ポーカーのVPIPは、自分や相手を知るうえで、非常に重要な指標の1つです。
特にオンラインでポーカーが上手な人の中では、この指標を気にしない人はいないと言っても過言でありません。
この記事では、VPIPをはじめとしたポーカーのスタッツについて解説していきます。
- ポーカーのVPIPについて
- VPIPから相手に対応する方法
- VPIP以外のスタッツの意味
ぜひ最後まで読んでいただき、スタッツの意味や生かし方を知っていただけたらと思います。
Roche
- ゲーマー大学院生
- ポーカー/麻雀/FPS
- JOPT出場経験あり
Contents
ポーカーのVPIPって何?用語の意味と適正値を解説!
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- VPIP(Voluntarily Put chips In Pot)
自分からポットにチップを入れた割合、つまりゲームへの参加率を表した指標のこと。
- VPIP(Voluntarily Put chips In Pot)
例えば、VPIP25%の人がいた場合、75%をフォールドし、残りの25%をレイズやコールをして参加したことになります。
ただし、自分からポットに入れていないブラインドでフォールドしたり、ウォークで終わったりした場合はゲームに参加したとみなされません。BBまでリンプで回ってきたときに、オプションチェックをしたBBも同様です。
VPIPの適正値はどれくらい?
6人テーブルにおけるVPIPの適正値は18%から多くて30%くらいです。9人テーブルの場合は適正値はもう少し下がります。
VPIPから自分のプレーを見直す場合、大体VPIP20%前後を目指してプレーすると上手くいきやすいでしょう。
上手なオンラインプレイヤーの場合、ブラフでエッジを出すことから、VPIPは少し高めの25%くらいになっている印象です。
逆に、レーキの影響が大きいライブキャッシュなどのフィールドでは、VPIPを少し小さく保つといいでしょう。
VPIPはHUDで確認できる!
VPIPは、HUD(ヘッズアップディスプレイ)というツールを使うことで確認できます。
KKPOKERなら、月額課金を行うことでこの機能を利用できます。
HUDを使えないGGPokerや、ポーカーチェイスやMホールデムと言ったポーカーアプリでも、相手のVPIPを確認できる機能がついていることが多いです。
ポーカーのVPIPの情報を生かして相手に対応するには?
ここでは、VPIPを見ることで相手に対応する方法について解説していきます。
相手がルースな場合とタイトな場合に分けているので、ぜひプレーの参考にしてくださいね!
ポーカーのVPIP別対処法①
相手がタイトな場合(~18%)
タイトな相手からレイズを受けた場合、相手のハンドレンジは通常より固く、強力なことが多いです。
レイズに直面したなら、通常より多くのハンドをフォールドすることになるでしょう。
逆に、タイトな相手が後ろに控えている場合、相手は通常より降りてくれるため、スチールを狙いやすくなります。
ポーカーのVPIP別対処法②
相手がルースな場合(25%~)
ルースな相手からレイズを受けた場合は、相手のハンドレンジは通常より弱いことが予想できます。
なので、上記の画像のハンドのように、そこそこ強ければバリューベットも広く打ちましょう。
また、相手が抵抗できる手を持っていることは少ないので、3betレンジをいつもより広げてみても良いでしょう。
ポーカーのVPIP別対処法③
相手が平均的な参加率の場合
相手のVPIPが適正な場合、VPIPだけで付けこむ隙を見つけるのは難しいかもしれません。
後述する他のスタッツを見て、付けこむ隙があるかも一緒に考えてみましょう。
特にない場合は、GTO的な戦術を取ることで身を守ることも考えましょう。
VPIP以外には何がわかる?HUDからわかる主なスタッツについて解説!
ここでは、HUDでわかる主要なスタッツについて解説していきます。
- Preflop Raise%(PFR)
- 3bet%(3B)
- Fold to 3bet%(F3B)
- Flop CB%
- Fold to flopCB%
- WTSD%
- W$SD%
用語の意味と適正値から外れたプレイヤーへの対処法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
挙げている適正値は、一般的に言われる6人テーブルにおける適正値です。状況次第で変わるので、参考程度にとどめておいてください。
HUDの主要スタッツ①
Preflop Raise%(PFR)
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- Preflop Raise(PFR)
プリフロップにおいてレイズで参加している割合のこと。
- Preflop Raise(PFR)
VPIPに次いで重要なスタッツです。
PFRはその性質上、VPIPより大きくなることはありません。通常、VPIPから数%下の値を示すことが多いです。
PFRの数値が、VPIPに比べて極端に低い場合、相手はリンプをしているか、BBやBTN以外でのコールが多すぎるプレイヤーです。
HUDの主要スタッツ②
3bet%(3B)
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- 3bet% (適正値:8%前後)
プリフロップでレイズに直面したとき、3betを返した割合のこと。
- 3bet% (適正値:8%前後)
3bet%が少ない相手の場合、相手は比較的パッシブだと言えます。ブラインドスチールも比較的通りやすいです。
ただし、こんな相手から3betを返された場合は要注意です。なぜなら、彼らの3betレンジはめちゃくちゃ強いと考えられるからです。
また、マイクロステークスのキャッシュゲームには3bet%が極端に大きい(15%~)プレイヤーもよく見られます。
これは、3betへの対応が苦手なプレイヤーを搾取する戦略だと言えます。
こんな相手には、(ポジションがあるなら)広くコールしたり、ブラフ4betを増やしたりして対応していきます。
ブラフする候補として、AやKをブロックしているスーテッドハンドが挙げられます。(A5sやK9sなど)
HUDの主要スタッツ③
Fold to 3bet%(F3B)
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- Fold to 3bet% (適正値:60~70%)
3betに直面したとき、フォールドする割合のこと。
- Fold to 3bet% (適正値:60~70%)
この値が高いプレイヤーは、3betに降りすぎる傾向があるため、3betで圧力をかけることがより有効になります。
とはいえ、相手は弱い手もディフェンスしていると考えられるので、フロップ以降戦うときは意識しておきましょう。
HUDの主要スタッツ④
Flop CB%
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- Flop CB% (適正値:60%~70%)
コンティニュエーション・ベット(CB)を打った割合のこと。
- Flop CB% (適正値:60%~70%)
適正値よりCBを打ちすぎるプレイヤーの場合、ブラフのCBが多く含まれていることが予想できます。
CBに対して広くコールできますし、こちらに有利なボードが落ちているなら、いろいろな手でチェックレイズを返してみても面白いでしょう。
逆にCBが少ないプレイヤーからCBを受けた場合、コールするレンジやチェックレイズのレンジを絞る必要があります。
Flop CB%と同様にターンやリバーにおいても同様のCB%の統計を取ることも出来ます。とはいえ、フロップの統計が最も取りやすく参考になることが多いです。
HUDの主要スタッツ⑤
Fold to flopCB%
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- Fold to flopCB (適正値:50%~60%)
相手のCBに対して、フォールドした割合のこと。
- Fold to flopCB (適正値:50%~60%)
この数値が大きい相手であればあるほど、CBが効きやすいと言えます。広くCBしていけば搾取できることでしょう。
ただし、この数値が高い相手がコールしてきた場合、相手のコールレンジはかなり強いことが予想されます。
CBレンジを絞ったうえで、コールされたときには細心の注意を払いましょう。
HUDの主要スタッツ⑥
WTSD%
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- WTSD%(Went to Showdown%)(適正値:20~30%)
フロップまで進んだプレイヤーがショウダウンまで進む割合のこと。
- WTSD%(Went to Showdown%)(適正値:20~30%)
WTSD%は、フロップを見た相手がどれだけフォールドしているのかの指標になります。
この値が極端に高いプレイヤーの場合、相手のベットにコールし過ぎであると考えられます。
相手にブラフが通りにくい可能性が高いので、バリューを手厚く打つことを心掛けるといいでしょう。
逆に、WTSD%が低いプレイヤーの場合は、ブラフが通りやすい可能性が高いので、ブラフを試す価値がより高まります。
HUDの主要スタッツ⑦
W$SD%
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- W$SD% (適正値:50%前後)
ショウダウンしたハンドで、勝っている割合を示したスタッツのこと。
- W$SD% (適正値:50%前後)
この値が極端に高い場合、相手のベットがバリューに偏っているか、ブラフキャッチ頻度が小さすぎることが分かります。
こんな相手からベットを受けたなら、普段よりフォールドを増やしたほうが良いかもしれません。
さらに言えば、ブラフキャッチをあまりしないため、ブラフのオーバーベットは比較的効きやすい相手だと言えます。
逆に、この値が低い場合、相手のベットにブラフが多いか、ブラフキャッチ頻度が大きすぎます。
相手からのベットにはタフコールし、強い手を持っている時にはオーバーベットなど積極的なベットをしていくと上手く搾取できるでしょう。
ポーカーのスタッツを見る時の注意点
スタッツを確認するとき、そのデータの信頼性は十分なサンプル数を集められているかどうかに限られます。
ポーカーというゲームの性質上、少しのサンプル数だけでは何もわかりません。
数百ハンドのデータでは、たまたま手が入っていて、VPIPが高くなる時もあれば、全く手が入らず参加できないときも出てきてしまいますよね。
VPIPとPFRを参考にする場合、最低1,000ハンドくらいはデータは欲しいところです。それでも、せいぜい大きく外れたプレイヤーが察知できるくらいでしょう。
また、VPIPとPFR以外のスタッツを戦術に役立てるにはこれ以上のサンプル数が必要です。
ポストフロップをプレーできることなんて、全体的にはかなり稀なことですからね。
いずれにせよ、サンプル数が少ない状態でスタッツを気にしても、スタッツに惑わされるだけですから、無理に対応してやろうと考える必要はありません。
参考程度にとどめておきましょう。
スタッツから相手の隙を探してみよう
ポーカーで稼ぎたいと思うなら、相手のスタッツを確認して、対応していくのはとても大切なことです。
もしもHUDを使っていないなら、この機会に使ってみることをおすすめします。
引用元:The Poker Bank