ポーカーのブラインドとは、強制的にゲームに参加させられる人のことです。ホールデムで言えば、スモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)がこれに該当します。
多くのプレイヤーが、ブラインドに立たされることによってスタックを削られていきますが、抵抗する手立てもあります。
この記事では、ポーカーのブラインドについて解説します。
- ブラインドベットとは
- SBやBBでのプリフロップ戦略
- ブラインド関連の用語
ぜひ最後まで読んでいただき、ブラインドについて知っていただけたらと思います。
Roche
- ゲーマー大学院生
- ポーカー/麻雀/FPS
- JOPT出場経験あり
Contents
ポーカーのブラインドとは?基本的な情報を解説!
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- ブラインド
ハンド毎に発生する強制ベットのこと。
- ブラインド
ポーカーはポットを奪い合うゲームです。
よって、ゲームの最初で何らかの形で奪い合うべきポットを作る必要があります。ブラインドベットは、その最初のポットを作るための手段の1つです。
近年では、数人(1人~3人程度)のプレイヤーがブラインドベットをするスタイルが定着しています。
ブラインドは誰が払うの?
ホールデムやオマハなど、ボタンのあるゲームでは、BTNの左隣のプレイヤーの2人がそれぞれSB、BBとしてブラインドを払います。
稀に、1人だけがブラインドを払うケースも存在します。(PokerStarsの6+など)マストストラドルのテーブルならブラインドは3人と言えます。▼
ボタンのないスタッドゲームでは、1ハンドごとにブラインドを決めます。具体的には、表に配られたカードのランクが最も低い、一番弱そうに見えるプレイヤーがブラインドに立たされます。
最初のブラインドの決め方(BTN決め)
ホールデムなどの、ディーラーボタンが存在するゲームで、最初のブラインドを決めるには、まずBTNを決める必要があります。
ここでは、BTNの決め方を紹介します。
まず、左端(1番シート)のプレイヤーから時計回りで、カードを表向きにして1枚ずつ配ります。
カードを配られたプレイヤーのうち、一番強いカードが配られた人がBTNになり、その左隣2人がブラインドになります。
ブラインドが上がるとどうなるの?
ミニマムベットや、プリフロップのミニマムレイズの額がBB基準で決まるためです。
トーナメントのブラインドは時間で上がる
トーナメントは生き残ることで賞金を獲得できるゲームです。
そのため、ブラインドが上がらない場合、勝負せずに生き残ることを重視するプレイヤーが出てくることが考えられます。こうなるとゲームが進みませんよね?
そこで、ブラインドの上昇というルールを付け加えます。ブラインドが上がっても、プレイヤー全体のチップの総量は変わりませんから、誰かからチップを奪わないとジリ貧になってしまいます。
これにより、戦わないことにリスクが生まれ、ゲームに参加する必然性が生まれるのです。
ブラインドはとても不利なポジション!
まず大前提として、ブラインドはとても不利なポジションであると言えます。
- ポジションが不利だから
- ブラインドを払わないといけないから
それぞれ順番に見ていきましょう。
ブラインドが不利な理由①
ポジションが不利だから
SBとBBはどちらもポジションが不利なプレイヤーです。
プリフロップでは、最後にアクションすることこそできますが、それ以降は一番最初にアクションすることになります。
ポジションが悪いと、相手の出方を伺うことができず、たとえハンドが強くなったとしてもポットを大きくしづらいですし、上記のハンドのようにブラフもOOPから打たなければなりません。
ブラインドが不利な理由②
ブラインドを払わないといけないから
当然の話ですが、ブラインドという余計なお金を払っているのが不利な理由の1つです。
ブラインドポジションでは、いかに自分のブラインドを無駄にせずに戦えるかで差が付きます。
ブラインドってどう戦えばいいの?プリフロップ戦略を解説!
ここからは、ホームデムにおけるブラインドであるSBとBBのプリフロップの戦い方を見ていきます。
実際にプリフロップチャートを見ながら、どのような戦い方をするべきか考えてみましょう。
ブラインドのプリフロ戦術①
【SBのプリフロップにおけるコツ】
まず、下図はGTOWizardで調べた、BTNの2.5BBレイズに対する、SBのアクションです。(赤がレイズ)
やはり、プレーするハンドをかなり絞っており、その代わりアグレッシブにプレーすることをツールもおすすめしています。。
ここまで踏まえて、SBのプリフロップのコツは下記の2点だと言えます。
- レイズには3betかフォールド
- 3betの額は大きめに
それぞれ詳しく解説します。
①レイズには3betかフォールド!
レーキやアンティの有無でも変わりますが、SBで相手のレイズにコールするプレーはあまりおすすめできません。
なぜなら、コールすることで最悪なポジションが確定してしまい、戦いづらくなるからです。
さらに言えば、あなたの後ろにはBBがいます。BBにコールされればさらに戦いづらくなりますし、最悪の場合BBにレイズされて降ろされてしまうこともしばしばです。
相手が降りてくれるかもしれませんし、ポストフロップでも強さを主張しやすいですからね。
上記の画像のハンドでは、相手が3betに降りて、プリフロップで$32の利益を得ることができました。
②3betの額は大きめに!
具体的には、レイズ額の4倍~5倍程度の3betを返すといいでしょう。
SBはコールされた瞬間、ポジションがない状態で戦うことになります。相手も自分にポジションがあることを知っているので、半端なレイズを返しても広くコールされてしまいます。
そのため、大きめにレイズを返して、即座にポットを獲得することを狙ったほうが得になりやすいです。
プリフロップでHJのプレイヤーがレイズ(オープン)、あなたがSBから9♦10♦で3betした場面。
HJにコールされ、フロップはA♠J♥4♦。
このボードは今あなたが持っているハンドとは関係なく、あなた(レイズ側)に有利なボードです。
そこであなたは、$77のcbetを打ちました。
相手は降りて、見事$111の利益を出すことができました。
この具体例のように、cbetは上手く使いこなすことができたら、長期的に大きな利益を上げることができます。
ブラインドのプリフロ戦術②
【BBのプリフロップにおけるコツ】
次に、BTNの2.5BBレイズに直面した場合のBBのアクションは次のようになります。(赤がレイズ、緑がコール)
先程のSBの表と比べて、かなりプレーできる範囲が広がりました。
そして、SBほどのアグレッシブさは必要なく、幅広くコールで参加することをツールがおすすめしています。
ここまで踏まえて、BBのプリフロップのコツは下記の2点だと言えます。
- 投機的なハンドをコール
- 3betは大きくブラフも混ぜる
それぞれ詳しく解説します。
投機的なハンドを広くコールしよう
BBでレイズに直面し、リレイズが入っていない場合、広くコールすることが正当化されます。
理由の1つとしてはブラインドを払っているからです。他のプレイヤーがコールするには3BB払う必要がありますが、BBの場合は2BB払えば済みます。
もう1つの理由は、必ずフロップが見られるからです。
他のポジションの場合、相手からレイズされ、フロップを見られない恐れがありますが、BBではその心配はありません。よって、他のプレイヤーに比べ投機的なハンドのエクイティを実現させやすいと言えます。
また、複数のプレイヤーがいる場合にはコールレンジは狭くなるので、チャートを見ながら調節しましょう。
3betは大きく、ブラフも混ぜて!
BBでの3bet戦略は、SB同様にレイズサイズを大きくするほか、ブラフハンドを多く混ぜて行うのが特徴です。
具体的には、K3s~K5s、Q5~Q9s、Ax、スーテッドコネクターの一部などです。
コールできるハンドのうち、フロップ以降でポットを獲得するのが難しいハンドを、思い切ってブラフレイズに混ぜていると言えます。
こうすることで、弱い手でリスチールを狙いながら、3betレンジに入っているプレミアムハンドの価値をフロップ以降、向上させることができるのです。
プリフロップでSBのプレイヤーがレイズ、あなたがBBからA♠K♥で3betした場面。
フロップでSBのチェックの後、あなたがベットはcbetを打ちました。
このハンドでは、SBの相手が降りて、見事$81の利益を得ることができました。
ブラインド関連の用語を知っておこう!
ここでは、ブラインドに関連した用語を4つ紹介します。
- ブラインド・スチール
- ブラインド・ディフェンス
- スクイーズ
- ブラインドチョップ
それぞれ順番に見ていきましょう。
ブラインドの関連用語①
ブラインド・スチール
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- ブラインドスチール
プリフロップでレイズすることによって、ブラインドを降ろしてポットを獲得することを狙うプレー。
- ブラインドスチール
主に、レイトポジションのプレイヤーが狙うことが多いです。ブラインドスチールを狙えることが、プリフロップでレイズするメリットの1つだと言えます。
スチールでポットを獲得しても、一見小さな稼ぎに思われますが、ボタンが1周し、次に同じポジションになるまでの出費を稼げると考えると、大きな差です。
特に、トーナメントではスチールの価値が高まります。
なぜなら、多くの場合アンティが存在し、ショートスタックになることがほとんどだからです。
スチールによって増えるスタックの割合も大きくなりますし、何よりスチールが一度決まれば、ボタンが1周するまでの間、(何もしなければ)生き残ることができます。
ブラインドの関連用語②
ブラインド・ディフェンス
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- ブラインドディフェンス
ブラインド・スチールに対するカウンタープレー。
- ブラインドディフェンス
レイトポジションからのレイズに降りすぎた場合、相手にブラインドを奪われるばかりです。
そのため、主にBBのプレイヤーは、スチールを狙う相手に対して広くコールしたり、リレイズを返したりしてブラインドを守ります。
先ほど見ていただいた通り、BBはかなり広いレンジでディフェンスすることが正当化されます。
初級者の方の場合、BBで降り過ぎることがリーク(弱点)になりやすいので、一度プリフロップのハンドレンジを確認してみると良いでしょう。
ブラインドの関連用語③
スクイーズ
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- スクイーズ
レイズに1つ以上のコールが入った場合に、大きく3ベットするプレーのことで、BTNやブラインドのプレイヤーから行われることが多い。
- スクイーズ
スクイーズが入ることで、コーラーはもちろん、2人のプレイヤーに挟まれたオリジナルレイザーもかなり苦しい状況に立たされます。オリジナルレイザーを降ろすことができたなら、かなりの確率でコーラーも降ろすことができるでしょう。
もし、コールされたとしても、プレイヤーの人数を減らす効果が期待できますし、有利なフロップが落ちれば、強気に攻めることができるので、ポットを獲得しやすいです。
スクイーズする手は、AAやKK、AKなどのプレミアムハンドはもちろん、ブラフハンドとして、J8s~JTs、A5s、87sや76sなどのスーテッドコネクターなどが考えられます。
ちなみに、上記のハンドは僕が逆にルースに思われていたためか、下記の結果となりました。笑
ブラインドの関連用語④
ブラインドチョップ
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- ブラインドチョップ
プレイヤー間で行われるブラインドヘッズをしない取り決めのこと。取り決めをしたプレイヤー同士でブラインドヘッズになった場合は、お互いのブラインドを戻し、次のハンドに進みます。
- ブラインドチョップ
オンラインでは見られず、主にフロップ以降にレーキが発生する、ライブキャッシュのテーブルで見られます。
ブラインドチョップをする最大のメリットは、レーキを払わずに済むというものです。ブラインドヘッズでは、参加するハンドがとても広くなり、その分レーキを払う機会が増えます。
もし、隣のプレイヤーから、ブラインドチョップを持ちかけられたなら、応じてあげたほうが得になりやすいです。
ただし、一度ブラインドチョップに応じたなら、テーブルを離れるまで、その取り決めを続けることになります。いいハンドが入ったからと言って、ブラインドチョップに応じないというのは通じません。
プロのブラインドヘッズ!
あの有名プロJungleman(ジャングルマン)がハスラーの配信でブラインドヘッズになったハンドです。
引用元:HCL Poker Clips
ブラインドを奪われないように立ち回ろう!
- ブラインドは強制ベットの一種
- ホールデムではSBとBBがある
- 3betを大きくするのがおすすめ
- BBでは広くディフェンスしよう
確かに、ブラインドのポジションは不利ですが、なすがままにブラインドを渡していては、相手に搾取されてしまいます。
できるだけ、ブラインドスチールしに来る相手にリスクを負わせるようにプレーをすることが求められるのです。