりです。
ポーカーのストラドルはメリットもある!ストラドルが利益的になるタイミング!
一般的には損と言われているストラドルにも有効利用する余地は残されています。
ここでは、ストラドルが利益的になる3つのタイミングを紹介します。
- パッシブなプレイヤーが多い
- 相手が弱くディープ
- 保守的なプレイヤーが多い
それぞれ順番に見ていきましょう。
ストラドルが利益的になるタイミング①
パッシブなプレイヤーが多いとき
特に、ポットが大きくなるのを恐れてストラドルにコールしてくれるプレイヤーがいるなら狙い目。
この手のパッシブなプレイヤーがいる場合は、アグレッシブにプレーすることでストラドラーがポットを獲得できるチャンスが高まります。
また、パッシブな相手にストラドルするなら、スクイーズを狙ってみるのもおすすめです。成功すれば、BBのスクイーズ以上の利益を上げられるでしょう。
$5/10のテーブルでストラドルをしたところ、BBがコールで回ってきました。
僕はここで$100に大きめにレイズしました。
理由は、コールされてもインポジションでA♦10♣だし、ここでポットを取れるのが1番利益的だと感じたからです。
結果、見事相手を降ろしてプリフロップで$25の利益を獲得することができました。
ストラドルが利益的になるタイミング②
相手が全体的に弱く、なおかつディープスタックの時
相手が格下なら、当然レートを上げて最大効率で稼ぎたいところ。マストストラドルの取り決めができたら言うことはありません。
さらに、弱い相手であればストラドルに対して適切な対応をしてこない可能性が高く、搾取しやすいと考えられます。
ただし、SPRが低下すると一般にスキルエッジが小さくなると言われています。よってストラドルをしても、なお十分なSPRが確保できる状況であることが前提です。
ちなみに、SPRを低下させて格上相手に実力差を誤魔化したい場合、ストラドルはおすすめできません。テーブルに持ち込むお金を少なくすればそれで済みますからね!
ストラドルが利益的になるタイミング③
保守的なプレイヤーが多いとき
ストラドルはいわばレートを引き上げる行為です。ストラドルが入ると、いつも以上にポットが動くようになるため、中にはマネープレッシャーを感じる人も出てくるでしょう。
マネープレッシャーを感じたプレイヤーは、ハンドレンジがガチガチになったり、オーバーフォールドが増えたりとプレーのバランスを崩してしまいがちです。
逆に、あなたがストラドルを受けてマネープレッシャーを感じるようなら、プレーをやめることも考えるべきです。
$5/10のテーブルでストラドルをしたところ、SBから2.5BBのレイズが入り、回ってきました。
6♠2♠は「フォールド」「コール」「レイズ(3bet)」とどのアクションも取れるハンドでしょう。
僕はメタ読み(この相手俺のストラドルずっと狙っている)もあり、3betを返しました。
読みは当たり、見事相手は降りて$65の利益を得ることができました。
【まとめ】ポーカーのストラドルはしないのがおすすめ
ポーカーのストラドルについて解説してきました。
- ストラドルはブラインドベットの1種
- プリフロで最後にアクション出来る
- 実質レートが上がり、プレーも変化する
- 損だがメリットが大きいならアリ
マストストラドルでないのなら、基本的にはストラドルはしないのがおすすめです。
紹介したメリットも、すべて「格下相手に利益を最大化できる」という内容ですから、よほど腕に自信がない限り、ストラドルが得になることは無いでしょう。
一方で、ストラドルによるテーブルの変化を知っておけば、ストラドルに適切な対応ができるため、ストラドルそのものについて、知っておくことは大切です。
もしも自発的にストラドルするとすれば、大きなポットを楽しむためとか、場を盛り上げたいからなど、利益以外の目的で行うことになります。
もちろん、そういった目的でストラドルするのは自由です。楽しむことに重きを置くのも、ポーカーの遊び方のひとつですよ!